川口加奈さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、「認定NPO法人Homedoor」理事長の川口加奈さん。
全国で最もホームレスが多いとされる大阪市で、夜回りでの食事提供や、働き口を作り、路上生活からの脱出をサポートする彼女は、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019再出発サポート賞」や「Googleインパクトチャレンジ賞」を受賞。
彼女の他に常駐スタッフ5名、ボランティアの相談員を加えると約20名が活動するHomedoorには、相談のために路上生活者がひっきりなしにやってくる。
さらに最近では、コロナ禍で仕事を失った女性や若い世代からのメールや電話の問い合わせも増加。相談件数は前年の約1.5倍、年間およそ1000件に上るという。
ーー「認定NPO法人Homedoor」理事長になった理由とは…?
大阪府高石市に生まれ、ごく普通の家庭で育った彼女は、中学校に通う電車から日本で1番ホームレスが多いと言われる釜ヶ崎あいりん地区の光景を目にした。
「豊かな日本に何でこんなにホームレスがいるのだろう?」と疑問に感じ、14歳から参加した炊き出しのボランティアで、今も“忘れられない出来事”を体験。
以来、ホームレス支援を続ける彼女は大学2年の19歳で有志たちとHomedoorを設立した。
川口加奈さんの「7つのルール」
さて、そんな彼女が「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 路上で出会う人たちは名前で呼ぶ
路上で出会う人たちは、名前で呼ぶのが彼女のポリシー。まずは名前、そして、路上生活に至った背景やストーリーを知ることが、問題解決への第一歩。
■2. 家賃は収入に応じて決める
Homedoorでは、自分で家を借りるまでのステップとして、ホームレスの人たちが長期滞在できる宿泊施設も用意。宿泊費は2週間までは無料で、その後の費用は収入に応じて決定。
■3. パソコンは置いて帰る
仕事内容ゆえ、暗い気持ちになることも多いという彼女。だからこそ、パソコンは極力置いて帰り、家に仕事は持ち込まないようにしている。
■4. 朝ごはんは縁側で食べる
彼女にとっては、家が一番安心できる場所。普段は忙しなく動いているので、せめて1日のはじまりの朝ごはんは、縁側でゆっくり過ごしながら食べるという。
■5. すべてふりがなを振る
相談に来る人の中には、小学校にも行けていないという人も。そのため、誰にとってもわかるように、配布資料や掲示物にはすべてふりがなを振ることを徹底。
■6. 施設はダブルミーニングで命名する
いろいろな人に事業の持つ意味を感じてもらうため、施設は、ダブルミーニング(一つの語に二つ以上の意味をもたせる)で命名。たとえば、最初に立ち上げた自転車のレンタルサービス「ハブチャリ」。これは車輪を意味する「ハブ」だけでなく、路上生活者と利用者を結ぶ「ハブ」になってほしいと名前を付けた。
■7. ホームレスゼロを目指さない
14歳から16年に渡り、ホームレス問題と向き合い続けてきた彼女。そんな彼女は、意外にもホームレスゼロを目指しているわけではない。なぜなら、脱落することを許さない社会ではなく、脱落してもまた戻れる社会をつくっていきたいから。その人が路上から「脱出したい」と、そう思ったときに選択肢をたくさん用意しておく、それが彼女の仕事。
* * *
次回の「7ルール」の放送は、3月30日(火)よる11時00分~。京都・祇園の路地裏に佇み、絶品の鶏白湯(パイタン)ラーメンで女性客をとりこにする「麺処むらじ」店主・連恭子(むらじきょうこ)さんをご紹介!
女性ならではの発想でラーメン店の常識を覆す彼女の7つのルールとは…?
Oggi.jpでは、番組を振り返りながら仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! ぜひチェックしてみてくださいね♡