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LIFESTYLE

2021.01.05

ままならないから今だからこそ恋い焦がれる… 海外へ心ときめかせるアナタへ

書評家の石井千湖さんが、テーマごとにおすすめ本を紹介してくれる人気連載。今回は、海外での生活にフィーチャーした二冊。

憧れの海外での暮らしに想いを馳せて

漠然と海外生活への憧れをもつ人も、具体的に海外で暮らすために努力している人も、今は難しくても、夢を諦めなくたっていい。そんなあなたを勇気づける2冊をご紹介!

未知の世界へ飛び込む勇気がもらえる本

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

生まれ育った国を出て、未知の世界へ飛び込むのは恐ろしい。ちょっと調べたら、いろんな問題があることはすぐにわかるから。ブレイディみかこの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、厳しい現実を突きつけられる一方で、なおかつ勇気づけてくれる本だ。音楽好きが高じ、渡英して20年以上経つブレイディさんが、息子の中学校生活をつづっている。

ブレイディさん一家が住んでいるのは、荒れていると言われる地域の元公営住宅。息子はカトリック系のエリート小学校を卒業後、白人労働者階級の子供が多い近所の中学校に入学する。父親はアイルランド人だが、母は日本人のため外見が東洋人という息子はマイノリティだ。入学した途端、同級生による人種差別発言にぶつかることになってしまう。

東欧からの移民の子供が、アフリカ系やアジア系の子供を馬鹿にする。差別する側も差別される側であるところが複雑だ。「夏休みはずっとお腹が空いていた」という貧困家庭の子供もいる。背負っている事情が違う人間が、お互いを理解することは難しい。でも、ブレイディさんの息子と同級生は、衝突しながらも友情を育んでいく。親しくなるきっかけが、演劇や音楽といったエンターテインメントであるところもいい。楽しいことでつながれる人と出会えたら、どこでも生きていけるのではないかと思える一冊だ。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)
著/ブレイディみかこ
著者は保育士・ライター・コラムニスト。子供の世界を通して英国の格差社会をリアルに描き、本当の多様性とは何かを問いかけた本書は、「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」、「毎日出版文化賞特別賞」など、数多くの賞を受賞した。

世界の幸せな言葉に触れて行きたい国が見つかる

『幸せに気づく世界のことば』

海外で暮らすとき、大切になってくるのが言葉。世界にはおよそ200の国があって、さまざまな言語が使われている。メーガン・C・ヘイズの『幸せに気づく世界のことば』は、翻訳しづらいその土地ごとの独自性が表現された言葉を、美しいイラストとともに紹介している本だ。

日常的なものから哲学的なものまで、「幸せ」を大きなテーマにして、いろいろな言葉が取り上げられているが、その中でも特に驚いたのはアイスランド語の「ソラーフリ」だ。意味は「天気がよいので急に仕事が休みになること」だという。よく晴れた日にのんびりしたいなと思ったことはあるが、そんな希望を実現して、しかも単語にまでしている国があるとは! なんて素敵なのだろう。ひかれる言葉、好きな言葉から、いつか暮らしてみたい国が見つかるかもしれない。

幸せに気づく世界のことば』(フィルムアート社)
著/メーガン・C・ヘイズ 絵/イェレナ・ブリクセンコヴァ
訳/田沢恭子
スウェーデン語で「日の出とともに起床し、朝一番の鳥の声を聴きに出かけること」を意味する「イェークータ」からジャワ語で「同調していること」を表す「ツォツォグ」まで。世界の幸福にまつわる言葉を紹介。「生き甲斐」など日本語も掲載されている。

2020年Oggi6月号「『女』を読む」より
構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部

TOP画像/(c)Shutterstock.com

石井千湖

いしい・ちこ/書評家。大学卒業後、約8年間の書店勤務を経て、現在は新聞や雑誌で主に小説を紹介している。著書に『文豪たちの友情』、共著に『世界の8大文学賞』『きっとあなたは、あの本が好き。』がある(すべて立東舎)。


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