元エンジニアがつくる一度味わったら忘れられないチョコレート
年が明け、いよいよ間近に迫ったバレンタインデー。本命チョコや義理チョコ、友チョコの準備はさておき、バレンタインにかこつけ「自分チョコ」を選ぶのが楽しみ…… という人も多いのでは。かくいう筆者も、御多分に洩れずその一人♡
今年こそ一味違う特別なチョコレートを食べたい! そう思っていた矢先、知人から御誂え向きのチョコレートを教えてもらいました。その名も、〝BENOIT NIHANT(ブノワ・ニアン)〟。ベルギー国内外で 5店舗を展開するチョコレートブランドで、〝カカオ職人〟と称される、ブノワ・二アン氏が手がけています。
実はブノワ・二アン氏、30歳までエンジニアだったという異色の経歴もさることながら、驚くべきは「Bean to Bar」(カカオ豆の焙炒から、チョコレートに至る工程をすべて自ら行う製法)を10年以上前から行ってきた先駆け的存在だということ。
多くのショコラティエが、大手メーカーがブレンドしたカカオ豆を使用しているなか、一つ一つのカカオ豆の風味を味わってほしいという思いから、それぞれのチョコレートごとに一つの農園の一種類の豆しか使用しない「シングルオリジン」を貫いています。
また自分の足で世界中の農園をまわり、カカオ豆はもちろん、スパイスとなるあらゆる原材料も厳選。カカオ豆の選別・焙炒・摩砕・調合・成形の全工程を自社工房で一貫管理するという徹底ぶり。
さらにこだわりは、その製法にもあるそう。ブノワ・二アンすべてのチョコレートに共通しているのが「コンチング時間(原材料のブレンド時間)」。一般的なコンチング時間が1~2時間であるのに対し、ブノワ・二アンのチョコレートは、数十時間かけてコンチング。
それによって原材料を壊さず、カカオの純粋な風味を楽しむことが可能に。そしてなんと、この製法を実現するために1800年代のアンティークマシンを自分で蘇らせて使っているのだとか。
そんな元エンジニアのこだわりがぎゅっと詰まったチョコレート。それが、〝ブノワ・二アン〟なのです。
今回いただいたのは、Vanille、Fraise & Poivre de Sechuan、Pink Connection、Citron Vert & Basilic、Café & Anis Etoiléの5種類のフレーバーがセットになった「ドメーヌ5a」。
▲ブノワ・二アン ドメーヌ5a ¥2,430(税込)
実際に口に入れると、まずそのなめらかさな舌触りに驚かされます。口に入れた瞬間から噛まずとも溶けていくのです! 世の中になめらかなチョコレートは数多ありますが、これはいままで味わったことがない感覚。これが正真正銘の「口どけ」なのだと身をもって感じました♡
▲(左上から時計回りに)Pink Connection、Fraise & Poivre de Sechuan、Café & Anis Etoilé、Citron Vert & Basilic、Vanille
そしてブノワ・二アンならではの特徴が、組み合わせるフレーバーの独創性と多様性。その筆頭が、「Fraise & Poivre de Sechuan」。ストロベリーゼリーに、なんと華北山椒をあわせたダークチョコレートガナッシュです。
ストロベリーと華北山椒(花椒)? そんなチョコレートなんて、食べたことがありません! 一見喧嘩しそうな組み合わせですよね。でもそれが、食べてみると衝撃が走りました。
花椒のピリッと痺れるほどよい辛さと爽やかな香りが鼻から抜け、ストロベリーの華やかな甘みがうんと引き立てられています。フルーティーな味わいは、まるで上質なフルボディのワインを飲んでいるかのよう。
そしてそれがカカオ感の強いダークチョコレートに包まれ、味が一層引き締まっています。飲み込んだ後までその立体的で深い味わいは口の中に残り、思わず余韻に浸ってしまいました。
他のどのフレーバーも同様にバランスが絶妙で、彼の手にかかると魔法がかかったように一つのおいしいチョコレートとして完成されているようです。これもエンジニアという経歴の成せる業なのでしょうかね。研究を重ね計算され尽くしたかのようなクオリティの高さにただ脱帽です。
このなめらかさ、そして稀有な組み合わせも相まって、初めてチョコレートで感動したといっても過言ではないほどとにかく絶品でした。個人的には、他のチョコレートと一線を画すレベルだと思います。
どんな言葉を並べても、この格別な味わいは表現できない気がします。…… だからこそ、ぜひみなさんの舌で味わってほしい♡
もちろん自分へのご褒美としてだけでなく、大切な人へのギフトにもぴったりですよ!
現在日本では実店舗を構えていないため、オンラインショップでの取り扱いのみ。それがバレンタインシーズン限定で全国有名百貨店にて販売されるのだから、見逃せません!
出店店舗やスケジュールなどの詳細は、随時HPをチェックしてみてくださいね。
文/川原莉奈