大仏と鹿「じゃない」奈良! 歴史好きがワクワクする女子旅♪
奈良といったら大仏と鹿! と思っている人は多いでしょうか。そして、それを見るのは京都観光のついで…。奈良には失礼だけど、なんだかそれが定番になってしまっているような気がします(;_;)
当然奈良の見どころはそれだけじゃない! 日本国はじまりの地として有名な飛鳥地方。古墳や昔の街なみがそのまま残っていて、1泊2日で行けるのにまるでタイムスリップしたようなワクワクした気持ちになれちゃいます。今回は私が行った旅を紹介します♪
まずは近鉄「特急ひのとり」にテンション上がりまくり!
鉄道オタクではないけれど、新しい電車や話題の電車は乗ってみたい派。「特急ひのとり」は2021年に鉄道友の会が制定する「ブルーリボン賞」を受賞、会員からたくさん支持された電車です。
東京から今回の目的地の飛鳥・橿原エリアには新幹線で京都に向かい、京都からローカル線かなと思っていたのですが、名古屋で乗り換えてひのとりに乗るパターンがある…! 初めての「特急ひのとり」にテンションが上がりました。
窓がかなり大きくて景色のパノラマがすごい…! 朝早い移動でしたがテンションが上がりまくりでした。率直な感想ですが、今まで乗った特急列車の中で一番快適かも。新幹線のグリーン車より広い!
車内は、車両のつなぎ目の部分が広くて、ソファもありました。豆から挽く美味しいコーヒーやちょっとしたお菓子が購入できます。私が乗ったのはスタンダードでしたが、プレミアム車両もありました。プレミアムも魅力的でしたが、私はスタンダードでもとっても快適でした。
快適さの理由はこのシート。高さ調節機能付きの足置き、リクライニングを最大にしても、後ろの席の人に迷惑がかからないような設計。リクライニングすると背面だけでなく、座面も前に出て快適に! 大きな窓、ゆったりリクライニング、靴を脱いで足を置いて… と、最高にくつろげました。
もちろんWi-Fiも電源も完備。名古屋から目的地の近鉄大和八木駅まで約1時間半でしたが、もっと乗っていたかったほど(笑)。
まるでタイムスリップ! 江戸時代の街並みが保存されている今井町へ
NHKの朝ドラ「あさが来た」のあさの実家のロケ地が、まさにこの今井町です。江戸時代の街並みがそのまま保存されている今井町は「重要伝統的建造物群保存地区」です。今も人々が生活しているのですが、景観を壊さないようにさまざまに工夫されていて、本当にタイムスリップしたような感覚になります。
観光のスタートはここから!「華甍」で歴史を勉強
「華甍(はないらか)」は、明治36年に教育博物館として建設された建物。明治レトロな感じがとても素敵でした。現在は今井町の歴史を詳しく解説する資料館となっています。街並みを見るだけでも楽しいですが、事前知識をしっかり入れてから見るとまた格別(そしてこういう予習、大好きなんです!)。
館内を色々見てびっくりしたのが、この今井町の模型! 再現度が高い! 今井町は江戸初期にとっても栄えていた街で、東西600m、南北310m、戸数1,100軒、人口約4,000人強という、この時代にしてはとても大きな街だったそう。
周囲をぐるりと濠で囲んで、道路もわざと見通しがきかないように作っている環濠集落。そして信長の時代から自治特権をもらっていたという特別な地域。それだけ財力のある、豊かな街だったのだなと思いました(という感じで、資料を読んで期待値を高めてから街に入るといっそう楽しめると思います!)。
街の中で見学できる商屋の模型も。大きな商屋の間取りもわかりやすく見る事ができます。
2階は広い講堂になっていました。今でも地元の病院の医局会やセミナーなどで普通に使っているそう。
窓ガラスには、明治時代のガラスの部分も残っています。今回今井町を訪れて印象的だったのが、歴史的建造物、街並みを「普通に使っている」という事。見るだけのものにして恭しく保存に徹する、というより、この講堂のように市民が普通に使えたり、町家の内部を少しリフォームして児童館にしていたり。景観は守りつつ、人々の生活感が感じられるのが素敵だなと思いました。
しょっちゅうロケ地になるのも納得!
