温泉大国・ニッポン! 確かな効能を期待できる温泉選びのポイント
北から南まで縦に長い日本は、本当に至る場所で温泉が湧き出ている世界屈指の温泉大国。今回は自分にあった名湯に出会える温泉選びのポイントをご紹介します。友人や家族、カップルなどで出かける温泉旅行、「絶対にハズしたくない」という人も、コレさえ押さえておけば大丈夫。
◆そもそも「いい温泉」ってどんな温泉?
ざっくりした話ですが、日本で温泉を名乗るのに必要な条件は温度か成分の2つ。土を掘って温泉源から採取された温度が摂氏25度以上、もしくは環境省が決めた特殊な成分が一定以上含まれているという条件のいずれかをクリアできれば「温泉」を名乗れる仕組みになっています。
この天然温泉に対する考え方は、国によってまちまちで、例えば自然との共存・共栄を重んじるカナダでは、勝手に温泉を掘ること自体が厳しく制限されているので、自然に湧き出ててきたものでないと「温泉」と認めていないそう。
一方の日本は、許可さえとれば、比較的自由に温泉を掘ることができるし、掘りあてた地下水が摂氏25度以上あれば「温泉」になれるのです。同じマグマを共有する地球のなかで、日本の温泉の数がとても多い背景には、そんな違いもあるのです。
◆最近できたご近所の温泉と古くからある有名な温泉
筆者の個人的な意見ですが、関東近郊とかで最近バンバン新しくできている温泉施設は、温度でクリアした温泉が多い印象です。手軽にでかけられるのでとっても有難いんですけれども、せっかく温泉旅行にでかけるならば、「いい成分」が入っている温泉を選びたいですよね。より高い効果や効能が期待できるのは温度ではなく、成分で認められた温泉のほう。
そういう温泉って、結局のところ、人が一生懸命掘り当てた場所よりも、大昔から自然に噴出している温泉地が多いなと思います。
成分の濃さをチェックするポイントは、環境省が「こんなにイイ成分が入っている温泉ですよー」と定めている「療養泉」かどうかが一つの基準になります。HPやガイドブック、また脱衣所などによく貼ってある温泉成分分析表の「泉質」の欄を見てみてください。鉄が含まれていれば「含鉄泉」、硫黄が含まれていれば「硫黄泉」のように、療養泉は、泉質を読むことで、どんな成分が入っているのか見当をつけることができます。
◆例えばこんな泉質! 療養泉の主な成分
総硫黄(S)〔HS-+S2O32-+H2Sに対応するもの〕が2mg以上入っていると→「硫黄泉」
ラドン(Rn)30(百億分の1キュリー単位)= 111Bq以上(8.25マッヘ単位以上)入っていると→「放射能泉」
遊離二酸化炭素(CO2)が1000mg以上入っていると→「二酸化炭素泉」
遊離二酸化炭素(CO2)が「1000mg以上水素イオン(H+)1mg以上入っていると→「酸性泉」
よう化物イオン(I-)が10mg以上入っていると→「含よう素泉」など…
ほかにも塩化物イオンたっぷりな「塩化物泉」とか陰イオンたっぷりな「炭酸水素泉」や「硫酸塩泉」などがあります。ちなみに余談ですが、温泉マニアの間では、独特な匂いでスグわかる「硫黄」や貴重な「ラドン(放射能)」、パッと見てインパクトがある「鉄」を含んだ温泉が大人気。こういった人気成分が豊富な温泉を「濃い温泉」と呼んだりもしています。
いかがでしたか? 温泉旅行に出かける際は、ぜひ温泉の成分を事前にチェックしてみてくださいね♪
今回は「泉質」に注目してお届けしましたが、次回は古くからある日本の有名温泉地の泉質を例に、どんな効果が期待できるのか一緒に泉質をみてみましょう!
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朝岡真梨
世界50か国200都市を超える海外旅行の経験をもとに、各地のグルメや観光スポットの魅力を紹介している。最新のIT機器に関する取材も多く、女性目線からの分析が得意。キャラクターや英語にも明るく、コピーライティングの分野では他業種に関わっている。旅行先ですったもんだした体験や主婦業をラクして乗り切るヒントを綴っている「遊んでばかりのスナフキン」が人気。Instagram:@yans_publisher Twitter:@Yans_Publisher