伝説のカレー屋「GHEE」を知ってますか?
伝説のカレー屋があります。渋谷区の神宮前で80年代から2005年まで存在し、ファッション界の大物NIGOさんや、ミュージシャンの川村カオリさんなど、今となってはそうそうたる面々が若き日にアルバイトをしていたお店で、小説家の村上春樹さんやイラストレーターの安西水丸さんが通ったといわれているカレー屋です。そのお店の名前は「GHEE(ギー)」。当時から流行の最先端を発信し続けているエリアにおいて、カレー屋としてだけでなく、カルチャースポット的な存在だったといわれていたGHEE。神宮前のお店は既にありませんが、2017年の今もその形を変えてカレー界に確固たる存在感を放ち続けています。今回はその伝説のカレー屋GHEEについてのお話です。今となっては日本全国にGHEEから派生したお店、影響を受けたお店がいくつもあり、それぞれが人気店となっているのですが、その中から都内でGHEEの遺伝子を受け継いでいるお店をご紹介しましょう。
伝説のカレーのオリジネイター赤出川さんの味が今も!
神宮前「BLAKES(GHEE)」
GHEEのシェフだった赤出川さんは独立後、さまざまなお店を渡り歩いてきました。別のお店で腕を振るったり、夜営業のお店の昼間だけ借りてGHEEのカレーを作ったり。さすらいのカレー職人ともいえるのですが、その赤出川さんがようやく腰を据えて2016年から実店舗稼働を始めたのがこちらBLAKES。最寄り駅は国立競技場駅ですが住所は神宮前。神宮前にこだわっていることがわかります。
カレーという料理は特殊な料理で、レシピが同じでも作る人が変わると味がかなり変わるんですが、そういう意味では正しいGHEEの味はGHEEのシェフだった赤出川さんにしか出せないともいえるわけです。名物のビーフカレーはサラサラでスパイシー。一般的には激辛の区分に入るレベルの辛さで、クローブの香りが印象的な味。これが80年代から食べられたのですから伝説にもなるわけです。こちらでは新メニューのミルクカレーも出しており、しっかりと進化しているところもまた素晴らしいです。まずは本物の味を確かめてみてください。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★★
コスパ:★★☆
雰囲気:★★☆
伝説度:★★★
NIGOさんプロデュースのおしゃれなお店
原宿「CURRY UP」
GHEEがなかった時代にGHEEの味を復活させようと、NIGOさんがプロデュースして開店させたお店です。ファッション界の大物だけあってお店も実におしゃれ。場所もちゃんと神宮前です。こちらのシェフは赤出川さんからカフェドモモの厨房でカレーのレシピを教わったということで、正統後継者といえる方。先述したようにカレーの味はレシピが同じでも作る人によって変わります。個人的にはGHEEの味が優しくなった感じと思えるカリーアップのカレー。女性にもおすすめです。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★
コスパ:★★
雰囲気:★★★
おしゃれ度:★★★
カレーうどんなど独自性のあるメニューもあり
市ヶ谷「カフェドモモ」
赤出川さん自身も厨房に立っていた市ヶ谷のカフェです。今は場所も移転し、作っている人も違いますが、元々は赤出川さん所縁のお店ですからやはりその遺伝子を受け継ぐお店といえるでしょう。こちらではオリジナルのほうれん草カレーがあったり、カレーうどんがあったりして独自性を出しています。白を基調としたお店は太陽の光もたくさん入り、居心地の良い空間となっています。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★
コスパ:★★☆
雰囲気:★★☆
個性:★★★
店内もおしゃれで女性向け
学芸大学「VOVO」
GHEEで働いていた方が新潟でお店を出し、その2号店として凱旋帰国的に東京に開店したのが学芸大学のVOVO。学芸大学エリアらしく店内もBGMもセンスのある、非常におしゃれな空間です。メニューもGHEEらしいメニュー構成です。ビーフカレーの辛さは他のGHEE系のものと比べると控えめなのですが、唐辛子も一緒に出してくれるので自分で調節できるのが嬉しいですね。とはいえこちらもGHEEで働いていた方なので正しくGHEEの味。GHEEの可能性の広がりを感じさせてくれます。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★☆
コスパ:★★☆
雰囲気:★★★
伝統:★★★
肉バルで食べる絶品カレー
高田馬場「5バル」
こちらのお店はちょっとややこしい出自。NIGOさんと共にGHEEで働いていたFACTORYの加治さんが京都で出したカマルというお店の支店として東京中野にお店がオープン。そのお店が内容リニューアルしたのが5バル。中野、飯田橋、高田馬場にお店があり、その全てでGHEE所縁のカレーがいただけます。基本的には肉バルなので、ランチは肉料理プレートがメイン。それにミニカレーをつけて食べるのが僕のおすすめ。ボリューミーですが美味しいのでペロッといけちゃいます。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★
コスパ:★☆
雰囲気:★★
肉食度:★★★
GHEEのカレーのファンが作る濃厚カレー
中目黒「フォレスター」
最後にご紹介するのは中目黒というおしゃれエリアでお店を構えるフォレスター。こちらのシェフは元々GHEEのカレーのファンだったのが高じて、赤出川さんに直々に教えを乞うたんだそうです。しかしこちらも直系でありながらも独自性があり、名物ビーフはより濃厚な方向性。バターチキンはGHEEの味に近く、それぞれのカレーに差があるのが面白いです。さらにはサラダセットという、ボリューム満点のサラダにミニカレーのセットもあり、減量中にも嬉しいお店です。
<カレーおじさん\(^o^)/的評価>
味:★★★
コスパ:★★☆
雰囲気:★★☆
濃厚度:★★★
カレーは「文化」である
GHEEのカレーは基本は4種類。激辛でクセになるビーフ、スパイシーなキーマ、オリジナリティあるバターチキン、優しい野菜。それぞれのお店でだいたいどのカレーも食べられるのですが、今となってはそれぞれのお店独自のカレーも増えていて、その独自のカレーもどことなくGHEE的に進化したものになっているのが非常に興味深いです。おしゃれなエリアに構えるお店が多いのもある意味GHEE的といえましょう。僕は常々カレーは食べ物である以上にひとつの文化だと思っているのですが、GHEEのカレーはそれ自体が既にひとつの文化ともいえる存在だと思います。どこのお店も女性受けするお店であり、女性一人でも気兼ねなく入れるお店ばかりなので、カレー好きの女性に是非食べ比べの食べ歩きをしてみて欲しいです。
初出:しごとなでしこ
AKINO LEE カレーおじさん\(^o^)/
ヴォーカリスト、パフォーマーとして自身の活動の他、様々なアイドルの作詞作曲振付プロデュースを担当。ヴォイストレーナーとして後進の育成にも力を注いでいる。音楽ライターとしても各種雑誌、ムック本などで執筆を担当。また、カレーおじさん\(^o^)/としても知られ、年間平均900食以上のカレーを食べてきた経験と知識を活かしてTVや雑誌など各種メディアにおいてカレーについて語っている。
http://www.akinolee.tokyo/