【33歳の妊活日記】by OLライターHana
バリバリと仕事をしてきた20代、30歳を越えこのまま独身バリキャリを貫くのかと思ってた矢先に社内の先輩男性と縁あって32歳で結婚。
さぁ次は妊娠と考えた2016年5月から、未だ妊娠に至らず… 自分の努力だけでも越えられない壁があることに気がつき、同時に同じ悩みを抱える30代女性の多さを知る。
自分は妊娠できるのか、その答えはまだ見つかっていないけれど、同士のような女性たちへのエールもこめ、またこれから先、妊娠に悩む女性たちに少しでも役立てばと、実録で33歳兼業主婦ライターが妊活をリポートします。
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胎嚢は確認。でも心拍は未確認。そんな中、ハワイ旅行へ旅立ったが…
ついに妊娠・・・は言い過ぎか・・・
着床が成立していた冬・・・そう、私は胎嚢が確認できたタイミングでなんとハワイ旅行へと旅立とうとしていました・・・
ちょうど本格的に不妊治療を開始して早1年が経とうとしていた頃でした。
実は、結婚した後に行ったハワイ旅行で、ハワイの安産祈願スポットに行って「妊娠できますように」とお祈りしていたわたし(夫は観光地として見に行ったという認識のため、私がこっそりお祈りしていたことは知らない)。
お礼参りには早いけれども、なんとなく惹かれるものがあったのです。
そんなわけで、心拍確認が出来ていない不安もありつつも、心拍確認が出来るまで家でじっとして思いつめ、ずっと妊娠が無事かを意識しているということも、それまた精神衛生上良くないぞということで、お医者さんに確認の上、ハワイ旅行へと向かったのでした。
ハワイで待っていたのは、青い海、眩しい太陽、美味しいご飯。さらに今までと違うのは「妊娠したかもしれないという喜び」・・・ハワイの神様にお礼を言いたい! ああ、最高の旅行・・・
なんていう素晴らしいものではなく・・・
南国の甘ったるいココナッツの香りで常に催される吐き気、吐きたくなっても衛生的とは言い難いことが多いトイレ、咄嗟に「トイレはどこですか?」と聞けない私のポンコツ英語力、ひと口食べるだけでもしんどくなる濃い味のご飯、唯一食べられそうなポキは鮪かつ生物で妊婦には厳禁、さらに妊娠初期に飛行機に乗ってしまった自分への後悔と罪悪感で心身共にフラフラのヘロヘロ。
四六時中「ああ豆腐が食べたい、誰か、ポン酢をかけた豆腐を!」と願い続けていた以外、今となっては記憶すらありません。
ハワイ滞在時間の大半をホテルのベッドとレンタカーの助手席をMAXに倒したシートの上で寝たまま過ごした私は、成田空港に到着したタイミングで連続リバース(汚くてすみません・・・)。
日本のトイレの清潔感に安心して、逆に催された吐き気だったわけです。
帰宅後、私は廃人のごとく家にいる間は常にベッドの上で過ごす日々となりました。心拍確認すらも出来ていないのに、この悪阻? レベルは一体なんなんだ!
「排卵しない 原因」とネットで検索していたいつかの私は何処へ、「悪阻 原因 いつまで」と検索し続ける日々の幕開けでした。
ちなみにこんな毎日でしたが、もちろんまだ妊娠成立をは確定できない状況なので、家族以外には妊娠を報告しておらず、旅行帰りの会社では至極普通に過ごしていたのです。
ニコニコしながら会話をして、取引先とも対応をして、それなりの理由を見つけて席を立ち、30分おきにトイレに駆け込む・・・
体調的にはしんどいしんどい毎日でしたが、不妊治療をしていた私だからでしょうか・・・それとも私の根っからのネガティブシンキングによるものか、どの人もそうなのかもしれませんが、悪阻があることが妊娠の成立を感じさせてくれていて、むしろ悪阻がない日の方がメンタル的には怖くてたまりませんでした。
ここまで来たって「期待して、がっかりすること恐怖症」なんですよ。
本当に不妊治療による精神的なネガティブ効果といえば「期待して、がっかりすること恐怖症」だと思われます。期待して、がっかりすることが恐ろしく怖い。
そんなわけで、ひどい吐き気に死にそうになりながら、吐くたびに妊娠を感じて安心するという、ぐちゃぐちゃの毎日を過ごしながら、ついに待ちにまった「心拍確認」の日が訪れました。
これだけ悪阻がある日もあれば、なんとなしに悪阻がない日もあるわけで、果たして妊娠が継続できているのか、考えるたびに手が冷たくなってしまうほどの緊張の朝でした。
「ようやくここまで来たのに、ここでまた心拍確認できなかったらどうしよう。」
「家族になんて言おう」「自分をなんて励まそう」
と考えて、たまに心臓がバクバク言い始め、「どうか無事でありますように」と心の中で唱えながら、病院につき、診察を待ちました。
いざ診察、私の妊娠はどうなった?
