「デルフィニウム」の特徴
「デルフィニウム」は、綺麗な青や紫、白色の花を咲かせる花です。原種だけでも200種あるとされている「デルフィニウム」は、花の形や大きさもさまざま。小さい品種は20センチほどの大きさですが、大きな品種になると150センチ近くにもなります。今回は、そんな「デルフィニウム」について一緒に見ていきましょう。
「デルフィニウム」の基本情報
「デルフィニウム」は、キンポウゲ科・デルフィニウム属に属しています。英名と学名は「Delphinium」といって、ギリシャ語の「イルカ」が語源です。「イルカ」の「dolphin」と少し似ていますよね。主な減産地はヨーロッパや熱帯アフリカの産地などで、暖かい地域で花を咲かせる多年草。
5月から6月にかけて花を咲かせますが、日本の夏の暑さに耐えられず一年草扱いになることもあります。
また、ヨーロッパでは「サムシングブルー」と呼ばれる幸せになれるおまじないに「デルフィニウム」が用いられることも。「サムシングブルー」とは、結婚式で花嫁が青いものを身につけていると幸運が訪れるという言い伝えです。それゆえ、「デルフィニウム」は、花嫁の持つブーケにあしらわれます。
確かに、鮮やかで澄んだブルーの「デルフィニウム」は、見ているだけで明るい気持ちになれますよね。しかし、「デルフィニウム」には、有毒な成分が含まれているため、誤って口に含まないよう気を付けてください。
「デルフィニウム」の育て方
「デルフィニウム」は、比較的暖かい場所を好む植物です。したがって、日当たりがよく、水はけも良い場所で栽培するのがおすすめ。10月から11月初旬くらいの秋や、3月ごろに植え付けをし、その際にたっぷりとお水を与えてあげてください。そうすれば、神経質にお水を上げなくても成長します。
「デルフィニウム」の名前の由来
「デルフィニウム」の英名は先ほども紹介したように、「Delphinium」です。これはギリシャ語で「イルカ」を意味しますが、その由来は、花が咲くつぼみの形にあります。「デルフィニウム」のつぼみは、「イルカ」の形に似ているのです。
ちなみに「デルフィニウム」の和名は「大飛燕草(おおひえんそう)」というのですが、その理由は分かりますか? 「大飛燕草」と呼ばれるのも、つぼみの形が「飛燕」つまり「ツバメ」に似ているからといわれています。
確かに、「イルカ」と「ツバメ」のシルエットを想像すると似てなくもない気がしませんか?
「デルフィニウム」に関する逸話
「デルフィニウム」は、品種も多く古くから人々に愛されてきた花。実は、ギリシャ神話にも「デルフィニウム」が登場するのです。
ギリシャ神話の中で、オルトニプスという少年とイルカが登場する話を紹介します。オルトニプスは、あるとき海で溺れかけていたところをイルカに助けられたことがきっかけでイルカたちと仲良しに。
ところが、オルトニプスは、漁師たちがイルカを捕獲しようとしている話を耳にします。心優しいオルトニプスは、イルカたちが漁師たちに捕まってしまわないよう逃がしてあげました。
イルカを逃がしたことを知った漁師たちは激怒し、なんと、オルトニプスを海に突き落とします。オルトニプスの死をイルカたちは嘆き、神さまに祈りました。その後、不憫に思った神さまが、オルトニプスを「デルフィニウム」に生まれ変わらせた、という神話があります。
「デルフィニウム」のつぼみが「イルカ」の形に似ていると言われるのも、この神話と関係あるかもしれませんね。
「デルフィニウム」の花言葉
続いては「デルフィニウム」の花言葉を紹介します。日本での「デルフィニウム」の花言葉は、「清明」、「高貴」です。ヨーロッパでは「目標のための努力」、「新しい機会・感情」という花言葉もあります。
更に詳しく、色別の花言葉も見てみましょう。「デルフィニウム」は品種が数多くあるため、花言葉も沢山。花束を作る際に、ぜひ参考にしてみてください。
青色の「デルフィニウム」
青色の「デルフィニウム」は、先ほどの花言葉の他に「あなたは幸せをふりまく」、「慈悲」、「傲慢」、「わがまま」など幅広い意味合いが含まれているようです。また、パールブルーの「デルフィニウム」もあります。
青は青でもパールがかった青の「デルフィニウム」の花言葉は「澄んだ瞳」です。加えて、マリンブルーの「デルフィニウム」の花言葉も紹介します。マリンブルーの「デルフィニウム」には、「尊大な心」や「皆があなたを慰める」という花言葉が。
同じ青系でも、花言葉にはかなりの幅がありますね。
紫色の「デルフィニウム」
紫色の「デルフィニウム」は青色と異なり、少し大人で上品な雰囲気を感じませんか? そんな紫色の「デルフィニウム」の花言葉は「高貴」と「尊大」です。
ピンク色の「デルフィニウム」
ピンク色の「デルフィニウム」の花言葉は「自由な暮らし」、「気まぐれ」、「心変わり」、「移り気」。透明がかった可憐なピンク色の「デルフィニウム」には、自由奔放な少女を思わせる花言葉がつけられています。また、ローズピンクの花を咲かせる「デルフィニウム」もありますが、こちらの花言葉は「ありふれた愛」。
黄色の「デルフィニウム」
黄色の「デルフィニウム」は、青色や紫色と比べるとあまり見かけないかもしれません。はっきりとした黄色というよりも、マイルドな黄色の花です。黄色の「デルフィニウム」にもピンク色と同じように「移り気」という花言葉がつけられています。
白色の「デルフィニウム」
白色の「デルフィニウム」の花言葉は「誰もがあなたを褒める」です。白色の「デルフィニウム」は、上品で可憐、けれど華やかさも兼ね備えており、まさに誰もがその姿を愛らしく思うでしょう。
最後に
「デルフィニウム」には幅広い意味の花言葉がありますが、怖い意味の花言葉はありません。海外では、花嫁の持つブーケにもなっているように「幸運を呼ぶ花」として愛されています。見た目も、華やかさと可愛らしさをあわせ持っているため贈り物にぴったりです。
花言葉やギリシャ神話の言い伝えとともに、大切な人にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
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