某アイドルのマネージャーをしている知人と先日飲んだときのこと。
いい感じに酔いが回った2軒目で、「俺の仕事なんて、3つの“お”で出来ているようなものですよ〜」とコボす彼の発言が気になりまして。
3つの「お」、その中身はこうでした!
1.「お礼」
何かと礼節を重んじる芸能界。中でも「お礼」はコミュニケーションとしても欠かせないものだそうで…。
「タレントに出演のチャンスをくれたプロデューサーには、彼が好きな銘柄の日本酒を贈ったり、子供が好きだというアニメキャラクターの限定本を出版社の友人を通して手に入れたり…。いつも誰かお礼をし忘れている人がいるんじゃないか、って気が気じゃないよ(苦笑)」
お礼をする相手は裏方のスタッフだけにあらずだそうで…。
「演者同士が仲良くなって、誕生日プレゼントをいただいたり、先輩女優から食事に誘われてご馳走になったと聞けば、きちんとお礼をしたのか確認して、本人に時間がなければこちらで手配することも」
でもそれだけする価値があるのもまた、事実なのだとか。
「覚えてもらってナンボ、思い出してもらってナンボだからね。お礼を欠かさないことで、仕事につながるなら安い投資だよ。でも俺だけでなく、タレントのマネージャーならみんなやってること。少しでもその中身に差をつけるために、女性誌の『贈り物特集』は欠かさず買うけどね(笑)」
2.「お願い」
2つ目の“お”は、「お願い」。
「黙っていても仕事が来るのはピラミッドのトップに位置する人だけ。あとはマネージャーが地道に営業して、タレントを売り込んでるわけよ。新人タレントを担当していたら、1日何回頭を下げるかわからないほど、ひたすらお願いしまくり(苦笑)。中堅タレントだったとしても、少しでもいい役、ポジションをもらうために、マネージャーは頭を下げてる。だから、コンスタントに仕事をしているタレントや、確実にステップアップしているタレントには、必ずといっていいほど、お願い上手なマネージャーがいる。優秀な人=お願い上手だね」
なるほど〜。
3.「お詫び」
最後の“お”はお詫び。
「最近はすぐ炎上するし、何が火種になるかは読めない部分もあるから大変だよ〜。でも、3つの“お”の中でも最難関であるお詫びを上手にやれば、実はその後の仕事がしやすいこともあるんだよね」
というと?
「大事なのは、トラブルが発覚したら、瞬時に動くこと。会社にはもちろん報告するけれど、まずは迷惑をかけた人の元にすぐさま出向く。それで、言い訳は一切せず、とにかく謝る。会社とか関係なく、人間対人間として謝りに来た、という姿勢を見せるわけ。それだけでも印象は全然違うのよ。特に普段から一緒に仕事をしている人ならさ、絶対に気持ちは汲み取ってくれるから。永遠に怒鳴り続ける人なんて、そうそういないから(笑)。むしろ、誠実な対応を買ってくれて、より信頼関係が結ばれることだってあるわけよ」
話を聞いて思ったのは、一般社会に生きる我々にとってもうなずけるものばかりだということ。
3つの“お”、心に留めておきたいですね!
初出:しごとなでしこ