家電のプロが教える「扇風機の正しい使い方」
そろそろ扇風機の出番が多くなる今日この頃。
そこで今回、延長保証制度の設計・運営を行うテックマークジャパンに「扇風機の正しい使い方」についてあらためて教えていただきました!
みなさんは正しく使えていますか?
■故障する可能性があるとすればどんなこと?
扇風機の故障として真っ先に考えられるのは、羽を回転させるためのモーター。また、遠隔操作できるタイプのものであれば、遠隔操作用のリモコンや扇風機本体の操作パネルにあるスイッチ類も挙げられるでしょう。
故障の原因として考えられるひとつは、ホコリ。ホコリはモーターの負担となるので、取扱説明書を熟読のうえ正しくお手入れを行いましょう。
また、小さい子供のいる家庭では、風力の強弱をガチャガチャと切り替え、オモチャのように扱うことがあるかもしれません。しかし、これはモーターやスイッチ類への負担になるので御法度。
さらには、扇風機が首振りモードのときに無理やり方向を変えるのもNG。首振り用のモーターや歯車の大きな負担に。
またリモコンには、不注意による落下や水濡れといった損害が故障の原因にもなるので要注意です。
■効率的な使い方は?
扇風機を自分自身に直接当て続けると、体温が奪われ、体の不調を引き起こす可能性が考えられます。部屋の壁面を利用して跳ね返ってくる風を当てるくらいがちょうどいいかもしれません。
しかし、それだけでは部屋のこもった熱気は循環するだけ。そこで、こもった熱気を室外に放出する作業として網戸に向かって扇風機を回します。扇風機が2台必要となりますが、体感温度の低下は見込めそうです。
熱気を放出してある程度の時間が経過したら、網戸に向かっている扇風機を天井に向けてみるのも効果的。熱を帯びた空気は、体積が膨張して密度が小さくなり高い場所に移動しているため、天井に溜まった熱気を室外に放出するわけです。
■夏、つけっぱなしで寝てもOK?
人間は睡眠時になると体全体での「熱産生」(体温調節機能)が落ちて冷えやすい状態になっています。このような状態で扇風機の風を直接体に当てっぱなしにすると、腹痛や下痢などの症状を引き起こすことも考えられます。
睡眠時に扇風機をつけっぱなしで体を冷やし続けることは深刻な事態を引き起こす可能性があるので気をつけましょう。
エアコンと比べれば電気代は圧倒的に安いため寝苦しい夜に活用したい気持ちは分かりますが、前述の部屋全体の空気を循環させる効率的な使い方を試してみてはいかがでしょうか。
情報提供/テックマークジャパン株式会社
トップ画像/(c)Shutterstock.com
教えてくださったのは… テックマークジャパン株式会社 本多宏行(ほんだ・ひろゆき)さん
1999年テックマーク入社。大手自動車ディーラーでのメカニック経験を活かし、自動車から家電、PC、ガス製品を含む住宅設備機器に至るまで、幅広く修理精査業務を手がける。家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を取得。現在、延長保証の対象製品の修理精査業務を行いながら、故障を未然に防ぐための正しい家電の使い方などを分かりやすく解説するなどの活動も展開している。