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LIFESTYLE

2021.05.07

【天真みちる×力丸莉帆】舞台がお休みでもエンタメに触れたい! タカラジェンヌの実態や心情がわかる1冊【仲良し♥トーク】

『こう見えて元タカラジェンヌです』というエッセイ本を出した天真みちるさんは、Oggi専属読者モデル・オッジェンヌの力丸莉帆さんと宝塚歌劇団花組の先輩後輩の関係。しかも退団日も同じという、退団同期。縁の深い2人のスペシャルトークをお届けします!

舞台では欠かせない名バイプレイヤー・天真みちるさんならではの愉快な視点で綴るエッセイ本は元タカラジェンヌからも共感の嵐

コンテンツ配信サイト『cakes』で連載されていたエッセイをまとめた『こう見えて元タカラジェンヌです』という書籍が話題。

執筆したのは、宝塚歌劇団花組に所属し、存在感のある役どころを多く演じた天真みちるさん。余興で人気だったという“タンバリン芸”をテレビ番組の『SMAP×SMAP』で披露し、中居さんに「友達になりたい」とまで言わしめた、ある意味タカラジェンヌ界最高峰のひとり。

Oggi専属読者モデルの力丸莉帆さんの花組時代の先輩であり、先日行われた『エリザベート TAKARAZUKA25周年 スペシャル・ガラ・コンサート』でも退団後初の共演を果たしました。本のこと、花組のこと、現在のこと…。裏話もいろいろ語っていただきました。

『こう見えて元タカラジェンヌです』は多くの人に楽しんでもらえる要素がいっぱい!

力丸さん:まずは書籍発売、おめでとうございます。読み始めると止まらないです! 宝塚ファンの人はもちろんですが、それ以外の多くの人に読んでいただきたい1冊だと思います。宝塚を全く知らない人でも笑えるようなリアルなエピソードがたくさんあるからここから宝塚を知っていただくことができ、ファンの方ならもちろん全力で楽しめて、私たち宝塚OGや現役タカラジェンヌは共感できることがたくさんで。

天真さん:ありがとうー!

力丸さん:ということで、私が特に印象に残ったところを伝えさせてください。

▲力丸さんから天真さんにバラをプレゼント。

この振りだけは、言葉では言い表せない謎の動きだった。なんと名付けよう。例えようがない。でも言い表さないと覚えられない。悩み抜いた結果、つけたフリの名前は、「超高速右左デレレレッデーデン」だった。

力丸さん:ダンスの振り付けの独特な覚え方のところです。この覚え方、すごく勉強になったんですよ。あと、みちるさん(天真さん)のような上級生の方でも振りが覚えにくかったり、こんな工夫をして覚えたんだなと思うととても身近に感じてうれしくなりました。

天真さん:みんなだいたいカウントで覚えることが多かったから、逆に覚えにくいでしょ!、っていう覚え方だよね(笑)。

私はもともとピアノを習っていたので、できればそれ以外の楽器を教えてもらいたかったのだが、割り振られたのもなぜかピアノだった。そしてこの担当のK先生が、めっちゃ体育会系な女性の方だった

力丸さん:ここのK先生のエピソード、ピアノの授業を受けていた人はみんなうなずいていると思います。(宝塚)音楽学校のピアノ授業あるあるですよね(笑)。

天真さん:ピアノの授業の時、教室には先生が隣に座るピアノと、待機用のピアノの2台があるんだよね。他の生徒は教室の外にいていいから、他の授業に比べて少し気楽。なのに私は「天真はそこにずっといて練習しろ」って教室に留められたこともあって、「えええー軟禁状態じゃん!」みたいな(笑)。すごく熱く指導してくださった先生でした。

稽古場の場面表(その場面にどのように配置するか書いた図・同期作)を元に、同期がそれぞれ知恵を巡らせ考えてきた作戦を発表していく

力丸さん:本に書かれているのはみちるさんが最下級生でいらした2006年の『ファントム』のときのことですけれども、私たちが研2(入団2年目)で出させていただいた『ファントム』のときもこの場面表がありましたよ。

