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LIFESTYLE

2022.09.08

ピアノが下手だから始めた曲づくり! 大塚 愛「質より量で勝負」で自分の居場所を【DJ・サッシャがナビゲート Vol.2】

J−WAVEの人気ナビゲーター・サッシャさんが旬のミュージシャンと対談する音楽連載。Web限定版、今回のゲストミュージシャンは大塚 愛さん。『さくらんぼ』『プラネタリウム』など、多くのヒット曲を生み出してきたシンガーソングライターでありながら、絵本作家や小説家、画家などクリエイターとしてのマルチな才能を発揮。第2回は大塚さんが作詞作曲を始めたきっかけについて。

【働く私にMusik】自分の居場所は自分でつくる!「別枠」が導いたオリジナルのスタイル

大塚愛さん

◆Guest Musician:大塚 愛

おおつか・あい/1982年、大阪府出身。15歳から作詞・作曲を始め、2003年9月10日にシングル『桃ノ花ビラ』でメジャーデビュー。同年12月にリリースした2ndシングル『さくらんぼ』が大ヒットしブレイク。翌’04年には日本レコード大賞最優秀新人賞受賞、NHK『紅白歌合戦』に初出場する。シンガーソングライターとしての活動のほか、〝AIO〟名義で楽曲提供なども行う。’19年からは本格的に油絵の活動をスタート。現在、最新オリジナル・アルバム『LOVE POP』が好評発売中。

勝負できることはいっぱい持っていたい! 大塚 愛の勝負論

サッシャさん(以下、S):非常にプロデュース能力に長けている大塚さんですが、ご自身で音楽をつくろうと思ったきっかけって、なんだったのでしょう。

大塚さん(以下、O):ピアノが下手だったことでしょうか。4歳から習っていたのですが、あまりにも練習しなくて(笑)。中学生の時、ピアノの先生が受けもっていた生徒の中で私が一番下手で、「小学生のほうが、あなたよりうまいよ。そのレベルで発表会でピアノを弾いたら、ちょっと恥ずかしいんじゃない?」と言われたほどです。

S:けっこうキツイですね…。でも、先生もハッパかけたんでしょうね。

O:それで「曲をつくって歌えば?」って言われて。なんていうか、それなら発表会で他の生徒と並んでも大丈夫じゃないかという意味で…。

S:それがきっかけで曲づくりを意識し始めたんですか?

O:歌は中学1年生のころからボイストレーニングをしていました。でも、歌も特別上手いわけじゃなかったので、歌だけで勝負するのも難しいな… となって。それなら、自分で曲をつくって弾き語りで歌ったら、ピアノの上手い子たちの中に入っても〝別枠〟として劣らないんじゃないかって考えたんです。それでまず作詞作曲のための本を買いました。

S:その思考がすごい! 独学で始めたのですね。

O:そうですね。「曲ってどうやってつくるだろう」という感じで、とりあえず。その本を読み込んだら次は実践で、みんなが使っているコードを耳コピして、そこに音をはめ込んだりして。試行錯誤をしながら、まず一曲目をつくって発表会に出たという感じです。

S:それって根性のいることですよね。その曲に手応えはありましたか?

O:なかったです…。つくってみて、「あっ、向いてない」って思いました。

S:じゃあ、そこで終わる可能性もあったわけですね。それでも辞めなかった理由は?

O:初めて作詞作曲した曲は手応えもなかったですし、曲づくりは諦めて、またピアノのレッスンに戻ったんです。でも、密かにピアノで2曲目をつくっていたんですよね。

それが3枚目のアルバム『LOVE COOK』に収録した『Cherish』っていう曲なんですけど。その曲をつくって先生にもっていったときに「コードがダサい」と言われて、先生がコードをおしゃれに直したんです。自分的には「全然よくない! こんなに自分のコードをいじられるなら、もうつくりたくない」と思って、また曲づくりを辞めたんです。

でも、しばらくたってなぜか再び曲をつくり始めたんですよね。理由が思い出せないんですけど。でも、もう先生には聴かせない、渡さないと思っていました(笑)。

S:思いどおりにいかない悔しさを曲づくりで発散できていたり、ご自身でも気づかないうちに創作活動の魅力に気づいていたのかもしれませんね。

今だったら自身の曲をYouTubeやサウンドクラウド、あるいはSNSに上げるとか、世に出す方法はたくさんありますよね。当時はそうしたアウトプットする場所がなかったから、次なるステップはオーディション?

