Q.風邪をひいてから、咳だけが治りません。仕事中にもよく出て、周りの人も気になってるだろうなぁ…。オフィスで周囲に迷惑かけない方法はありますか?
こんにちは。産業医の加藤杏奈です。季節の変わり目で風邪が流行ってきていますね。最近は、咳が長引いている人も多く見かけます。咳以外は元気なのに、出だすと止まらない咳。オフィスでもできる、咳を少しでも楽にして、周囲にもなるべく迷惑をかけない5つの方法をお伝えしますね。
■1|「咳エチケット」をする
咳やくしゃみをしている人がマスクを着用するのが「咳エチケット」。咳やくしゃみは2〜3m近く飛びます。オフィスだったら隣の人のデスクの範囲ですよね。マスクをしてなくても、咳やくしゃみをするときは袖やティッシュで口や鼻を覆いましょう。手で覆った場合は、なるべく早く手を洗いましょう。
■2|喉を加湿する
喉を乾燥させないように、こまめに水分をとるなどして潤しましょう。喉が加湿されると、痰の排出もよくなります。マスクの内側に湿らせたガーゼを入れるのもいいです。室内を加湿する場合は、45〜65%を保つようにしてください。それ以上になると、今度はカビが繁殖しやすくなるので高すぎてもよくありません。オフィスでは室内を加湿するのは難しいことも多いですよね。その場合は、卓上加湿器はどうでしょう。USB型のものなど色々出てますね。
■3|なるべくきれいな空気を吸う
ホコリや煙、香水などの強いにおい、冷気を急に吸い込むと、喉が刺激され、咳を誘発してしまうことがあります。特にアレルギー体質の人はご注意。タバコを吸う人は、咳が出ている間は当然のことながら禁煙です。咳を長引かせている原因にもなります。
■4|刺激のある食べ物は控える
香辛料のきいたものや熱いもの、アルコールも喉を刺激します。咳が出ている間は控えた方がいいでしょう。一方、咳を楽にする食べ物は、はちみつ。そのまま飲んでも、お湯に溶かしてもよし。炎症を和らげ、喉の粘膜を保護してくれます。ただし、はちみつにはボツリヌス菌が含まれている場合もまれにあります。大人は大丈夫ですが、1歳未満の乳児にはあげないようにしてください。
■5|市販の咳止め薬を試す
市販の咳止め薬や生薬の入ったのど飴などを試すのもよいです。が、しかし痰が絡まった咳があるときなどは、咳を止めてしまうと、痰を排出してよくなろうと頑張っている体を邪魔してしまうことに。原因のはっきりしない咳が3週間以上続いている場合は、病院を受診することをおすすめします。
以上、皆さんの心地よい暮らし&お仕事のお役に立ちますように☆
加藤杏奈
産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。