野菜の千切りは、一度水につけるとシャキシャキに!
サラダやコールスローをつくる際には欠かせない、キャベツやきゅうり、レタスなどの千切り。パリっとした食感にしたいのに、料理の過程でしなびてしまったり変色してしまったり…という経験はありませんか?
実は、これには原因があったんです。
キャベツをはじめとする野菜は、ほとんどが水分でできています。そのため、千切りをした後そのまま長時間放置してしまうと、切り口から内部の水分が蒸発し、しなしなの状態になったり茶色く変色してしまったりします。
この状態を防ぐためには、冷たい水に短時間つけることが有効。
野菜の細胞壁は、浸透圧によって小さい分子が細胞内外に移動できるようになっています。細胞内液の浸透圧は、0.85パーセント食塩水と同程度。
水につけると、水が細胞内に入り、細胞壁はパンパンに膨張。これが、野菜がシャキシャキになる理由です。
また、水につけることで空気中の酸素との接触が絶たれ、酵素との反応を妨げるため、変色を防ぎ、水溶性のアク成分も除去できます。
しかし、長く水につけ過ぎると水溶性のビタミンB群、ビタミンC群が溶出してしまいます。パリッとしてきたら、水から引きあげましょう!
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