天真さん:ホントに!? 本にも書いたのですが、下級生は自分たちが出る場面で例えばテーブル所定の位置に出して、その場面が終わる時に持って捌けるなどの演出効果とリンクした道具の出し入れなどの役割を担うんですよ。特に『ファントム』はありがたいことに自分たちの出番が多いからその動きも複雑なんだよね。

力丸さん:みちるさんたちが作ってくださった場面表はとっても大助かりで、それにいろいろ新しい情報を書き加えて私たちも使っていました。今でも同期の誰かが持っていますよ、たぶん…。次に花組でファントムを演るときにきっとまた役立つと思います!(笑)

▲この表情からもう、ふたりの愉快な関係性が伝わってきます。

本番を前日に控え、準備ゼロの状況に陥った私は呆然と立ち尽くし、眼からティアがドロップしかけた…。すると先生は、「これ! これを参考にして!」と画像を見せてくださった。そこに映っていたのは… ツタンカーメンだった

力丸さん:2014年の『ノクターン』のときですよね。私は別の『ベルサイユのばら』チームだったのですが、「ノクターンチームが大変らしい」という話は漏れ聞いていました。みちるさんのクレオパトラのお化粧はとってもかわいかったです。ツタンカーメンを参考にされていたとは(笑)。

天真さん:大変だったんだよー。まさか先生が思い描いていたクレオパトラのお化粧がツタンカーメンとは思わないじゃん? しかも前日だし。なんとか初日に間に合ってよかったけど、今思い出しても心臓に悪いです。

いよいよ迎えたラスト公演『MESSIAH/BEAUTIFUL GARDEN』の集合日。実は人生でこの日が一番緊張した。集合日後に初めて自分が卒業することが公式発表されるからである

力丸さん:実はフライングで、これの前の博多公演でお互いに退団することを知ってしまったんですよね。

天真さん:そうそう、ちょっとしたアクシデントで…(笑)。まさか自分が退団メンバーの中で最上級生になるとは思っていなかったのだけど、他のメンバーを聞いて「みんなしっかりしているから大丈夫だわ」って。退団時はいろいろ決めることがあるのですが、私がやったことといえば、(退団者)3人のLINEグループを作って、劇団からの連絡事項や決めなければいけないことを伝えて意見を聞く… ってことくらい。

力丸さん:長(そのグループの最上級生)がみちるさんだったからスムーズに決められたんですよ。最後の歌とか、千秋楽の入りの時間とか。本当に優しいんですよ。

天真さん:あまり悩むこともなく、退団までずっと笑っていたよね。

力丸さん:退団後に「卒業祝いをしよう」とお会いする機会があって、男役としては“いつからスカートを穿くか問題”があるんですよ。とりあえずその日は男役だったふたりともスカートを穿いて行って、その後にお洋服を見に行ったときに買ったのが…

ふたり:(力丸さんの服を指差しながら)この服!(笑)

力丸さん:みちるさんが選んでくださった服を今日着てきました。あともうひとつ、みちるさんの優しいエピソードがあるんですけど。退団後にごはんをしたときにみちるさんがお店の予約をしてくださったんですよね。最後のデザートに「卒業おめでとう(笑)」っていうプレートがついていたんです。お互いに「おめでとう」だよね、っていう意味で「(笑)」がついていていて。同じプレートがついたデザートをお互いにいただきました。

▲ゆるっと自然体な姿もばっちりとらえました。

タカラジェンヌの根底にあるのは唯一無二の気高さと、どんなことも他人事にしない絆

力丸さん:みちるさんは「タカラジェンヌ」ってどんな存在だと思われていますか?

