3年ぶり! 5月26日は皆既月食
5月26日の夜、ことし最も地球に近い満月、いわゆる“スーパームーン”が皆既月食になります。
日本で皆既月食が見られるのはおよそ3年ぶり。この貴重な機会にぜひ空を見上げてみませんか?
そもそも月食とは
地球にも私たちと同じように太陽の光による影があり、太陽とは反対の方向に伸びています。「月食」とは、この地球の影の中を月が通過するときに月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象です。
わずかな軌道の傾きから、月が地球の影の中を通ることはめったにありませんが、まれに地球・太陽・月が一直線に並ぶときに月食は見られます。
月が地球の影に入りまた出ていくので、一晩で月が欠けて満ちる様子が見られるのです。
皆既月食は何時ごろ?
月は18時45分に満月が地球の影(本影:太陽光がほぼさえぎられた濃い影)に入り、部分食が始まります。
月の全てが本影に入り込む皆既月食は20時09分から20時28分まで。その後は徐々に欠けた部分が小さくなっていき、21時53分に部分食が終わります。月の出以外の時刻は各地同じです。
皆既食中は月が赤く見える!?
皆既食中には、月が本影の中に完全に入り込むのにも関わらず、月は真っ暗になって見えなくなるわけではなく、「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色に見えます。不思議ですよね!
これは朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理由です。太陽の光には赤や黄色や青色など、色々な色が混ざっています。この光が大気の中をずっと進むうちに、波長の短い青い光は散乱され、大気をほとんど通過することができません。
一方、波長の長い赤い光は散乱されにくいので、赤い光だけが残ります。このかすかな赤い光が月面を照らし、月が赤黒い神秘的な色になるのです。
観測のポイントは
月食は肉眼でも十分観察できますが、望遠鏡や双眼鏡があると月面の色や明るさ、地球の影が月面を横切る様子がより鮮明に分かります。低い空での現象ですので、南東の視界が開けた、街灯などの光が視界に入らない場所を事前に探しておきましょう!
肉眼で見る場合は、トイレットペーパーやラップの芯を使って観察すると、視界に入る光を遮ることができます。
今年は梅雨入りが平年より大幅に早く、5月末でも曇り空の所が多いかもしれません。梅雨の晴れ間に期待したいところです。わずか20分弱の皆既月食をお見逃しなく!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。