目次Contents
タックインとは?
着こなしをブラッシュアップしてくれる、腰回りの着こなしテクニック「タックイン」。まずはその意味や流行の背景について、スタイリスト・城長さくらさんに聞きました。
「タックインとは、トップスの裾をパンツやスカートなどのボトムに入れる着こなしのこと。同じ意味合いで、トップスイン、ウエストインなどと言われることも」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
流行の背景について
「1970年代はトップスをタックインするのがお洒落と思われていましたが、1990年代~2010年代になると、トップスの裾は出したほうがお洒落、という流れが続いていました。でも、その後はトップスの種類によってアウトしたりインするように。最近では、トップスの一部や前だけタックインする着こなしがトレンドとなり、着こなし上手な女性が増えました。また前後で長さが違ったり、布の重ね方で『実際にはタックインしていなくても、タックインしている風に見せるトップス』も多く登場しており、デザイナーの皆さんの力量の凄さを感じます」
タックインのやり方
タックインの意味や背景を理解したところで、次はタックインの方法を教えてもらいます。
全部タックインする方法
「トップスの裾をすべてボトムにイン。コンパクトなトップスのときは全部タックインすると、きれいに収まります。窮屈に見えないよう、ブラウジングは必須!」
フロントのみタックインする方法
「トップスのフロント部分だけをボトムにイン。オーバーシルエットのトップスのときにやると、トップスにニュアンスが生まれて、着くずしたようなラフな印象に。きれいにタックインするのではなく、無造作にタックインするのがポイントです」
フロントの半分だけタックインする方法
「シャツをタックインするときにおすすめの方法。シャツの裾から2番目くらいまでボタンを外して、左右どちらかの裾だけをタックインします。このように着くずすことで、シンプルなシャツに動きが生まれて、こなれた印象になりますよ」
タックインコーデにNGはある?
上半身をすっきり見せてくれるタックインですが、NGコーデはあるのでしょうか? できれば避けたい、具体的な着こなしや組み合わせを教えてもらいます。
NG1:コンパクトなトップスをピタッとタックイン
「細身のトップスをピタッと体に沿わせたままタックインすると窮屈に見えるので、必ずブラウジングして、トップスにゆとりをもたせてください。ブラウジングする余裕がない場合は、ベルトをするのも手。コーディネートのポイントにもなりますし、ウエスト部分の目くらましにもなります」
NG2:タイトなアイテム同士の組み合わせ
「トップス、ボトムが共にタイトなシルエットだと、体のラインがくっきり見えてしまいます。体のラインを強調したくない場合は、タックインするのを避けたほうがよさそう」
【2023年最新】タックインが野暮ったくならないコーデのポイント
よりお洒落にタックインをするために、気をつけるべき点は? せっかくのタックインを、野暮ったく見せないためのポイントをご紹介します。
POINT1|トップスとボトムスのバランスに注意
「コンパクトなトップス×ワイドパンツ。もしくは、オーバートップス×ワイドパンツがトレンドのバランス。ひと昔前まで主流だった、ゆったりトップスにタイトなボトムを合わせる『ゆるピタバランス』は野暮ったく見えるので要注意!」
ブラウス感覚の五分袖Tシャツは、通勤パンツスタイルに活躍する!
POINT2|タックインする時はブラウジングが必須
「どんなトップス、ボトムの組み合わせでもブラウジングはマスト。ブラウジングすることで服に動きが出て、こなれ感が出てきます」
POINT3|適度な無造作感がポイント
「前だけタックイン、裾の左右だけタックイン。いずれも着くずすことを目的としているので、きれいにきちんと着るのはNG。適当さが大事です」
【色ごとの着こなし】おすすめのタックインコーデを厳選
コーディネートのポイントを押さえたら、次は実際の着こなしをチェック! トップスの色別に、おすすめのコーディネートをご紹介します。
黒|カットソーをゆるめにINして女らしく
リラクシーに着こなしたいカラースカートには、黒のカットソーをゆるめにタックイン。力の抜けた着こなしが、今っぽい女らしさを香らせてくれます。
白|カジュアルなTシャツもタックインできれいめに
ウエストアウトして着るとラフに見えるロゴTも、パンツにINしてカーディガンを肩がけすればきれいめな印象に。レザーウォッチやパールネックレスといったきちんと見えする小物をプラスして、コーディネートに味わいを!
茶色|ボリュームスカートにとろみTシャツをIN
量感のあるドレススカートにニュアンスのあるブラウンTシャツをゆるっとタックイン。ピシッと入れずゆとりをもたせることで、今っぽい女性らしさを漂わせて。
ピンク|前だけタックインで甘めニットをこなれさせて
鮮やかなベリーピンクのニットを、ハイウエストのバレルパンツにタックイン。長めのニットもフロントだけINすれば、腰まわりがもたつかず、今どきのバランスに。
ブルー|腰巻きニットでお腹まわりも自然にカバー
ブルーの爽やかなシャツをパンツにタックイン。ブラウジングでたるみをつけたら、ベルトの代わりにニットやカーディガンを腰巻きするのも手。コーディネートのアクセントになるだけでなく、気になるウエストラインをさりげなく隠してくれる。
【季節ごとの着こなし】おすすめのタックインコーデを厳選
タックインはシーズン問わず使えるテクニック。季節に合わせたおすすめのコーディネートをピックアップしました。
春|タックイン+ベルトでシアーニットを辛口に
透け感のあるニットをミリタリーパンツにタックイン。レザーの細ベルトをプラスして、甘いピンクを都会的に装って。
夏|コンパクトな白Tをテーパードパンツでバランス良く
ジャストサイズの白Tは、ボリュームのあるテーパードパンツと好相性。タックインでコンパクトにまとめることで、上半身の華奢さが際立つ。
秋|甘めブラウスをバレルパンツで辛口に
肩を覆うほどのフリル襟がポイントの甘めブラウス。合わせた黒パンツを、定番のスキニーではなく太ももまわりに膨らみをもたせたバレルパンツにすることで、今っぽく着こなせます。
冬|厚手のニットもタックインですっきりと
ボリュームスリーブのニットもスカートにINすれば腰まわりがすっきり! きれいめに着こなせるだけでなく、スタイルアップも叶えてくれます。
タックインでこなれ感を手に入れて!
きちんとシャツも、きれいめニットも、タックインで無造作感を演出すればグッとこなれた印象に。見慣れたアイテム同士の組み合わせも今っぽく着こなせます。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。
Instagram(@shiriisa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。