O:そうですね。曲がたまってくると今度は録音しなきゃいけないってことで、親に専用の機材を買ってもらいました。自分で打ち込みをやって、曲を保存していくっていう。まとまってきたところで、オーディションに出してみようかなって。

S:否定されても、自分の居場所を開拓し続けて、こうして自分の世界観を築けるって、すごい才能だなって思います! 曲だけじゃなくて絵も描いて、アートワークまでご自身でされていますよね。

O:いや、自分が何かに秀でていないことがわかっていたので、〝質より量で勝負しよう〟と思ったんです。いっぱいできますよっていうのを武器にしようと思って。それで絵本もつけられますよ〜みたいなアピールを始めたんです。

S:それでもすごいことです! 「仕事の借りは仕事で返す」じゃないですけれど、それを繰り返してきたからこそ、今の大塚 愛があるのだなと実感します。

O:とにかく勝負できることはいっぱい持っていないと、プロのレベルには足らないと思っていました。だから今までにない枠に入らなきゃいけない、だれもやってきていないことやらないとっていう気持ちが強かったんだと思います。

人生をリセットするために高いところから飛び降りた『羽ありたまご』がターニングポイントに

右/大塚愛さん、左/サッシャさん

S:ここまでデビューからブレイクまでの秘話をうかがってきましたが、『さくらんぼ』の大ヒット以降、今度はそれを維持するプレッシャーと闘うことになるのでしょうか。

O:はい、そうでしたね。

S:どんなふうに、それを乗り越えてきたのでしょうか?

O:ちょうど2004年から2005年辺りでしたが、当時は忙しすぎて。でも常にチャートで何位だったかという結果が数字で出るので、それを毎回チェックしながら、次へと進む感じでした。

S:すごい世界だ…、強くなりますね。

O:当時は、負けん気のほうが強かったので、「行くしかない!」みたいな勢いでした。

S:そこからは、ミュージシャンとしてのターニングポイントになった出来事はありましたか?

O:3枚目のアルバム『LOVE COOK』に収録した『羽ありたまご』という曲をつくったときですね。当時、自分が思いがけないイメージを持たれていることを知って、しんどくなってきたんです。うまくいったことの余波を初めて感じました。「大塚 愛ってこういう人でしょ」と決めつけられることが窮屈に感じて。みんなが求めるような明るい曲を書かなきゃいけないのかなって、悩んだ時期がありました。

『さくらんぼ』とか『Happy Days』のようなアッパーな曲が注目されていましたが、個人的には『金魚花火』のようなしっとりとした曲をもっとつくりたかったので悶々としていたんです。

そんなときに、当時のアレンジャーが「そういう暗い気持ちの曲があってもいいんじゃない。今の私はこれですよってものを出せばいい。どん底にいたときの気持ちを歌った名曲だって、たくさんあるんだから。それでいいよ」と言ってくれたんです。それで「そうかしら…」なんて思いながら、ふら〜っとピアノを弾きながらつくったのが『羽ありたまご』でした。

S:それを世に出せたことによって、大塚さんご自身、気が楽になりましたか?

O:そうですね。あの曲の中で私、飛び降りたんですよ。高いところから。それで一回、リセットされた感じです。

S:それはある意味、本当の自分を取り戻したということですか?

O:一回死んだという意味です。

S:そうでしたか…。でも、そこで周りに決めつけられた自分を打ち壊すことができたんですね。

O:はい。当時は休めませんでしたし、しんどくてもスケジュールはどんどん入ってくるし、寝る時間もあまりなくて。だけど『羽ありたまご』に全部しんどいことを詰め込んだら、ちょっとラクになったんです。

S:今でも特別な思いのある曲ですか?

O:あれを世に出していいんだと思ったら、その次からは自分の好きな曲はアルバム収録曲としてなら出してもいいかなと思えるようになって。そういう意味で、ターニングポイントになった曲ですね。

<→Vol.3へ続く:〝30代前半最強説〟を唱える大塚 愛の仕事論とは?>

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オリジナル・アルバム『LOVE POP』

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【大塚さん衣装】すべて私物

【サッシャさん衣装】
ジャケット¥308,000(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン〈イザイア〉) Tシャツ¥4,180・チーフ¥880・パンツ¥10,780(ベルベルジン) その他/スタイリスト私物

【協力社リスト】
イザイア ナポリ 東京ミッドタウン:03-6447-0624
ベルベルジン:03-3401-4666

撮影/山根悠太郎(Tron) スタイリスト/久保コウヘイ(サッシャさん分) ヘア&メイク/KUMI(lodge coop/大塚さん分)、塩田勝樹(Sui/サッシャさん分) 構成/竹市莉子・宮田典子(HATSU)

大塚愛さんのインタビューはこちら!

Navigator:サッシャ

1976年、ドイツ・フランクフルト生まれ。10歳のときに日本に移住。日本語、ドイツ語、英語のトライリンガル。J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーター、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)などにレギュラー出演するほか、各種スポーツ実況をはじめ、多方面で活躍中。

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