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LIFESTYLE

2021.11.03

連載【働く私にMusik】『勿忘』でブレイク後、ぶち当たった壁! オンラインでの楽曲制作がストレスに【DJ・サッシャがナビゲート! Awesome City Club編 Vol.1】

J−WAVEの人気ナビゲーターとして活躍中のサッシャさんが旬のミュージシャンと対談する音楽連載。第2回のゲストミュージシャンはAwesome City Club。Oggi読者と同世代だからこそ響く、仕事への向き合い方や人生感は刺激満載! 誌面で伝えきれなかった未公開トークも含めて、3回にわたってお伝えしていきます。初回はブレイク後にぶち当たった壁について。

大ヒット映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソング『勿忘』で注目度急上昇中のAwesome City Clubが登場!

◆Guest Musician:Awesome City Club

オーサム シティクラブ/atagi(写真:右)とPORIN(写真:中央)のツインヴォーカルに、ギター担当のモリシー(写真:左)による3人組バンド。映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングとして大ヒットした『勿忘』を収録したフルアルバム『Grower』が好評発売中。

納得のいく作品に仕上げるための試行錯誤に苦戦すること。それ自体が楽しいことなんだと気づいた

さまざまな音楽ルーツが入り混じりつつも、どこか懐かしさを感じるメロディー。それでいてスタイリッシュなポップスを奏でる人気急上昇中のAwesome City Clubが第2回ゲストとして登場! 読者と同世代だからこそ共感できるクリエイションの裏側をうかがいました。

サッシャさん(以下、S):お久しぶりです。みんなのことはデビューのころから知っているけれど、ここ最近のAwesome City Club(以下、オーサム)の活躍は目覚ましいですね! 改めて大ヒットした『勿忘』について聞かせてください。PORINちゃんが女優として出演した、映画『花束みたいな恋をした』のインスパイアソングでしたよね。

PORINさん(以下、P):脚本家の坂元裕二さんがオーサムを応援してくださっていて、ライブにお誘いした流れでみんなで食事をご一緒したのですが、そこで出演のオファーをいただきました。みんなで映画の試写を観たときに感銘を受けて「曲をつくらせてください」って、こちらからお願いしたんです。

S:曲をつくりたい衝動にかられて?

モリシーさん(以下、M):映画がむちゃくちゃよかった!

atagiさん(以下、A):劇中には気持ちや言葉、行動とか印象的なものがたくさんありすぎて、そのシーンごとにメロディーのイメージがどんどん湧いてきたんです。それで「曲をつくってみました」って、逆アプローチするのもアリかなって。僕らが自己満足でつくり始めた曲だけど、作品に携わる方たちが面白がって乗っかってきてくれた瞬間がものすごくワクワクしました。

S:SNS的な感じもあるよね。〝歌ってみた〟のように、お願いされたわけじゃないけど、それを面白いって共感した人たちの間でバズるっていう。

A:そうですね。映画自体は悲しい物語の中にも清々しさが残るラストです。これが主題歌として依頼を受けてつくった曲だったら、こんなに切なさが前面に出た曲にはならなかったはずです。

S:『勿忘』でオーサムを知った人も少なくないかもしれないけど、このヒットはいろいろな積み重ねがあったからこそで必然だった気がします。途中メンバーが減ったり紆余曲折もありましたよね。仕事をしている読者も、きっと環境の変化や人間関係で悩みを抱えている人は多いと思うんです。読者と同世代のみんなは、どうやって苦悩を乗り越えましたか?

A:僕らは音楽業界にしかいたことがなくて他業種のことはわかりませんが、いわゆる企業に勤めている方たちと変わらないのではと思うんです。クリエイティブな部分と生産性をどうマッチさせていこうかと試行錯誤する中で、価値観の違いからぶつかり合うっていうこともあったし。人間関係で悩むことももちろんありましたよ。それは働いている読者の方も、きっと一緒の感覚なのかなって。

S:精神的にはぶつからないままのほうがラクだったりするじゃないですか。そこに向き合い続ける理由は?

A:悩みの根源を突き詰めると、本当は人間関係というよりは、自分たちの求めているものが形にならなくて「なんとかしたい」って歯痒さが大きい気がしたんです。苦しいんだけど、一方でそれを楽しんでいる自分もいて。むしろ、答えが出ないほうが面白いっていう。だから向き合い続けていられる気がします。

S:楽しんで取り組むっていうのは大事だし、どんな仕事にも言えることだね。ちなみにオーサムって、今のスタイリッシュなシティーポップ路線はいつごろから意識していたんでしょう?

