皮膚刺激も柔軟剤もゼロ! 経済的な「おしゃれ着洗剤」
みなさんは、普段から「おしゃれ着洗剤」を使っていますか? 通常の洗濯洗剤に比べ少し高いイメージもありますが、実は安全性もコスパも高いのだとか。
洗剤化学のスペシャリスト・かずのすけ先生に、「おしゃれ着洗剤」を使うメリットや使い方などについて教えていただきました。
通常の陰イオン系洗濯洗剤では洗浄によって衣類にゴワつきが生じるため、柔軟剤でふわふわにしないと気が済まないという人も多いと思います。でも柔軟剤は陽イオン界面活性剤の刺激が不安…。
そんな時にお勧めなのが「おしゃれ着洗剤」です。
「おしゃれ着洗剤」の主成分は「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」などの非イオン系界面活性剤で、洗濯した衣類に対して一切静電気を与えません。洗い上がりの手触り感や風合いが非常に良く、柔軟剤は不要。
皮膚刺激もゼロですし、残留成分も少なく◎。お値段が張るイメージもあるようですが、500mlでも500円程度ですし、柔軟剤がいらない分、実は意外と経済的なのです。
ちなみに、おしゃれ着洗剤として販売されている商品の中には、残念ながら「陰イオン界面活性剤」がベースのものも存在します。明確に定義はないのですが、真のおしゃれ着洗剤であるかどうかは、成分が非イオン系かどうかで見分けましょう。
直接肌に触れる肌着やタオルにこそ使いたい
おしゃれ着洗剤は繊維ダメージがない洗剤なので、繊細なウールやシルクなども洗えます。そして、肌にも優しい洗濯洗剤なので、おしゃれ着だけではなく、肌着やタオルなど、直接肌に触れるものにこそお勧め。
そもそも繊維ダメージになる成分を配合していないので、残留して皮膚刺激になる酵素や柔軟剤、漂白剤などの成分は当然無添加になっている場合がほとんどです。
洗剤そのものも、基本的には残留性は低いですが、たとえ残ったとしても刺激にならない非イオン系です。敏感肌やアトピーの人、赤ちゃんの衣類などを洗浄するのにも◎。
またタオルなどに柔軟剤を使うと、ふわふわになるのは良いのですが、実は繊維表面に油性の膜が張った状態になるため水分の吸水性が落ちるというデメリットがあります。
おしゃれ着洗剤は、そんなことにならないので、ストレスなく汗や水滴を拭き取ることが可能です。繊維が傷みにくいので、衣類やタオルが長く使えるのもうれしいところです。
おしゃれ着洗剤でメイクツールを洗おう!
おしゃれ着洗剤を使えば、専用の洗剤を購入しなくても、メイクブラシやスポンジなどを安全に洗うことができます。
<メイクツールの洗い方>
1.おしゃれ着洗剤:お湯=1:1で混ぜた洗浄液をつくる
2.ブラシを洗浄液の中でクルクルかき混ぜ、汚れを落とす
※スポンジ・パフの場合は、洗浄液に浸して、ビニール手袋などをつけて直接もみ洗いしましょう。メイクブラシと同じようにお湯で流して乾かして完了!
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