幸福感あふれる笑顔、洗練されたセンスで周囲を引っ張る理想の上司!【山城葉子さん】
「サステナブルな名品は日常的に使ってこそ、その価値が出ると思います」
「YOKO YAMASHIRO Designs」代表 山城葉子さん
2002年にホテルやレストランを展開する「Plan・Do・See」入社。2007年、ウエディングプランナーを経て、海外ブランドのセレクトドレスショップ「THE TREAT DRESSING」を立ち上げる。その後、2012年に独立し「YOKO YAMASHIRO Designs」を設立。新しいドレスショップ「NUMBER5」でも予約受付スタート。
日常に着る服にこそドラマチックなエッセンスを
広尾の閑静な住宅街にたたずむ隠れ家的なウエディングのセレクトショップ「NUMBER5」は、2月にオープンしたばかり。27歳で「ザ・トリートドレッシング」の立ち上げに携わり、長きにわたってプロデューサーを務めてきた山城葉子さんが独立し、新たに始めたサロンだ。ここでは今まで以上に自身の世界観が凝縮され、ドレスのデザインからバイイング、ショップの内装までも手がけ、思い入れがたっぷり込められた特別な場所。
「一軒家というアットホームな雰囲気の中にも、いい意味で緊張を保っていたいので、普段から背筋が伸びるようなスタイルでいたいです。今日は〝KEINA RITA〟のシルクウールのブラックドレス。シンプルですが立体的なデザインで華やかさも感じられるところがお気に入りです。ぱっと見たときに絵になる、ドラマチックでデザイン性のある服が好きです。大人っぽくてエレガント、だけどシャープさもあるような。職業柄、非日常のものを扱うので、私自身も日ごろから意識的にそういうものを選んでいるのかもしれません。最近も〝ロエベ〟のカッティングが美しい白シャツを購入しました」
名品は特別なときではなく、日常的に使ってこそ価値が出るというのが、山城さんのおしゃれ哲学だ。
「最近はサステナブルなものに意識が向かいますね。昔ほどファストファッションに走らず、ずっと着ていられるような上質なものを選ぶようになりました。実は、子供たちのほうがサステナブルな意識は高くて。以前はファーが大好きでしたけれど、子供たちから『そのファーはリアルなの?』とか『水の出しっぱなしはだめ!』って、すごく怒られるんです(笑)。学校で社会問題を習ってくるので、私が知らないことも教えてくれて。
だから私も子供たちの未来にいいものを残して渡したいから勉強したり、社会に何か貢献できたらと考えるようになりました。その一環でクローゼットの中も少数精鋭になりつつあって。どんどん上質でシンプルなものだけに洗練させていけたらいいですね」
当たり前のことを改めてきちんとしていきたい
「私、あまり仕事人間ではないんですよ。子供も3人いますし、自分なりのバランスの中で仕事と家族を大事にしていきたい。女だから負けないわよっていうことではなくて、本当に好きなことをしていたら結果がついてきたというのが理想です。それから、私は高校生のときに大きな病気を経験しています。それが9年前に再発して、今も少しだけ歩くのが困難で。健康であることのありがたさを早い段階で感じられた、というのは大きいと思います。
だから、一緒に働くメンバーにも家族と健康を大事にするように伝えていて、そこを減らしてでも仕事をしろという経営者にはなりたくありません。食も美容も当たり前を丁寧に、日々意識をしていけたらベースがしっかりするので、なんでもできるのでは、と思っています。
また、お店にはお客様以外の仲間たちも、よく集まるんですが、人生の岐路に立っている人からの相談には『間違っていないよ、大丈夫だよ』って背中を押してあげられる存在でありたいですね。人生には波がありますから…。私自身、バイヤーとしてずっと走り続けてきて、会社が大きくなったとき、自分ひとりでは手が回らないのでメンバーに任せることが多くなって。すると、走る速度がゆるまった気がして、自分の成長が止まるんじゃないかと思い悩んだ時期もありました。
でも、悩み切ったからか、ある日ふっと抜けたんです。このショップを立ち上げようと思えたのも2年前。常にテンションがマックスの状態がいいのではなくて、ゆっくりのときがあってもいいんだと今は思えます」
周囲を幸せにする笑顔は、厳しい現場を乗り越えてきたからこそ。そんな包容力のある山城さんの言葉に救われる女性は、きっと多い。
Oggi編集部は見た♡ 山城さんのココがかっこいい!
1|サステナブルなアイテムを意識して選んでいる
「最近購入した〝タニラグ〟のカシミアストールは、原毛の買い付けから生産までモンゴルで行っていて、持続性はもちろんデザインも素敵です。会社でもドレスのクリーニングにかかる洗剤を考えたり、梱包を過剰にしないとか、できることから始めようと思っています」
2|海外仕込みのブラックコーディネートが素敵
「ブライダルウィークでは、決まりはないのに全員ブラック。N.Y.の人たちは個性を出すのが上手だし、ヨーロッパの人たちはシンプルだけど上質なバッグを合わせたりしてバランスが絶妙。どちらも決めすぎず、ゆるさも大事にしているところは勉強になります」
3|常に「姿勢よく」を意識している
「いくら素敵な服を着ても姿勢が悪いと残念ですよね。究極、Tシャツとデニムパンツだけでも姿勢がよければ美しく見えると思うので、姿勢を矯正するトレーニングには週2回行っています。おばあちゃんになったときも、なるべくいい姿勢を保っていたいなって思うんです」
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2020年Oggi5月号「こんなふうに今っぽく、かっこよく生きたい!」より
撮影/福本和洋(TAKMI) 構成/宮田典子(HATSU)
再構成/Oggi.jp編集部