P:メンバー内で各自がもち合わせる音楽的要素がバラバラだったこともあって、それをオーサムで表現したらシティーポップと呼ばれるようになったという感じです。

A:僕らがデビューした当時は、邦楽のシーンだけでいうと四つ打ち(リズムパターン)のギターロックが全盛の時代で、そこに対するカウンターカルチャーみたいなとらえ方をされることも多かったですね。

S:今回の東京2020オリンピックでも日本のシティーポップが流れていたんですよ。海外の音楽イベントでも、山下達郎さんの楽曲がすごく絶賛されたりしていて。今、日本のシティーポップは世界的にも評価されて盛り上がっていますよね。

A:そうですね! 音楽シーンで日本カルチャーのフォロワーがすごく増えてきているのはうれしいですね。

S:オーサムの楽曲もその流れに上手くハマっている感じがします。海外からの反応はどうですか?

P:韓国や台湾にはライブに行ったこともあって、手応えを感じました。

M:観客のテンションがすごく高かったよね。

P:そう! しかも、みんな日本語で歌ってくれるんです。台湾ではみんなで全曲合唱したりして(笑)。夢みたいな時間でした!

S:それはすごいですね!

A:初めて「キャー」って言っていただきました(笑)。

P:「イエーイ」とかじゃなくて、黄色い声援を(笑)。

S:海外ではアジア圏が多いのかな?

A:はい、韓国や台湾のほかにタイやベトナム、台湾あたりです。YouTubeのコメント欄に「現地から応援してます」っていただくこともあるんです。

S:それはライブをしに行きたくなるね~。

M:そうなんですよ。実は中国ツアーに行く予定だったんですけど…、この状況なので今は難しいですね。

S:まさに、これからアジアを中心に世界を視野に入れて動こうとしていた矢先でのコロナ禍だったんですね。ほかに何か変わったことはありましたか?

A:スタジオに入らず、オンライン上で制作のやりとりをすることが多くなりました。コンパクトに仕事を進められる様になって、無駄ってことはないんですけど(笑)、省けた時間ってあったんだなって実感したり。でも、途中から「オンラインだけじゃ無理!」ということも増えて、週1くらいで集まるようになりました。

P:オンラインだと表情が汲み取りにくいことも多くて、私もストレスを感じていました。

A:日本人的な感覚かもしれないですけど、オンライン上で事故が起きないように、お互いが発言を待つ、みたいな時間ができたりするじゃないですか。

S:確かに。新しいコミュニケーションの取り方を含め、Oggi読者のみなさんもきっと働き方を模索しながらの一年だったと思います。

A:やっぱり、言いたいことをスピード感をもって言える方がアイディアを生み出すにはいいなって思いました。

<Vol.2へ続きます>

Awesome City Clubの軌跡

2013年 POPS・ロック・ソウル・R&B・ダンスミュージックなど、メンバー自身の幅広い音楽的ルーツが絡み合う、男女ツインヴォーカルの5人グループとして結成。

2015年 ファーストミニアルバム『Awesome City Tracks』で配信デビュー。iTunesロックチャートで1位を獲得。

2017年 台湾の名門ライブハウス「THE WALL」にて初の海外公演を実施。

2018年 バンド以外での個々の活動も盛んで、数々のアーティストへの楽曲提供やライブツアーへの参加、アパレルブランドの立ち上げなど、さまざまなカルチャーシーンで注目を集める存在に。

2020年 メンバーの脱退を経て、現在の3人のバンド編成に。セカンド・フルアルバム『Grow apart』をリリース。

2021年 映画『花束みたいな恋をした』で『勿忘』がインスパイアソングとして起用され大ヒット。PORIN氏は女優として、またバンドメンバーも本人役として出演。『夏の午後はコバルト』がドラマ『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)のオープニングテーマ曲に起用される。

【Information】12月にワンマンライブを開催!

ワンマンライブ「Awesome Talks One Man Show 2021 – to end the year -」の開催が12月8日に決定。詳細はHPまで。
場所:東京ガーデンシアター(有明)
チケット料金:¥6,800(全席指定)

【Awesome City Clubのみなさん】すべて本人私物

【サッシャさん】ジャケット¥319,000・デニムパンツ¥27,500(イザイア ナポリ 東京ミッドタウン〈イザイア〉) その他/スタイリスト私物

撮影/東 京祐 スタイリスト/久保コウヘイ(サッシャさん分) ヘア&メイク/クジメグミ(LUCK HAIR/Awesome City Club分)、渋谷謙太郎(SUNVALLEY/サッシャさん分) デザイン/hoop. 構成/宮田典子(HATSU)

Navigator:サッシャ

1976年、ドイツ・フランクフルト生まれ。10歳のときに日本に移住。日本語、ドイツ語、英語のトライリンガル。J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーター、『ズームイン!! サタデー』『金曜ロードショー』(日本テレビ系)などにレギュラー出演するほか、各種スポーツ実況をはじめ、多方面で活躍中。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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