気象予報士が解説! 花粉症の症状を和らげるには?
春を感じられる日が次第に多くなり、花粉症が気になる季節がやってきました。
東京都は2月6日からスギ花粉の飛散開始を確認し、過去10年平均(2月16日)より10日早く花粉シーズンに突入しました。すでに症状が出ている方も多いのではないでしょうか。
2020年の花粉は少なかった!
東京都がまとめた昨シーズン(2020年1月6日~5月13日)のスギ・ヒノキ合計の飛散花粉数の都内平均は、2,495個/cm2で、過去10年平均の約4割にとどまりました。飛散花粉数が「多い(30個/cm2・日)」以上の日数も都内平均で21日で、過去10年平均より12日少なくなりました。
花粉の飛散量は前年夏の天候が影響しますが、東京都は少なくなった理由として、雄花の形成に影響する2019年夏(6月上旬・7月上旬~中旬)の日照時間が平年より少なくスギ林の花粉の生産量が減少したこと、3月に南西の風が少なく、スギ雄花が比較的多い神奈川県からの花粉が都内に運ばれにくかったことを挙げています。
▲東京都公式ホームページより
2021年の花粉は去年より多い?
ただ上の図をみてお察しの通り、2021年の花粉は去年より多いと予想されています。東京都が1月21日に発表した花粉飛散予測によると、都内12地点では昨シーズンの1.8倍、過去10年平均の7割程度となる見通しです。
また、飛散花粉数が「多い」以上に分類される日数は都内平均で30日と、去年より9日程度増える予想に。2020年の夏は、7月は日射量が少ない上に気温も低く飛散量は少なくなる気象条件だったものの、8月は記録的な猛暑となり、結果的に飛散量は例年に近づくことになったと予測されます。
花粉が多く飛ぶ日と時間帯
こうなると、徹底的に花粉を避けて生活したいところ。花粉が多く飛ぶ日は大きく分けて3つの条件があります。
[1]晴れて気温が高い日
[2]空気が乾燥して風が強い日
[3]雨上がりの翌日晴れる日。また花粉が多く飛ぶ時間帯は昼前後と夕方です。
外出や部屋の換気はこれらの日時は避けるようにしたいですね。
花粉症の症状を和らげるには
まずは服装に気を付けましょう。ウールの素材よりもツルツルした素材の方が花粉はつきにくいです。今はマスクの着用が必須ですが、マスクは吸い込む花粉の量をおよそ3分の1から6分の1に減らし、鼻の症状を軽くしてくれます。
また通常のメガネでも、メガネを使用しない場合に比べて眼に入る花粉はおよそ40%減、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少します。コンタクトレンズは刺激によって症状を悪化させる可能性があるため、花粉の時期はメガネに替えた方が得策です。
また睡眠を十分とって規則正しい生活を送ることが正常な免疫機能を保つためには欠かせません。できることからぜひ取り入れてみてくださいね。
気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。