温泉番付の最高位!「有馬温泉」と「草津温泉」に含まれている成分は?
前回の記事では「泉質」に注目してお届けしましたが、今回は日本の名湯に含まれる成分を一緒に見ていきましょう!
江戸時代の寛政年間に作られた「温泉番付」をご存知でしょうか。東日本の温泉は「東」に、西日本の温泉は「西」に記述されていて、効能の高さを元に、相撲の番付風に格付けされている江戸時代版の温泉ランキングです。
当時の最高位である大関にランクインしているのが、兵庫の「有馬温泉」と群馬の「草津温泉」。まさに日本を代表する古くから親しまれてきた名湯といえますね。
◆西の大関! 有馬温泉の泉質は?
有馬温泉には源泉が7ヶ所もあるのですが、そのなかでも温泉街の中心にある代表的な温泉「金泉」の泉質は、含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉です。豊富な鉄イオンが空気に触れて錆びたような色になっているのが特徴。
飲むと貧血予防にもなるんですよ。有馬は山奥の温泉で海が近いわけではないのに、塩化物まで入っているのも注目ポイント。塩分が肌に付着してあたたまり効果も高い温泉と言えます。まさに寒い冬にぴったり。
◆東の大関! 草津温泉の泉質は?
草津温泉のど真ん中にある観光スポットとしても有名な「湯畑」の湯畑源泉の泉質は、酸性・含硫黄 – アルミニウム – 硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)。
酸や硫黄は殺菌効果が高いのが特徴で、戦国時代には「刀傷によく効く!」と、武士たちにも大評判だったそう。江戸時代には徳川家の「御汲上の湯」としても使われ江戸まで運ばせていたというから、その療養効果の高さがうかがえます。
そもそも温泉は、病気やケガを治す場所ではなく、元気なときに予防的に利用するのがベストですが、草津では実際、筆者も冬場に手が乾燥していて紙で切ってしまったとき、その小さな切り傷が、草津の温泉に入ったらみるみる治って驚いたことがあります。
◆名湯の特徴!? 泉質が長い…
有馬と草津の一例をとってみてもわかる通り、ひとつの源泉に対して、イイ成分が入りまくっている温泉というのは、とにかく泉質の名前が長くてややこしいんですよ。でもそれだけ多彩な効果・効能が期待できるということ。
むずかしいことを考えなくても、泉質がやたらと長い時には「これはスゴそう」とテンションをあげながら温泉を楽しんでみてください。
心も体も満たされる♡ 温泉は最高のパワースポット
宿泊するホテルや立ち寄る温泉施設のHPなどに記載されている「泉質」を読んで、旅行の計画を立ててみるのもおもしろいかもしれませんね。療養泉の泉質にどんな効果が期待できるかというのは「泉質別適応症」というところをチェックすると「冷え性」とか「切り傷」とか「うつ状態」の解消などわかりやすく書いてあります。
◆温泉トリビア:日本には、世にも珍しい世界遺産の温泉がある!
そうそう、先ほどご紹介した江戸時代の温泉番付では、勧進元として和歌山県の「本宮の湯(湯の峰温泉)」が登場しています。この湯の峰温泉という場所には、なんと! 世界遺産にもなっている温泉「つぼ湯」があるんですよ。
気になる「つぼ湯」の泉質は、含硫黄ナトリウム炭酸水素塩泉。リウマチ疾患や神経痛などの効能が期待できます。そして、筆者が最もときめいたポイントは、歩いて3秒くらいのところに、熊野古道があるというスペシャルすぎる立地。なんだか入るだけで、運気がアップしそうな気がしませんか? さすがに効果効能に「強運」とか書いていないんですけれども(笑)
地球のパワーを名実ともに全身で浴びることができる温泉。HPやガイドブックだけ読んでもわからない、現地の空気感を味わうことも温泉旅行の魅力だと思います。
それでは、みなさん、よい温泉旅を♪
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朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では他業種に関わっている。旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher