教来石小織さんってどんな人?
カンボジア・シェムリアップから車で1時間ほどの場所にある小さな村。ここの小学校で日本のアニメ映画の上映会が行われた。現地の子どもたちは、身を乗り出して映画に見入る。そして教室は、すぐに子どもたちの笑顔に包まれた。
こうした、情報の少ない場所に住む子どもたちに「映画」を届ける活動を続ける女性がいる。それが、NPO法人「World Theater Project」代表・教来石小織(きょうらいせき さおり)さん。彼女がこれまで映画を届けて来た子どもたちは、世界14ヵ国、7万人にのぼる。
−−映画配達人になった理由は?
1981年に千葉県で生まれた教来石さんは、母親の影響で映画好きとなり、映画監督の道を志した。しかし才能に限界を感じ、その夢を諦めることに。
その後、派遣で事務員として働く中で思い出したのが、大学時代にドキュメンタリー映画を撮りに行ったケニアでの出来事。村で子どもたちに「将来の夢は何ですか?」と聞くと、出てくる答えが少なかった。
そのとき、〝知らない夢は思い描くことができない〟ことに気づき、〝いつか途上国に映画館を作りたい〟という夢を持つようになった。
教来石小織さんの「7つのルール」
さて、そんな教来石さんが「いつもしている7つのこと」=「セブンルール」とは…?
■1. 字幕ではなく吹き替えにする
農村部ではまだ識字率が低く、文字が読めない人たちもいるのが現実。そのため、上映作品はすべて字幕ではなく吹き替えにすることを徹底。
■2. 映画を作るときはセリフはなし
教来石さんは自ら映画をプロデュースすることも。その際、世界中の子どもたちに届けられるように、上映権フリーのセリフがないクレイアニメ映画を制作。
■3. ここぞというときは長文を書く
プロジェクターや発電機、スクリーンなどの設備を整えるためには、企業からの支援が必須。教来石さんはそのような助けを求めるとき、長文のメールでありったけの想いを伝える。
■4. ビジネスコンテストで活動費を稼ぐ
活動を続けるうえで最もネックになるのは、資金調達。そのため募金のほか、ビジネスコンテストに出場するなどして活動費を捻出。
■5. 自分ができないことは人に任せる
自分ができないことは、得意な人にお願いするのが教来石さんのスタイル。周りを巻き込むことで、より効率的に活動を進められるそう。
■6. 仕事に誇りを持てる人を雇う
現地のスタッフを雇う際、活動の理念に共感して仕事に誇りを持てる人を雇うのがポリシー。そのようなスタッフたちのおかげで活動は広がっている。
■7. 上映中は子どもの顔を見る
上映中、教来石さんが見続けているものは大好きな子どもたちの顔。映画が一つのきっかけになり、子どもたちが自ら道を切り開き豊かな人生を送ってくれることを信じている。
次回の「7ルール」の放送は、1月14日(火)よる11時20分~。主人公は、5,500人の誕生に立ち会った助産師・矢島床子さん。
今年も番組を振り返りながら、さまざまなフィールドで活躍する女性に焦点を当てご紹介。仕事をする女性たちへのヒントを見つけていきます! 次回もぜひチェックしてみてくださいね♡