天真さん:タカラジェンヌが持っているのはある種の“気高さ”や“高貴さ”だなと思います。それをいちばん感じるのが、千秋楽の退団日、紋付き袴(タカラジェンヌの正装)を着て舞台の大階段から降りてくるとき。階段下ではショーの煌びやかな衣装のままの在団生がズラッ並んでいて、退団者の紋付き袴はいちばんシンプルな衣装なのにいちばん輝いているんだよね。例え自分より短い期間在団期間だった人でも、「タカラジェンヌ」であることを見つけた人だからこの高貴さがあるんだなと思っていました。だから自分が紋付き袴を着て背筋を伸ばして大階段を降りるときは、とても誇らしい気持ちだった。

力丸さん:本当にそのとおりですよね。品があって、情熱的だけど個性的。何をするにも気品を感じて、それこそみちるさんの言われた“高貴”という感じがしっくりきます。

天真さん:『エリザベート』で、ルドルフの「父上、なぜおわかりにならないのですか」というセリフって普通だとなんだかギョッとする印象で、もっと自然な言い方があると思うんだけど、タカラジェンヌが言うとすごくカチッとハマるんだよね。自然な言い方をすると逆に浮くというか。宝塚では「父上、なぜおわかりにならないのですか」という言葉が当たり前に出てくる人間に育てられる。その高貴さや気品は一朝一夕でできるものじゃないんだよね、きっと。

力丸さん:そうですね、だから宝塚は他ではできないような演目もできるのでしょうね。

天真さん:あと、“世話焼きの国”だよね(笑)。人は人、自分は自分という考えがないというか、稽古場でも私生活でも周りにいる人たちがいい意味で世話を焼いてくれる。音楽学校時代から、1学年上がったら下の学年の面倒を見るのが当たり前で、下の学年もついていくという気持ちがあるから。自分が宝塚人生を全うできたのは、周りからほっとかれずに面倒を見ていただけたからだと思う。りほちゃんとも学年が離れているけどそれを超えて仲良くできるし、本当に素晴らしいなと。『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』の現場でも改めて思いました。

力丸さん:「そうそう、この感じ…!」っていうのが本当に懐かしくて。みなさん温かいんですよね。

豪華キャストが勢揃いした『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』はニヤつきが止まらなかった!

力丸さん:先日まで配信で上演していた『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』の裏話ですけど、まさか自分にご縁があるとは思わなかったので、うれしかったとともに緊張もして。Zoomで出演者のガイドライン説明があったときにみちるさんがいらして心強かったです。また同じ舞台に立たせていただくことができる、って。

天真さん:出演者も一切知らされていなかったんだよね。私も「りほちゃん!」って思ってすぐにラインしたもん。Zoomの画面に湖月わたるさんがいらしたのも感動したもの。

力丸さん:お稽古は密を避けるために、バージョンで出席者を分けていたり、Zoom参加だったりしてなかなかお会いできなかったのですが、いかがでしたか?

天真さん:私は全日程出演したので毎日稽古場に行っていたのですが、毎回違う(主役の)トート役の方がいらっしゃるんですよ。みなさん、それぞれ歌い方や表現の仕方が違っていて、それが本当にすごくて毎日鳥肌モノでした。しかも私のツェップスという革命家役は、トートと握手できるんですよ、ホホホ。

宝塚に入るきっかけになった『激情/ザ・レビュー’99』という公演のトップさんだった姿月あさとさん(愛称ずんこさん)が目の前で歌い始めたときに涙が止まらなくて。『最後のダンス』(主役であるトートの歌)でカゲコーラスをするんですけど、まさか自分がずんこさんの歌にコーラスを被せる日が来るなんて… って。

周りの方も私がずんこさんに憧れているのを知っているから、(湖月)わたるさんに「たそ(天真さんの愛称)、よかったね。私も宝塚を目指していたときに憧れの人がいたから、気持ちがわかるよ」と言っていただいて。いやいや、私はわたるさんにもデレデレなんですけど… って。

