5月は星空イベントが目白押し!
おうち時間が長い今、楽しめることのひとつが星空観察です。
私は小学生・中学生のころは天体が苦手分野だったのですが、気象予報士として仕事をするようになって空を見続けているうちに、今日はどんな星空が見えるかな? とわくわくするくらいその魅力にはまってしまいました。ということで今回は、5月に見られる魅力的な星空情報を紹介します。
◆北斗七星
7つの星の並びがひしゃくの形をしているため、それを意味する「斗」を用いて呼ばれるようになったと言われていて、名前は聞いたことのある方も多いかと思います。
春はこの北斗七星が時間的にも物理的にも観察しやすい季節なのです。北斗七星自体はほぼ一年中見えますが、この時期は観察しやすい夕方〜夜にかけて空高く昇りますので、まわりにビルが並ぶ市街地でも比較的見つけやすいです。
▲写真中央少し上、おおぐま座の一部が北斗七星です。
◆月が木星、土星、火星に次々と接近
5月中旬の明け方、南の空には木星と土星が、少し離れて南東の空には火星が輝いています。月が12日から16日にかけてこれら3つの惑星に近づきます。
13日の明け方、南東から南の空には月と土星、木星が近づいて見えます。3つの天体を同時に見ることができる珍しいチャンス、ぜひ写真に収めたいものです。その後15日から16日にかけて、月は火星に近づきます。月の光に負けない力強い光を感じられそうです。
16日は土曜日なので、頑張って夜更かしをして美しい惑星のコラボレーションを楽しみましょう!
◆金星と水星が接近
宵の明星とも呼ばれるほど明るく輝く金星。金星は5月に入ると高度を大きく下げる一方、水星は高度を上げていきます。この2つの惑星が最も接近するのが5月22日です。
日の入り後、まだ空が明るいうちから見られるのが嬉しいですね。明るい金星は肉眼でもすぐに見つけられますが、水星は金星と比べるとはるかに暗く、すぐには見つけられないかも。それでも22日には金星のすぐ左に水星が見えるはずですので、目を凝らして探しましょう!
水星は太陽系の惑星のなかで最も内側を回る惑星で、太陽の光が干渉するためその姿を見られる時期が限られています。この日は金星を目印にして水星を見つけやすくなりますので、貴重な機会を逃さないようにしたいですね。
また、24日には接近中の水星と金星に幻想的な細い月が近づき、3つの天体が三角形に並んで見える美しい現象が見られるチャンスがやってきます。ぜひカレンダーの予定に書き加えておいてくださいね!
日中は暑いと感じる日も増えてきましたが、夜はまだひんやりとするので湯冷めしないように気を付けながら星空観察を楽しみましょう。
参考:国立天文台ホームページ
TOP画像/(c)Shutterstock.com
気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。
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