日本で一番大きく広い村、十津川村!
奈良県の最南端にあり、東京23区よりも大きい十津川村。奈良県にある近鉄大和八木駅から車で2時間20分ほどで到着します。豊かな緑あり、美しい川あり、癒しの温泉あり、温かな人ありの魅力たっぷりの村です。
◆「なにもない」が、ある場所。大森の郷の古民家
十津川村役場から車で10分ほどのぼったところにあるのが、「大森の郷」。東洋文化研究家のアレックス・カー氏がプロデュースし、築100年余りの古民家を再生した宿泊施設だそう。十津川村は木材も有名なのですが、そんな十津川産の木材を贅沢につかってリノベーションしたのだそう。外観のいで立ちから温かみが伝わってきます。
建物の中に入った瞬間に「わ~ぁ、木の香りがするね!」と、はしゃぐ私たち。まずは室内をくまなくチェックします。
6帖2間の和室と、十津川村の職人がつくった家具が存在感をかもすリビングスペース。奥にはかわいい薪ストーブが♪ シンプルなキッチンもあるので、暮らすような旅が楽しめそうです。
お風呂はヒノキ風呂。とっても良い香りに癒されます♪
シャンプーやタオル、歯ブラシ、ドライヤーなど必要なアメニティは十分に揃っているのも安心ポイントです。
お庭の石垣や掛け軸にもこだわりが詰まっていて、その一つ一つを見つけながら、日常とは違う時間を味わうことができました。
◆日本古来のファーストフード!?「めはりずし」体験
地域の方々が暮らしながら運営している大森の郷では、熊野地方の郷土料理「めはり寿司」をつくる体験ができます。私達も地元のお母さんに教えて頂きながら、自分達でつくった「めはり寿司」を青空の下で堪能してきました。
めはり寿司は、高菜の漬物で巻かれたおにぎりのこと。ソフトボール程度のその大きさから、食べる時に大きく口を開け頬張ると、目を張ることから「めはり寿司」と言われるようになったそう。山仕事や農作業の合間に食べられていたそうです。高菜の塩味は、ひと仕事終えた後には最高だったろうなぁ♪
材料と作り方はとってもシンプル。ご飯をお醤油と鰹節で味付けし、ポン酢に浸した高菜で巻くだけ。
高菜の裏が上を向くように手のひらにのせて、ご飯を包みます。簡単そうですが、ふっくらと美味しそうな形にするには、意外と難しいのです。
めはり寿司と一緒にお母さんが作ってくれた卵焼きと地元で獲れたイノシシのお肉も一緒に包んで、お弁当の完成!
向かいの学校の校庭で、作ったばかりの「めはり寿司」弁当を持ってみんなでランチタイム。
自分達で作ったということもあって、とても愛おしく感じます(笑)。めはり寿司のほどよい塩気、卵焼きの優しい甘み、そしてイノシシ肉の旨味。
青空の下で、豊かな緑に囲まれて頬張った時間はなによりも贅沢でした。
「なにもない」が、ある場所。
秘境でなにもしない、豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
撮影/女鹿成二 文/赤荻典子 構成/門司紀子
オッジェンヌ 赤荻典子
2019年からOggi専属読者モデル「オッジェンヌ」として活動開始。コンサル勤務の公認会計士で、お金の管理や仕事の効率化が得意。コーディネートはオンとオフのメリハリをつけるのが好き。Instagramアカウントはこちら:@nori_red