演出で入られている小柳奈穂子先生に「たそは本当に照れるのだけはやめてね」って言われて、「すみませんでした、これからは革命のことだけを考えます」って(笑)。「たそさんだけ毎日すごくうれしそうに浮かれていますよね?」とも言われ、いやいやいや… と思いつつも憧れの方々と一緒にお芝居ができる日が来たことが感慨深かったです。

▲「あれ、最高だったよねー」と思い出話に花を咲かせつつ大笑い。

力丸さん:夢のようなキャストでしたよね。自分が出られることが不思議で…。みなさん、役にフィットしているから、学年差があっても違和感がまるでなかった。

天真さん:そう、その当時の方がそのままそのときに戻られるんだよね。いろんな方のトートを見ていると、例えばシシィ(エリザベート)に「出ていって」と言われたあとにお辞儀をする人、手を出す人。「死ねばいい」のセリフの発し方の違いとか、ひとつひとつが全然違うんですよ。そういうのを実際に目にするのがすごく楽しくて、それぞれのトートさんのう役作りを稽古場でメモっていました。いつかなにかでまとめられるといいな… と思っています。

力丸さん:お稽古の最初の頃、みちるさんはゾフィーの代役をされていたじゃないですか? あまりにも上手すぎて、一緒に観ていた同期と「完璧すぎない?」って言っていました。

天真さん:ゾフィーの歌はずっと聴いていたからメロディや歌詞は頭に入っているんだけど、いざ歌ってみたらリズムが全然わからなかったんだよね。

力丸さん:2014年の花組公演『エリザベート』も思い出深いです。

天真さん:ひとつ裏話があるの。鳳(真由)さんがシュテファンという革命家の役を演っていて、ある日どうしてもピンマイクを付けられないときがあって。どうにもならなくて指にピンマイクを挟んで、私が演じるツェップスに握手を求めてきたの。本番だよ? 「終わった…」と思いつつすごくすごく笑うのを我慢してから、パッとルキーニ役の望海(風斗)さんを見たら舞台上でめっちゃ笑ってた。ルキーニっていう役だから許されるよね(笑)。

望海さんは代役稽古でトートを演られていて、本公演でも出番がものすごく多いのにトートも完璧で、時間がないというのは言い訳にならないなと思った。今回の『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』のスペシャルバージョンでトート役をされたことは胸熱だったよね。

力丸さん:はい、私もあのときの感動をみなさんと共有することができて、本当にうれしかったです。

▲ふたりで小顔ポーズ。

ゴールデンウィークが明けても続く一部地域の緊急事態宣言で、不自由な日々を過ごしている人が多い今こそ、天真さんの『こう見えて元タカラジェンヌです』で頬と心を緩めてみるのはいかがでしょうか? 宝塚歌劇もライブ配信を増やしているので、合わせて楽しむのもいいかもしれません。

撮影/黒石あみ 構成・文/淡路裕子

【Information】
天真さんの初エッセイ本が絶賛発売中!

『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社刊/¥1,870)

清く正しく…… おもしろく!? 100年以上の歴史を持ち「清く、正しく、美しく」をモットーに女性たちが歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、角刈りの車引き・モヒカンのチンピラ・麻薬密売人などクセの強いおじさん役で唯一無二の存在感を発揮した名コメディエンヌ「たそ」の姿があった…。一次敗退の翌年のタカラヅカ合格、先輩スターに囲まれ興奮の入団と次々にのしかかる試練、奇跡のSMAP×SMAP出演で「タンバリン芸人」になったエピソードなど、音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日をコミカルに描く。「宝塚に新ジャンルを築いた」と言われた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。

オッジェンヌ 力丸莉帆

福岡県出身。9年間宝塚歌劇団に所属していたという華やかな経歴の持ち主で、退団後は不動産関連会社で主に広報を担当。いちばんの趣味は舞台鑑賞!

インスタグラムはこちら:@riho.r0911


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