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FASHION

2023.10.21

コットンとは|その特徴や綿との違いをスタイリストが解説

Tシャツやスカート、パンツなどの衣類から下着、寝具、タオル類に至るまで、さまざまなものに使われているコットン。その特徴や綿との違い、コットンアイテムを使ったおすすめコーデなどをスタイリストとともにご紹介します!

【スタイリストが解説】コットンとは?

(c)Adobe Stock

コットンと言えば、多くの衣類に使われており、私たちにとってとても身近な存在ですよね。でも、その原料や特徴についてまでは、知らない方もいるかもしれません。 そこで今回は、コットン生地の特徴やメリット、デメリットなどを、スタイリスト・城長さくらさんに教わりました。

コットンの意味や特徴

「コットンはご存知の通り、日本語では『綿』のこと。吸水性や吸湿性があり、通気性もよく丈夫なため、植物性繊維の中でも特に優れた特性をもっています。衣類に使う繊維の中では最もポピュラーで、トップス、ボトム、アウターなどさまざまなアイテムに使われていますね」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)

コットンの原料

コットンの原料
(c)Adobe Stock

「コットンの原料は、アオイ目アオイ科ワタ属に属する多年草『ワタ(綿)』。ワタの種を覆っている白いふわふわした『種子毛(しゅしもう)』からとれる繊維や、その繊維からつくられる糸や布のことをコットンと呼んでいます』

綿との違い

「綿=コットンで、まったく同じものをさします。綿を意味する英語のcottonをカタカナ表記にしたものがコットンです」

環境に配慮したコットンとは?

着るものに対してサステナブルな意識が高まる中、ファッション業界でも注目を集めているオーガニックコットンやリサイクルコットン。その特徴を見ていきましょう。

オーガニックコットンとは

「オーガニックとは有機栽培のこと。そして有機栽培とは、化学肥料や農薬を使用しない栽培方法を意味します。ですからオーガニックコットンとは、厳しい基準をクリアし有機栽培で育てられた綿花からつくられたコットンのこと。その基準には、科学薬品の最小限使用や栽培農家の労働環境といったものも含まれるため、地球にも人にも優しいコットンと言えます」

リサイクルコットンとは

「コットン製品をつくる際に紡績工場や縫製工場で出た不均一な糸や落ち綿、断裁くずなどを再利用して新たに生地にしたものが、リサイクルコットンと呼ばれます。今までなら捨てられていた断裁くずなどを再利用して、無駄を省くことで、環境にも優しくサステナブルな意識をもつことにもつながります」

コットン生地のメリット

コットンのメリット
(c)Adobe Stock

植物性繊維の代表とも言えるコットンのメリットとは? 昔から長く愛される理由に迫ります。

1.冬は暖かく夏は涼しい

「サラサラした着心地で夏でも快適なコットン。その理由はコットンの中心部分が空洞になっているから。空洞があることで通気性がよくなります。吸水性も高いため、汗をかきやすい夏場でも快適に着られ、涼しく感じるようです。逆に寒い時期は空洞部分にたっぷり含まれた空気の層が保温効果を発揮! 上着を着ることで熱を逃しにくくなるそうです。また、保湿性があり肌あたりも優しいので、肌に一番近い下着に多く用いられています」

2.耐久性に優れており丈夫

「摩擦などに強く伸縮性もあるので、デイリー使いに最適。洗ってもヘタレにくいのも助かりますね」

3.お手入れしやすい

「水や熱に強いため、気軽に自宅で洗えますし、アイロンかげもOK! 洗うとシワになりやすいデメリットがありますが、アイロンでしっかり伸ばせるので、お手入れしやすい生地と言えます」

4.通気性がよい

「通気性がよく蒸れにくいので、下着や靴下にも使われています。汗をたくさんかく赤ちゃんのためのベビー服にも、よく使用されていますね」

5.吸水性が高い

「コットンにもさまざまな種類あり、タオルなどによく使われるパイルもコットンを原料とするのものが多くあります。元々吸水性の高いコットンですが、パイルのように布地を起毛させることで、より吸水性が高まります」

6.染色しやすい

「染めやすいことも幅広いファッションアイテムに使われている理由のひとつ。色づきがよいため、さまざまな色や柄を楽しむことができます」

コットン生地のデメリット

メリットが多く万能素材のように感じるコットンですが、繊維の構造上いくつかのデメリットも。

1.洗濯すると縮みやすい

「洗濯後、乾燥するときに繊維が元の形に戻ろうとすることで縮みが生じます。多少の縮みはどうしても発生してしまうので、洋服を購入するときは、縮むことも想定してサイズを選ぶ必要があります」

2.シワになりやすい

「コットンの中でもシワになりやすいものとシワが目立ちにくいもの、さまざまありますが、シャツのようなパリッとしたコットンはアイロンがけが必須。パイルや裏毛のような起毛素材であれば気にならないこともありますが、シワはつきものと心得てアイロンがけをがんばりましょう♪」

3.濡れると乾きにくい

「コットンは繊維の中が空洞になっていてたくさん水分を含みます。そのため、水に濡れると乾きにくいというデメリットも。 水分を吸収しにくい化学繊維と比べると、特に乾きにくく感じると思います」

コットンアイテムを使ったおすすめコーディネート

コットンのメリット・デメリットを把握したところで、実際にどのようなアイテムに使われているのか、着こなしとともに見てみましょう。

【コットンTシャツ】

コットンTシャツ
光沢のあるコットン、切り替えのない続き袖、二の腕をカバーするドルマンデザインと、きれいめ要素が一枚に凝縮されたTシャツを主役にしたカラーONカラーコーデ。上質なコットンだからこそ、シンプルなTシャツコーデも大人っぽくサマになる。

“ebure”のきれいめTなら、パンツスタイルも品よく着地!

【コットンシャツ】

コットンシャツ
洗いをかけた地厚なコットン素材のオーバーシャツにリラクシーなサテンパンツを合わせて。上下ともにゆったりしたフォルムのカジュアル。それでいて品よく好印象なのは、ハリのあるコットンときれい色パンツの清涼感のおかげ。

洗いをかけた地厚なコットンシャツがサテンパンツと好相性!

【コットンスカート】

コットンスカート
大きな黒のボストンバッグに、黒のひも靴。小物が思いっきり辛口だから、ピンクニット×ストライプのコットンスカートというガーリーな組み合わせもOK。コットンの爽やかな風合いも、甘めコーデに抜け感を出してくれる。

休日にマネしたい! 甘めに着ない「プリーツスカート」最旬コーデ3

【コットンパンツ】

コットンパンツ
コーディネートを引き締めるブラックのコットンバギーパンツに、パープルのニット。余裕のあるシルエットとこっくりした色合わせが、センスのいい通勤おしゃれへと導いて。

今っぽく動きやすい! ユニクロのコットンバギーパンツ

最後に

サラサラッとした肌触りが心地いいコットンは、オールシーズン使えて毎日のコーディネートにかかせない存在。そのメリット、デメリットを知ったうえで、着用シーンや目的に合ったコットンアイテムを選びたいですね!

▼スタイリスト解説シリーズを読む

城長さくら

監修者:スタイリスト 城長さくら

スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram(@shiroosa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。

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