診察を待っている間に、これまでの自分に戒めというか、反省というか、ああ今までの自分って本当によくなかったなと猛省していました。きっと良い思考の人や、根っからの母性に満ち溢れた人だったら、この状況でただ妊娠の無事だけを祈りますよね。
しかしこの時の私は妊娠の無事よりも、自分ががっかりすることや周囲をがっかりさせてしまうことを怖れて、がっかりが起きてしまった時に、どうやってその状況に対処しようかとばかり考えていたなあと。
ハワイ旅行の選択も自分が思いつめないようにという選択だった。
きっとこんな自分を優先するような人間だから、神様がまだまだあなたは母にはなれません。精進しなさいと言って、不妊治療をさせていたのかな(はい、来た。私の突然の信仰心。悩んだり、反省したり、振り返ったりする時にちょいちょい出てくる、神様、仏様、御天道様。いや、神様ってそんな暇じゃないだろうと突っ込む自分もいるけれど・・・)。
でも、もしも今日心拍が確認できたら、ここからは自分ががっかりするかどうかを基準としたり、優先するのではなくて、ただ純粋に妊娠のことを考えられるようになろうと誓いました。
頭の中で、一通り考えを廻らせ、自分の中でどんな判断も受け入れられる準備ができたかなというタイミングでついに診察室に呼ばれました。
今日は院長先生ではなくって、何度か診てもらっていた女性のドクターでした。
ドクター「体調はどうですか? 胎嚢確認まではできているんですよね。今日は心拍が確認の日ですけど、お変わりないですか?」
Hana「はい。吐き気がありますが元気です。あと、先日飛行機に乗ってしまったのでそれが不安で・・・」
ドクター「飛行機は基本的に今の週数で影響はないと思うのでまあ大丈夫ですよ。じゃあ確認してみましょうか」
と言って、内診が始まりました。
私の心拍が聞こえてしまうんじゃないかというくらい緊張で心臓がバクバク言っていました。
ドクター「・・・・。・・・・・。」
Hana(ドキドキ、バクバク)
ドクター「あ、心拍確認できますね!! おめでとうございます! 妊娠されてちゃんと育っていますよ。これからのことを説明しますので、隣の診察室にお呼びしますね」
その言葉を聞いて、ぞぞぞぞっと全身に鳥肌が立つと共に、ふにゃーーーっと脱力しました。
そうして、ふにゃふにゃの私は、またすぐに隣の診察室に呼ばれ、ふにゃふにゃのまま部屋に入ると、先ほどの女性ドクターが待っていました。
ドクター「改めてよかったですね。おめでとうございます。基本的には今日でクリニックは卒業になります。すでに産院を決めていらっしゃれば、紹介状を発行しますが決まっていますか?」
Hana「〇〇病院で」
不妊治療のことで精一杯で、産院までイメージしたことなんてなかったけれど、咄嗟に姉が出産した病院名を口走った自分に驚く。
しかしながら、とにもかくにも、ついになのか、ようやくなのか、私は、不妊治療を終了したのだ。これにて、毎日の注射とも、生理をおこさせるためのホルモン薬とも、毎週の排卵チェックとも、お別れなのだ!!
不妊クリニックを卒業して、産院に入学できるのだ!!!
不妊治療を始めてから、ついに初めて、脳内お花畑の1日を過ごすことが出来たのでした。
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※この連載は個人の体験です。治療や薬の処方などに関しては必ず医師に相談してください。
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Hana 33歳兼業主婦ライター
広告代理店で働くアラサー主婦OL。結婚2年目。主婦業、仕事に追われながらも、ただいま子作り奮闘中。夢は、家族でハワイ移住。