【目次】
・「貧乏ゆすり」の意味や由来とは?
・「貧乏ゆすり」の英語表現とは?
・「貧乏ゆすり」の原因と心理
・「貧乏ゆすり」を止めるには?
・「貧乏ゆすり」でしあわせに!?
・最後に
「貧乏ゆすり」の意味や由来とは?
「貧乏ゆすり」、していませんか? 職場などで、身近に「貧乏ゆすり」をするクセのある人がいると、見ているほうが落ちつかない… とうんざりしている人もいるのではないでしょうか。そんなちょっと迷惑な「貧乏ゆすり」、実は健康にも一役買っているようなんです。
知らず知らずのうちに、足が動いてしまう「貧乏ゆすり」。なぜ、動いてしまうのか、気になりますよね。
◆「貧乏ゆすり」の意味
「貧乏ゆすり」とは、広辞苑(第6版)によると「座っているとき、膝を絶えずこまかくゆすること」と書かれています。辞書の見出しになるほど、暮らしに浸透しているのですね。
◆「貧乏ゆすり」の由来
「貧乏ゆすり」という表現は、江戸時代の書物や俳句などにも登場します。由来は諸説あるのですが、着るものも、食べものもままならないほど貧乏な人が、寒さや飢えに震えている様子から来たという説がよく知られています。
かつては「貧乏ゆすり」をすると貧乏神に取り憑かれる、という迷信もあったようです。そういうことから、日本人にとってはあまり良くないクセとしてとらえられることが多いのかもしれません。
「貧乏ゆすり」の英語表現とは?
ちなみに、英語で「貧乏ゆすり」はどういうのでしょう?
1:Please stop fidgeting.
「fidgeting」は、もじもじしているという意味の言葉です。上記の文章は、「もじもじするのをやめてください」と訳すことができます。
2:Why are you always jittering?
「jittering」はソワソワしている、という意味です。「Why are you always jittering?」は、日本語でいうと「どうしていつもそわそわしているの?」ということです。
英語表現を2つ挙げましたが、いずれも「貧乏」という意味合いはありません。「貧乏ゆすり」に「貧乏」というニュアンスを持たせるのは日本語の特徴でしょう。やはり、先に述べた由来が大きく影響しているのかもしれませんね。
「貧乏ゆすり」の原因と心理
「貧乏ゆすり」をしない人にとって、「貧乏ゆすり」はあまり気分の良いものではありませんよね。「うざい…」「目障りなんだけど…」「何でじっとできないんだろう…」などと思っている人も多いのではないでしょうか。
「貧乏ゆすり」の原因ははっきりと解明されていないのですが、有力な説を挙げてみますね。
1:血行不良
ずっと座った姿勢でいると下半身の血流が悪くなります。「貧乏ゆすり」はこれを改善するために無意識に足を動かしているのではないかという説があります。実際、じっとしているよりも血行が良くなって、エコノミー症候群を防げるという考えもあるようですよ。
2:ストレス
大きな不安やストレスを感じたときに、体を動かして気を紛らわそうとしているという考えもあります。たしかに、気分が落ち込んだとき、体を動かすとちょっとスッキリすることがありますね。無意識に、体がそれを要求しているのかもしれません。
3:病気
クセではなく、病気の場合もあります。「レストレスレッグ症候群(RLS)」といわれるもので、体を動かしていないと、腕や足を激しく動かしてしまう病気です。激しく動かさないためにも小刻みに体を動かす必要があるのです。
「貧乏ゆすり」を止めるには?
「貧乏ゆすり」は無意識のものなので、未然に防ぐのは難しいかもしれません。自分で「貧乏ゆすり」をしているな、と気がついたときには、次に挙げる方法をやってみてください。
1:下半身の血流をよくする
「貧乏ゆすり」は、下半身の鬱血から来るのかもしれない、ということを述べました。もし、「貧乏ゆすり」をしていることに気づいたら、屈伸をする、足をブラブラしてみるなど、意識的に足を動かすといいでしょう。
2:別のことをする
「貧乏ゆすり」はストレスを感じているサインかもしれません。自分が「貧乏ゆすり」をしていることに気づいいたら、伸びをする、深呼吸をするなど、少しでもリラックスできるように別のことをしてみましょう。もし時間が許すようであれば、お茶を飲む、休憩するなどができるとさらにいいかもしれませんね。
3:どんなときに「貧乏ゆすり」をするのかメモしてみる
自分がどんな状況のときに「貧乏ゆすり」をするのか、チェックしてみましょう。自分のクセを知ることで状況が改善できるかもしれません。イライラしたときなのか、緊張したときなのか…。あるいは、疲れているときなどにもあるかもしれませんね。気づいたときに、メモを取って、傾向を把握してみましょう。
「貧乏ゆすり」でしあわせに!?
「うざい」「気になる」など、何かと印象の悪い「貧乏ゆすり」ですが、実は健康にいいという説もあるんです。
1:「しあわせホルモン」が分泌される!
セロトニンというホルモンを知っていますか? 別名「しあわせホルモン」とも呼ばれており、このホルモンが分泌されると心が安らぎを感じます。近年、「貧乏ゆすり」をすると、このセロトニンの分泌が増えることが判明しました。セロトニンの分泌が減ると、リラックスできなくなったり、ひどいときにはうつになったり。「貧乏ゆすり」が意外なところで役に立っているのかもしれません。
2:冷えを改善する!
寒くなると特に足先の冷えに悩まされる人が多くなりますよね。「貧乏ゆすり」をすると、下半身の血流がアップすると述べました。これは冷えの改善にも繋がります。実際、「貧乏ゆすり」を5分間続けた場合のふくらはぎの温度を計測したところ、平均で約2℃の上昇が見られたとの結果もあるんですよ。
3:死亡リスクが下がる!
近年、イギリスで行われた調査で、1日長時間座ったままでいると、死亡リスクが上がるという結果が出ました。死亡リスクだけでなく、糖尿病や心臓病の発症率も上がるのだといいます。
しかし、座ったままであっても「貧乏ゆすり」をするという人と、全くしない・ほどんどしないという人を比べた場合、「貧乏ゆすり」をする人のほうが死亡リスクが下がったというのです。その因果関係は不明ですが、やはりここにも血行が影響しているのではないかといわれています
最後に
迷惑だと思っていた「貧乏ゆすり」が、実は健康的なクセだったなんて…! ちょっとびっくりですね。ちょっと見方が変わったのではないでしょうか。
でも、職場などで「貧乏ゆすり」をされると気になるという人も、もしかしたら、その人はストレスを感じているかもしれないので、きつく指摘をするのではなく、「疲れてる?」と声をかけたり、「ちょっとこれ、お願いしたいんだけど」などと気を他へ向けてあげたり、やさしく止めてあげてくださいね。
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