電子レンジ、正しく使えていますか?
日々の生活に欠かせない家電のひとつ、電子レンジ。なにげなく使っている人も多いと思いますが、実は使い方によっては故障してしまったり、最悪の場合は事故につながったりすることも…。
そこで今回は、電子レンジの正しい使い方についてあらためてご紹介! 延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパンで働く、家電のスペシャリスト・本多宏行さんに教えていただきました。
電子レンジの正しい使い方
電子レンジは、電磁波を出力して食材などの分子を振動させながら温めています。
ご存じの人も多いかと思いますが、まず注意すべきものは、アルミホイルなどの金属。金属の表面には素粒子と呼ばれる電子があり、この電子に電磁波が影響すると激しく動き出します。
もちろん、電子の動きが目に見えることはありませんが、非常に危険な状態となっており、激しく動き出している電子の中には金属表面から飛び出してしまうものが現れます。そして金属表面から飛び出した電子が何かに衝突すると、火花を散らすというわけです。
したがって、アルミホイルや金属が塗布された食器類などを電子レンジに入れて加熱することは御法度! 詳しくは取扱説明書を熟読のうえ、正しい電子レンジの取り扱いを行いましょう。
また、電子レンジ庫内の食材カスにも注意が必要。
食材カスの掃除はなかなか難しいですが、そのまま放置しておくと炭化します。炭化の結果は弾けるだけなのですが、食材カスの質量が大きいと弾け方によっては部品を破損させてしまい、時には火花を散らす原因にも。使うたびに汚れを落とす習慣を身に付けて!
さらに電子レンジは、庫内の横壁面にグリル皿を受け止められるようプレス加工されているものが多いと思います。
グリル皿は調理方法に合わせてグリル受けにセットしますが、雑にセットし続けると、庫内に塗装されている絶縁塗料が剥がれてしまう恐れが。
絶縁塗料の剥がれは鋼板から地金が顔を見せるきっかけにもなり、電磁波と絶縁効果の低下した地金の間で大きな電位差が生じて火花が飛び散ります。丁寧に取り扱うよう心掛けましょう!
教えてくださったのは… テックマークジャパン株式会社 本多宏行(ほんだ・ひろゆき)さん
1999年テックマーク入社。大手自動車ディーラーでのメカニック経験を活かし、自動車から家電、PC、ガス製品を含む住宅設備機器に至るまで、幅広く修理精査業務を手がける。家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証の対象製品の修理精査業務を行いながら、故障を未然に防ぐための正しい家電の使い方などを分かりやすく解説するなどの活動も展開している。