輝く石は、魔除け、お守り、自分を鼓舞するあかしとして太古の昔から人々の首や指を飾ってきた
年の暮れ。そろそろクリスマスも近いし、星の話をしようか。星の話って言っても、私たちが生まれる遥か前。そうこれは今から5000年もかなた、太古の話。
バビロニア王国は地中海からアジアを繋ぐ、そんな肥沃な大地に広がっていた。バビロンの空中庭園なんて、豪華な王様の話は今でも有名だけれども、普通の人たちはもっぱら真面目に羊飼いとして、肥沃な草原で羊と寝食を共に暮らしていた。
羊飼いのリーダーをしていユリシーズを心から慕い、兄を追って羊と暮らす生活をしていたセミラミス。
親からは「女の子は家で待っていればいいのです」と何度たしなめられても、やっぱり活発なセミラミスは兄やたくさんの羊と草原を駆け抜けることを好んだ。
こっそりと二人で家を抜け出して、羊小屋で星空を見上げる夏の夜。羊たちは夜でも時々さくさくと静かに草を食む。草の上に大の字になったまま、その音を聞いているうちに二人して寝入ってしまった夜が何度あったことだろう。
兄は妹を連れて、沢に行き、草原では見られないようなトゲがいっぱいでも美味しい果実を教えてくれたり、沢で横ばしりする蟹をとってくれた。
草原では長くて黒く焼けた足をさらけ出しながらカモシカのように走り、それはそれはもうセミラミスにとってユリシーズは自慢の兄だった。
そんなある日。羊が草を食んでいる合間を抜け出し、二人で川の石を投げて点数を競って遊んでいた時、ユリシーズの投げた石が川の向こうで岩にぶつかり、ぱっくりと2つに割れたのだった。
あれ? その時セミラミスの目に何かが反射した。
「ユリシーズ、何か青いものが光ったよ」
「何言ってるんだ、石ころが青いわけがない、それにここは川だ青いものだらけだよ」
でも納得がいかないセミラミス。
珍しく兄に向かって楯突いた。
「そんなことない、お兄ちゃん、絶対青いものがあった!」
優しい兄は水をかき分け沢を横切り、落ちた石を探しに行ったんだ。
「あ」
「なになに、お兄ちゃん」
「すごいぞこれは!」
兄がやっとざぁざぁと流れる川から戻って見せてくれたその石。真ん中に大きな青い塊が見えていたのだった。水を滴らせ、陽の光を浴びながらキラキラと青く、そして鋭利に輝くその石は、美しすぎてセミラミスには怖いくらいだった。
「セミラミス、やったぞお前。これはとっても貴重な綺麗なものだ、女王様にお渡しするようなシロモノだ!」
あ、そうか、そういう宝物は王様と女王様のもの…私たちの手元には残らないのか。
自分が見つけたその石はてっきり自分の宝物になると思っていたセミラミス、悲しさと無念さのあまり一気に目の前は涙で曇り、青い石はみるみる溶けて川の水に流れていってしまったように見えるのだった。
でもそう、この土地のものは王様と女王様のもの…(涙)
月日は経ち、草原にも冬がやってきた。羊たちは寒さのあまり、日中も固まって、羊小屋の周りは白い雲で埋め尽くされたようになっている。兄妹はそれでも温かい羊の毛の織物を着て、ぬくぬく元気に暮らしていた。
空気がキンと冷え、一層寒さが増した新月の夜。セミラミスは、誕生日を迎えた。
お祝いも終わり、家族が寝静まったその時に兄は横で寝息を立てている妹をそっとゆり起こす。
「夜空を見に行こう!」
「え、なんで今日、それも今?」
「だってお前、今日は誕生日でそれも新月じゃないか!」
羊がぎゅうぎゅうに固まって寝ているその中に兄はむりやり妹を引き込んで行く。そう、ここならこんな冬の夜でも寒さなんかへっちゃらなのだ。
「セミラミス、見てごらん、今日はお月さまがいないから、もっと綺麗に星が見える」
「本当だ、空いっぱいに星が広がってる!」
その時、兄は空の一点を指した。
「ほら、セミラミス、あそこの星の塊。あれがお前の星なんだよ」
「星の位置は季節によって変わるけど、1年経つと同じ場所に戻ってくる。僕たちはそうやって自分の居場所や時の流れを確認するんだ」
「お前が生まれた10年前もあの位置で煌々と光っていた。僕は妹ができた嬉しさのあまり、外に裸足で飛び出して、あの星たちに感謝したんだ」
