【目次】
・風邪をひくとなぜ熱が出るのか
・風邪で上がった熱を下げてはいけないって本当?
・風邪なのに熱が出ない…そんな場合の対処法
風邪をひくとなぜ熱が出るのか
鼻や喉などの粘膜にウイルスが付着すると、炎症を起こします。するとそのウイルスと戦うために、体はその部分に白血球を集めます。
白血球は体を守るための免疫細胞で、体温が上がるとより動きが活性化します。体のなかの免疫細胞がウイルスをやっつけるために体温をあげているのです。
これが風邪をひいた時に熱が出る理由です。熱以外にも、悪いウイルスを体外に出そうとして起こるのが、咳や痰などです。
風邪で上がった熱を下げてはいけないって本当?
「高熱は体とウイルスが戦っている証拠だから、解熱剤で下げてはいけない」と最近の新常識のように言われることもありますが、何日も高熱が続けば、それだけ体力を消耗します。
本当に辛いと感じたら、我慢せずに解熱剤を使いましょう。ただ解熱剤も鎮痛剤の一種なので、飲み合わせがとても重要です。風邪薬を飲んでいる時は、医師の処方した解熱剤を飲むようにして、手持ちの薬を使いたいときは医師に確認をするようにしましょう。
風邪なのに熱が出ない…そんな場合の対処法
熱を計るとそれほどでもないのに、ゾクゾクして熱が出そうな気配だけがあるという時があります。風邪の初期はまだ体力もあるので、ここで早めに体温を上げてあげることができれば、風邪を長引かせずに済む場合も。
漢方の葛根湯は、肩から上の血流をよくしてくれる作用があるので、熱が出そうで出ない時に飲むのがおすすめです。薬を飲むだけでなく、体を温める工夫も大切です。3首とよばれる首、手首、足首を温めると、体温を逃がさないので体を温かく保つことができます。
風邪をひいたらきちんと休む。特に熱があるときは絶対安静
熱の風邪は何歳になってもつらいもの。いつ下がるのかと心配になりますが、熱は治るために体が戦っているからこそ出る症状です。体内のウイルスをやっつけたら、体温は自然に平熱に戻ります。
そうなる前に無理をしてしまうと、悪化するだけでなく、治るのにもより時間がかかってしまいます。熱が出てきたら無理をせず、最短で治るよう、安静に過ごしましょう。
初出:しごとなでしこ
教えて下さったのは…板橋聖子先生
東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院にて外科医として勤務。出産子育てを経て、現在は東京女子医科大学予防学科兼女性科(非常勤講師)と、「優ウィメンズクリニック」勤務。病気だけでなく、女性特有の悩みや子育て、仕事のことなど、その人のバックグラウンドを考えあわせた診療を行っている。優ウィメンズクリニックは、スタッフは全員女性、おしゃれなインテリアと最新設備が整った女性専用クリニック。なでしこ世代の患者さんも数多く来院しています。