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LIFESTYLE

2018.02.09

【バレンタイン考】今、マーケットはどうなってる!?

あなたにとってバレンタインとは!? 消費家・商業マーケティングコンサルタント 黒島美紀子さんによる、今どきバレンタインについての考察。

50回記念!
【バレンタイン考】ー消費家クロシマ、愛を語るー

もうすぐバレンタインですね。

バレンタインの「女子がチョコレート持って、好きな男子に気持ちを伝える」みたいな風習は(諸説あるようですが)日本独特なもので、だいたい昭和の良い時期にチョコレート屋が販促の一環として無理やり作り出したものらしい。

それでも世界中全体、バレンタインデーは「愛は大切だ!」ということを高らかに謳うとても素敵な日である。

なのに知ってましたか? なんとー!

「バレンタイン市場」というものは「ハロウィーン市場」に席巻され始めており、ここ数年は市場規模は拮抗。いや、去年はとうとうハロウィーンがバレンタインに勝って「クリスマス市場」に次ぐ、2位に躍り出た!というのだ。

ハロウィーンは確かに楽しい。でも、ハロウィーンは所詮オバケの祭典だぞ。

それもけっこう最近日本に上陸、「甘いもんくれないと、いたずらするぞー」みたいな子供が主役のイベントだ。

それが、世界全体で愛の大切さを叫ぶ「聖バレンタイン」の祭典が負けているとは!(さらに言っちゃうと、バレンタインで愛が育まれないと、ハロウィーンの主役の子供は生まれないのだ)

情けない!

古い(!?)人間のクロシマはなんか新興勢力のハロウィーンに席巻されているバレンタインが不甲斐なくて仕方ないのだ。

友達、家族、老若男女、みんなで集まって大騒ぎできるハロウィーン。

それもメイクや衣装まで凝ってみるから、お金もかかる。だから市場規模も大きくなっているのですね(ついでに補足すると、大人まで仮装して遊んでいるのは実は日本だけで、アメリカやヨーロッパでは子供だけが仮装します)。

パーティや集いの場が少ない日本、やっぱり外でハメをはずしても温かく見守ってもらえるハロウィーン、男子も女子も楽しめるハロウィーン…やっぱり楽しいよね。

(C)Shutterstock.com
(C)Shutterstock.com

しかしだ。。バレンタインだって負けてはいないのだった。そう、市場は伸び続けている。

ちょっと前のバレンタインといえば「本命」と「義理」だけだった。

私も覚えている…会社の女子たちで相談したあの日を。

年々過激化する「義理チョコ」。会社の上司や同僚男子は絶対もらえると思っているので、始末が悪い。

各自で用意するのは、もうお金の負担も大きいし…ということで「職場女子全員より」と、なったわけです(みなさんの職場もそうじゃないですか?)。

バレンタインの数日前、女子だけで給湯室にひっそりと集まる。そこには1枚の紙が用意されている。

書かれているのは、男子社員の名前。

女子はハンコを持って集まり、自分がチョコをあげてもいい、と思える人の名前の横にハンコを次々と押していく。

ふふふ、そうです。そうやって名前のリスト上で人気投票のようにヒエラルキーができ、チョコの質や金額はそのヒエラルキーによって決められていたのだった。。。

あれはあれで楽しかったなー(笑)。

ということでバレンタインチョコの歴史変遷を追おう。

「本命」(のみの時代から)

「本命」+「義理」(ここで義理がヒートアップしすぎ…)

「本命」+「義理」(ちょっと義理のシェアと金額が下方修正されて…)

ここで、出てきたのが「ショコラティエ」系チョコレート。そう、アーティストばりのチョコレート作家によるクオリティ高いチョコレートの台頭だ。

チョコレート
(C)Shutterstock.com

これがチョコ好きの心に火をつけた!

人に配るだけなんてもったいない。

普段から頑張っている自分への「ご褒美」として自分が思う存分美味しいチョコを味わって何が悪い????

ところで、話は変わりますが、みなさん考えてみてください。

一生懸命レシピを考えて作った。とか、シックでセンスの良いショコラティエをみつけた。とか、女子がこだわって頑張る「こだわりポイント」みたいな部分に、オトコという動物はかつて気づいたことがあるのだろうか?

もちろん、ない!(とほほ)

舌触りを考慮して生クリームや、なんと豆腐まで練りこんで作った生チョコ。

大混雑のサロンドショコラで大行列に並んで買ったトリュフ。

パッケージもろくにみず、ほとんどろくに味合わずにムシャムシャと食べて「美味しかったー」って。あんた、それ、全然苦労の甲斐がないやんかー!

なでしこ女子はオトコを前にすると、大概このような憂き目に逢うのであった。

そう、女子が気を使って選んだ、そのものの価値。絶妙なセンス。

わかってくれるのは、やっぱり女子なのよ。

そんな数々の憤懣と後悔を繰り返しながら、の今。我々のバレンタインマーケットは…

「本命」+「義理」+「ご褒美」+「友達」

という絶妙なバランスの上に成り立つようになったのである。

本命への「愛」のシェアは本当に小さくなっているのだった。。。

嗚呼、聖バレンタイン司祭さま、ごめんなさいー。

とはいえ、皆で愛を語るバレンタインデー。

なでしこのみなさん、彼への愛だけでなく、「友愛」「博愛」「人類愛」まで広げ、みんなで盛り上げていこー、バレンタインデー

ちなみにここ数年のチョコのキーワードは「健康」「オーガニック」「カカオ純度」コスパよりも「本物」だそうです。

私のバレンタインのテーマは「博愛」

私の愛を皆にちょっとずつ渡せて、オーガニック、そして何より美味しい!こんなチョコを仕入れてます。

バレンタインデー チョコレートバレンタインデー チョコレートバレンタインデー 義理チョコ

【編集後記】
みなさーん! バレンタインデーの予定はもう、立ちましたか? 素敵な彼氏とおしゃれなレストランでバレンタインディナー? それとも、おうちに帰って旦那様との愛情こもったラブラブディナー?

ところで今月初めにクロシマへいつもの女子友ケイコから連絡が入った。

「クロシマしゃーん、たまにはみんなでご飯しようよー」「オッケー、じゃ、調整さんで日程調整するわ」なにせ働く女子が5人もいるグループだからね。

2月8日、9日、11日、ふむふむ、、、候補日をたくさん上げてみる。

そして、、、半日経ち、全員の予定が入る。

えーっつ!!!! 全員が調整可能な日…それが2月14日…かい!!!
おいっ。。。Orz…

不甲斐ないのは…何よりも自分じゃないか! クロシマーっつ

#やっぱり女子友がバレンタインを救うな
#クロシマの愛は友愛だな
#もうちょっとホントの『愛』について語りたいよね

初出:しごとなでしこ

黒島美紀子 MKシンディケイツ代表

消費家・商業マーケティングコンサルタント
アパレル、セレクトショップ・百貨店を経て独立起業して早や10年余。数々のお買い物の実践と失敗を繰り返し、ファッション、ビューティ、グルメ、ライフスタイルの動向を消費者目線で考察。また、世界各地の商業スペースやブランドをチェック、消費活動を通じたマーケティングを行い、企業と消費者を結ぶ。

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