そう、旅人は道の標べに、学者は時の流れの研究に、そして僕たち羊飼いは、自分と羊の安全な場所の確保のために。
昼間の太陽はギラギラしすぎてわかりづらい。でも月と星の塊は僕たちにいろいろ教えてくれるんだ。
そう言いながら兄はそっと手を開いて、中のものをセミラミスの手の中に落とした。それは淡い星の光でもキラキラと青く輝いていた。そうあの夏にセミラミスが見つけた“あの”石を革紐で結びつけたネックレスだった。
「え、お兄ちゃん? あれは女王様に渡したんじゃ?」
「俺はお前より頭がいいんだよ。あの時半分に割れた石、もう片方にも青い石はついてたのさ。半分はちゃんと女王様に渡したさ。それで褒美ももらったし。でもあとの半分は見つけたお前のものだ、当然さ」
嬉しさのあまり、セミラミスの中の青い石は涙で曇り、今度は漆黒の夜空に溶けだしそうになった。溶けてなくならないことを確認するかのようにネックレスを握りしめながら、セミラミスは夜空の自分の星の塊をもう一度見上げた。
塊の中で一番綺麗に光っている星は、彼女の石と同じくらい深く青く、煌々と輝いて、彼女を見守っていた。
自分の見つけた石。そして夜空に輝く自分の星の塊たち。
そして兄と羊たち。キラキラと温かいものに守られて、セミラミスはまた一つ大人になった。
5000年もの昔に羊飼いたちが星の塊それぞれに名前をつけてできた12星座。
星はいつも人間を見守りつづけ、その光で夜道を明るく照らし、方向を指ししめし、まるで道しるべのような存在でした。だからその星たちに人々は親しみを込めてそれぞれに名前をつけた。そして、輝く石は、魔除け、お守り、自分を鼓舞するあかしとして太古の昔から人々の首や指を飾ってきたのです。
12星座が自分を守ってくれる気がするのは、そんな星と人間の長い歴史があるからこそ。自分を守るのは自分と自分を信頼してくれている仲間たち。それでも不安な時は星空を見上げて、星空がない時はお守りをそっと握りしめてみる。
そんな気持ちを込めて消費家クロシマ、4℃からニューイヤーコレクションをディレクションしてみました!
その名も『Twelve (12) Constellations』。12星座それぞれのネックレスとリングで構成。星座ごとの星の配列通りにデザインされたコレクション、真ん中には守護石がそっとあなたを見守ります。
12月28日(金)から全国の4℃店舗で発売開始です!(一部取り扱いのない店舗があるのでご注意を!)
そしてそして! 何が素敵って!
日々奮闘しながら生きている12人の現代女性をミューズとして、星座ごとにお迎えしました。前向きな彼女たちとネックレス、ジュエリーのセッションフォトが、一般人とは思えない出来栄えです。
ぜひHPと店頭リーフレットで彼女たちを確認して下さいね。
『私も頑張って前向きに新年迎えよう』、そんな気持ちになれる写真たちです。女性による女性のためのコレクション、Twelve (12) constellations。
ジュエリーには装飾だけでなく、昔からお守りの意味があります。自分でかち得た自分のためのジュエリー。新しい年のスタートに。
ぜひチェックしてみてねー!(そして良ければ新しい年の自分のお守りとして是非消費! 消費! 笑)ではみなさまBonne Annee!!!!
#4c_jewelry
#twelve(12)constellations
#たまには女子っぽくドリーミーに
#完全フィクションですが、、、汗
#ジュエリーはいつでもいくつになっても嬉しい
#ジュエリー自分買い
#メリークリスマスそしてハッピーニューイヤー
初出:しごとなでしこ
黒島美紀子 MKシンディケイツ代表
消費家・商業マーケティングコンサルタント
アパレル、セレクトショップ・百貨店を経て独立起業して早や10年余。数々のお買い物の実践と失敗を繰り返し、ファッション、ビューティ、グルメ、ライフスタイルの動向を消費者目線で考察。また、世界各地の商業スペースやブランドをチェック、消費活動を通じたマーケティングを行い、企業と消費者を結ぶ。