キッチンまわりのカビに要注意! とくに流し台の下!
梅雨の季節がもうすぐ到来。毎年この時期になると、家の中のカビに頭を悩ませている人も多いのでは? そんな悩みを解決すべく、エフシージー総合研究所(FCG総研)取締役(暮らしの科学部部長)・川上裕司農学博士に「カビ」について伺いました。
川上博士いわく、「カビが発生する条件は、湿度が高く(80%R.H.以上)、養分が豊富なこと。キッチンまわりは特に注意を払わなければならない」とのこと。
梅雨から夏場にかけての時期は、湿度・温度ともに高くなります。蒸し暑さに加えて、さらにキッチンでは調理の際に湿気や熱が発生し、食品素材から出る養分も豊富に存在するなど、常にカビ発生のリスクが高いといっても過言ではありません。
一体、カビ発生をどのように防げば良いのでしょうか? 川上博士は以下のように話します。
「そもそも、醤油やみそなどの食品発酵に有益な麹菌などもカビの一種であり、生鮮野菜や果実にも必ずカビの胞子は付いているので、発芽して繁殖しないようにすることがポイント。ナス・キュウリ・トマトなどは買ってきたら収納する前に洗って汚れを取り除いておくことが大事。
また、調理する際に、食材や調味料が飛び散ったりしたときには、気付いた時点で拭き取っておくという日常的な掃除がとても大切。
目に見える部分はサッと掃除ができるので、少し意識すればカビ対策になるが、怖いのはキッチンの見えない部分なのです。とくに流し台の下は昔からカビの発生が多い場所。
昔は開き扉式で、調味料のボトルなどを直接置いていたのでカビが発生しやすかったが、扉を開ければ被害を見つけやすい面もありました。今は引出し式が多いので、収納部分だけ気を取られていて、その奥のキャビネットがどうなっているか見えにくくなっています」
見落としてしまう流し台の下。とくに梅雨時期は、ちょくちょく流し台の下を確認して掃除をしましょう。
カビ発育しにくいのは、ステンレス製と木材、どっちのキッチン素材?
食品の管理やキッチンの見えない部分の掃除に加え、川上博士は「掃除がしにくい場所では、どのような素材でキッチンが作られているか知っておいた方がいい」と語ります。どうやら、キッチンの素材がカビ発生の鍵を握っているよう。
そこで、ステンレスキャビネットキッチンを主力商品とするクリナップ株式会社がステンレス製と木材を用意し、カビが発育しないキッチン素材を調査。試験方法はJIS(日本工業規格)のJIS Z 2911カビ抵抗性試験準拠法で行い、ステンレスと木材に滴下したカビ胞子懸濁液から発芽・繁殖したカビの発育度合を比較しています。
4週間後の試験結果では、ステンレス製はカビ胞子が発芽しましたが、表面で止まった状況が観察され、一方、木材では、発芽したカビ胞子が内部へ侵入している状況が観察されました。
また、木材の方が発育が早くなる傾向に。これにより、ステンレスと比べて木材は試験菌液が染みこみやすく、菌糸が木材内部へ侵入しやすいことが示唆されました。
クリナップの実験により、カビが発育しにくいのは「ステンレス」ということが判明。万が一カビが発生しても、拭き取れるのが魅力です。お家のキッチンが何で作られているか、今一度確認した方が良さそうですね。
梅雨の時期は、食品の管理を徹底し、キッチンの隅々まで掃除をしながらカビを防ぎましょう♡
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