とにかく街並みが江戸時代。そしてそれがかなりの大きさ! 案内してもらわないと迷子になりそうです(;_;)
「あさが来た」だけでなく、「るろうに剣心」、最近の映画だと尾上松也さんの「すくってごらん」や、新選組の「燃えよ剣」も今井町でロケをしたそう。たしかに、こんなにも江戸感があれば、セットを組まなくてもほとんどそのまま撮ることができそうですもんね。
街並みを堪能した後は、お店を見ていきました。歩いていると、文化財として指定され、当時のままのものを見学することができるところと、その中に普通に人の生活があるところ、観光と日常が混在していることに驚きました。観光客向けのお店だけでなく、カフェや酒屋さん、郵便局が色々とあり、当時のこと思い馳せながら、今の今井町も楽しむことができました。
文化財の商屋さんを見学
最初の資料館で模型を見た商屋さんに実際に入って見学もしました。広い土間やかまどが当時のまま残っています。湾曲したかまどは、1人の人がかまど5つを効率的に使えるようにするための工夫。よく考えられて作ってあるなと関心します。
大きな商家にあった、この2階部分。当時、大きな商家には家族だけだと切り盛りできないので、使用人がいたようです。でもそのほとんどが奉公に出されている身。2階(当時は電気も無いし、とにかく狭くて暗い…)はその使用人達の寝床になるのですが、夜には逃げ出さないようにかけてある梯子を取ってしまっていたそう。
中のお座敷も、広い面積を6等分したようなシンプルな作りながら、お店部分はお客様より目線を下げるために低くなっていたり、当時の様々なしきたりを反映させていたり、と工夫が見られます。私は歌舞伎が大好きなのですが、いつも舞台装置として見ているようなものの中に自分が入っている…! と感覚になり、わくわくしました。
ネーミングのインパクトがGood! お土産にオススメな「出世男」
江戸中期から続く酒蔵で、重要文化財にも指定されている河合酒造さん。大きな杉玉が素敵です。
杉玉の意味や目的は知っていますか。河合酒造さんに教えてもらったのですが、杉玉は大体11月末に飾られはじめれます。この緑の杉玉を飾るのは「今年も新酒ができましたよ!」という意味なのだそう! 飾りはじめは緑で、だんだん枯れて茶色になっていきます。その色の経過で今旬の日本酒が何かを知ることができるのだとか。
緑色(2月~6月頃)は新酒。薄い緑(初夏~夏)は夏酒、枯れて茶色になる秋頃はひやおろし、と2月に飾った杉玉の色が変化していくのに合わせて、日本酒の熟成具合の変化を表現するというのは、なんとも風情ある日本文化だと思います。都内だとインテリア的に飾っているお店が多い…? ような気がするのですが、もし2月頃に緑の杉玉を見つけたら、新酒が入ったのね! なんて言うととっても粋な大人だなと思います♡
そして… この河合酒造さんが作っている日本酒が「出世男」。名前のインパクトがすごい…! お土産にすると喜ばれそうです。昇進祝いのプレゼントにももってこいですね♪
ランチは「カフェ・ハックベリー」で
古民家にあふれる花木がとっても素敵な雰囲気のカフェに来ました。橿原市の文化財に指定されている築約150年の古民家を改修して作ったこちらのカフェのコンセプトは「New Nostalgy」。2012年から3年かけて、オーナー自らの手でリフォームしたこだわりがたくさん詰まった素敵なお店でした。
飾られているアンティークは、オーナーのお気に入りを1つ1つ集めたものだそう。実際にいただいたお料理も、野菜の新鮮さにこだわっているだけあって美味しかったです。こんなカフェが近所にあったら絶対通う! そう思える本当に素敵な空間でした。
◆特製アボカド丼
いただいたのは、こちらのアボカド丼。2015年のオープン当初から出している人気メニューだそう。アボカドを丸ごと1個使っていて、周りのサラダはコブサラダのようなお味でした。奈良県産の「大和野菜」が使っているとのこと。厚切りのベーコンがしっかりと味にアクセントをつけてくれました。空腹だったこともあり、ペロリ(^^)
◆ハックベリーライス
こちらは「ハックベリーライス」。奈良県産の白米がローストビーフで巻かれていて、その上にかかっている白いソースは「ビシソワーズソース」です。美味しくないはずがない…!
◆ダッチベイビーパンケーキ
スイーツはダッチベイビーパンケーキがメイン。ドイツの小麦粉を使って、もっちり感を出すために、少しタピオカ粉も混ぜたオリジナルの粉を使い焼き上げたパンケーキです。
◆モンブラン
こちらは季節限定の紫イモを使った「モンブラン」です。中は白いメレンゲを焼き上げたもの。目の前で、紫イモのペーストをかけてくれます。
◆紅茶シフォン
ビジュアルにインパクトがあったのは、こちらの青いシフォンケーキ! 青い色が出る紅茶の茶葉を使った紅茶シフォンです。ブルーの色がこんなに鮮やかに出るのは、シフォンケーキを作る時に黄身も白い卵を使っているから。オーナーさんは紅茶にもこだわりがあり、近々紅茶の専門店もオープンする予定だそう。実際に出てくる紅茶も一口飲んでハッとするほど美味でした。
オーナーさんは一度都会に出たけれど、30歳で奈良に戻ってきて奈良の良さ、今井町の歴史的な素晴らしさを実感して「地元に貢献したい」「奈良・今井町を発信したい」という気持ちでこのカフェを運営していとのこと。実際にホームページやInstagramも覗いてみて欲しい! お洒落で、美味しそうで、行きたくなること間違いなしです♡
今井町、広くて素敵なお店がいくつもあるので、今回は丸一日満喫しました。ランチまででこの満足度(笑)。この日訪れた夕方おやつを頂いたカフェや晩ごはんについては次回のブログに続きます♪
オッジェンヌ 大枝千鶴
2015年からOggi読者モデル「オッジェンヌ」として活動。営業職という仕事柄、通勤服は好感度が最重要事項。最先端のIT企業で働きながらも歌舞伎と着物が大好きという古風な34歳。一級きもの講師。Instagramアカウントはこちら:@chizuruoeda