【目次】
・【痔と出血】潰瘍性大腸炎
・【痔と出血】大腸ガン
・【痔と出血】大腸ポリープ
・【痔と脱出】直腸脱
【痔と出血】潰瘍性大腸炎
大腸に潰瘍やただれができる病気。原因がわかっておらず、再発しやすく完治が難しい。難病に指定されている。炎症による下痢と出血のため、排便のたびに出血したり、便に粘液が混ざったりする。症状が悪化すると、発熱や貧血、体重減少なども見られる。
【痔と出血】大腸ガン
日本人は肛門に近い直腸やS状結腸にガンができやすく、ここにガンができると、便に暗赤色の血液が混ざった血便が出たり、血のかたまりが出たりする。下痢と便秘を繰り返したり、便が細くなったり残便感があるのも大腸ガンの症状の一つ。お腹に痛みや張りがある、貧血になるといった症状も。
【痔と出血】大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる隆起物のこと。ポリープが大きくなると排便時に出血することがある。良性のもの、将来ガン化する可能性があるもの、ガンを持ったポリープなどの種類がある。痛みなどの症状がないため、大腸の検査で発見されることが多い。内視鏡手術で切除できる。
【痔と脱出】直腸脱
排便などでいきんだときに、直腸が肛門から脱出してしまう病気。内痔核の脱出と間違われやすい。初期は排便時に脱出が起こるが、重症化すると長時間立ちっぱなしでいたり、スポーツをしたときにも脱出するようになる。出産経験者や高齢者に多く見られる。
痔と間違われやすい病気はほかにもありますが、自己判断は禁物です。便通の様子がいつもと違う、排便時に出血や痛みなどの不快感があるなど、不安を感じたらまずは肛門科を受診しましょう。
初出:しごとなでしこ
教えてくださったのは…山口トキコ先生
東京女子医科大学卒業、同大大学院修了後、研修医、勤務医を経て、2000年にマリーゴールドクリニックを開業し、院長を務める。日本大腸肛門病学会専門医・指導医。日本臨床肛門病学会技能認定医。著書に『女医が教えるおしりの本』(TBSサービス)などがある。