オケージョンとは?
オケージョンというと結婚式を思い浮かべる方が多いと思いますが、本来はもっと広い意味で使われる英単語。どのような意味があるのか、スタイリスト・城長さくらさんに聞きました。
「オケージョンとは、英語の『occasion』のことで、『行事』『式典』『祭典』を意味する言葉です。 それが転じて、日本では結婚式や入学式などのような行事、式典で着用する服装や小物そのものも指すようになったようです。ファッション業界でも『オケージョン』は、結婚式や入卒園周りのアイテムを指す言葉として使われていますね」(スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同)
結婚式で守りたい基本のドレスコード
20代、30代に関わりの多いオケージョンというと、やはり結婚式や2次会。そこで、結婚式に参列するときに守りたい、5つのルールを教えてもらいました。
Rule1:「白ドレス」はNG! 白は花嫁の特権
「結婚式において白いドレスはもっとも格式高い服装のため、主役の花嫁だけが着用を許されます。ライトベージュなど、白っぽく見えるドレスを着る場合は、小物で他の色を足して、全身白っぽく見えないようにしましょう。また黒い服を着る場合も、喪服を連想させないよう、小物で華やかさを足すのがおすすめです」
Rule2:肌の露出に注意! 肩出しや胸の露出は避けて
「昼間の結婚式では、露出の多い服はNGとされています。夜のパーティや二次会では肩出しOKな場合もありますが、 結婚式から参加する場合は、ノースリーブの服を避けるか、ストールやカーディガンなど、サッとはおれるものを用意しておくと良さそう。最近ではレースやチュールなどの素材が巧みに肩〜二の腕周りに取り入れられ、取り外すとデイリーに使えるデザインになるワンピースが多く登場しています。ドレスと色や素材が異なるはおりものを合わせる『わざわざ感』を出さず、自然な佇まいに見せられるのがこのタイプのワンピの魅力です」
Rule3:ミニ丈はNG。ひざ上~膝下丈が基本
「昼間の挙式や披露宴では、ひざ上10㎝以上のミニスカートや、ざっくりスリットの入ったドレスなどは避けましょう。ただし、夜のパーティやカジュアルな式ではOKなこともあるので、事前に式の雰囲気やパーティスタイルを聞いておくと安心です」
Rule4:パンプスなど爪先が隠れるヒール靴がベスト
「カジュアル感が出るため、サンダル・ミュール・オープントウといった、足先が見える靴はNGとされています。フォーマルだけれど華やかさの出るサテン地やスエード、エナメル素材などのパンプスが定番。ヒールは5㎝以上で、ベージュのナチュラルストッキングを着用するのが基本です」
Rule5:髪型はアップスタイルがおすすめ
「フォーマルな式では、お辞儀や食事をするときに髪が顔にかかるのを避けるため、アップスタイルにするのが基本。髪が落ちてこなければ、ハーフアップでもOKです。ショートやボブの方は、ブローやワックスで整えて『きちんと感』を出すようにしましょう」
結婚式でのおすすめコーデ
格式高いホテルやレストランで開かれる結婚式、カジュアルなガーデンパーティなど、結婚式といってもスタイルはさまざま。最低限のマナーは守りつつ、式の雰囲気に合わせることが大切です。
Style1:ダークネイビーのロングワンピースでシックに装う
コンサバ感がありながら、鋭角のVネックやスリットなどがエッジを効かせてくれるロングワンピ。フォーマルなシーンでは、パールネックレスやワンハンドルバッグ、ポインテッドトウパンプスといった小物で、クラシカルなムードに導いて。
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Style2:ジレのセットアップで感度の高い着こなしを
スカートのフリンジが目を引く、ツイード素材のミドル丈ジレ×マキシ丈スカート。ジャケット感覚で羽織れるジレは、秋冬のドレスアップに大活躍。シンプルなハイゲージタートルをINに着るだけでも、十分華やかに仕上がります。
Style3:ほんのり透け感のある花柄ドレスで女らしく
ヴィンテージライクな花柄がプリントされた、甘すぎない黒ワンピ。ミニショルダーやスエードパンプスを合わせて上品にまとめて!
Style4:シアー素材のセットアップで軽やかに
胸元に小さな切れ込みが入ったプルオーバーブラウスと、たっぷり広がるギャザースカートのセットアップ。ワンピース並みの着映え力があるので、華やかな席でも活躍!
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卒園式・入学式でのおすすめコーデ
子供の卒入園といえば、春のビッグイベントのひとつ。結婚式や2次会とはまた違ったフォーマル感が求められます。「ネイビー一択」という園や学校もあれば、きれいめなワンピースでもOKな雰囲気のところもあるので、先輩ママに事前リサーチしておくと安心です。
Style1:信頼の置けるネイビーのジャケパン
定番のジャケパンも、ノーカラーデザイン&リネン混のシャリ感素材でモダンな雰囲気に。シャツ合わせでかっちり見せつつ、コンビカラーのパンプスでさりげない洒落感を!
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Style2:アレンジしやすい王道セットアップ
シンプルなデザインなので、パールアクセやジャケットなどでシーンに合わせてアレンジ可能。着心地の良い落ち感素材なので、長時間の式でも疲れにくい。
Style3:ベージュの上品ワンピで春らしく
特に入園式や入学式では、お祝いムードを高める春らしいベージュも人気。程よいボリュームのバルーンスリーブ&美しいAラインシルエットが、上品ながら華やか!
謝恩会・同窓会・新年会などにおすすめのコーデ
きちんと感が求められる謝恩会や会社のイベント、華やかさを添えたい新年会や同窓会など、ほかにもさまざまなオケージョンがあります。ここからは、結婚式や卒入園ほどフォーマル感を求められないシチュエーションでのおすすめコーデをピックアップ!
Style1:花柄ワンピをジャケットで端正に着こなす
ドレスアップを1枚で叶えてくれる、華やかな柄ワンピ。たっぷりと入ったギャザーで動いたときのシルエットも優雅! きちんと感を足したいときは、ベージュのジャケットをはおってエレガントに装って。
Style2:王道黒ワンピもコクーンシルエットなら今っぽい
安定の黒ワンピも、コクーンシルエットを選べば今どきに。ウエストがシェイプされているので、ラインにメリハリが出てすっきり着こなせます。全身黒だとモード色が強くなるので、足元にはベージュのジュエル付きパンプスを合わせて、抜け感を!
Style3:ライトベージュのワンピをセットアップ風に着こなして
すっきりとしたIラインワンピにジャケットをラフに羽織ったワントーンコーデ。靴とバッグで濃淡をつければ、淡いトーンもキレ良く着こなせます。
マナーを考慮しつつシチュエーションに合った着こなしを!
ひと言でオケージョンといっても、シチュエーションによって求められるフォーマル感には違いがあります。「これでなくてはダメ」という絶対的なルールはないので、基本のマナーを心得たうえで、その日の会に求められる雰囲気に沿った装いを楽しみたいですね。
TOP画像/(c)Adobe Stock
監修者:スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中! 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。
Instagram(@shiriisa)では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。