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2017.09.16

トータルビューティアドバイザー・コミュニケーションアドバイザー・鈴木ハル子さん(61歳)の30代は「子供時代」

本誌10月号で25人の著名人からメッセージをいただいた「あなたの30代ってどうでしたか?」企画。外資系化粧品会社の社員として定年まで勤め上げ、昨年退職した鈴木ハル子さんに、会社員としてのキャリアをまっとうした大先輩として、「30代にしておきたいこと」を伺いました。

32歳でブランドのPR責任者に。チャンスにはピュアに向かい合った

30代のころの自分を今から振り返ると「子供時代」(笑)。みずみずしくて体力もあって…、32歳でブランドPRの責任者になりましたが、与えられたチャンスにピュアに向かい合い、次から次へと乗り越えていくのがとにかく楽しかった! そのときの充実感は今でも忘れられません。あのようにすがすがしい充実感は40~50代では味わえない、30代ならではのものだと思います。

一方で30代は、さまざまな失敗をする年代でもあります。そんなとき、自分の非を素直に受け止められる人のほうが圧倒的に成長します。私が30代だったころ、上司から「素直だね」と言われて、その意味がよくわからなかったんですが、自分が上司になって部下を育てる立場になったらよくわかりました。「私は正しい。あの人が悪いんだ」と思うこともあるかもしれないけれど、「私も悪いんだ」と謙虚に反省して謝ったほうが素敵。「ごめんなさい」というのに勝ちも負けもないんですから。

定年退職後の今、30代のころからもっと交友関係を広げておけばよかった、と…

60歳で定年退職して、初めて気づいたこともあります。30代のころからもっと仕事のジャンルを超えた交友関係をつくっておけばよかったな、って。定年になって「自分が置かれている場所の中にひたすらいて、視野が狭くなっていたかもしれない」と実感したんです。自分とは業界の違う人を知っていれば、仕事の進め方や、どういう人を巻き込んでどんなことができるかなど、もっと仕事に彩りができたかもしれないし、自分を見つめ直す機会があったんじゃないかな。

30代のときにこんなことがわかっていたら、人生はもっと深く充実していたかもしれない。とはいえ、その年齢に合った感覚しかもてないのも人間。年をとって見た目や体力は衰えますが、それまでわからなかったことがわかったり気持ちの幅が広がったりする。だから年をとるのは楽しいことなのだと、今回取材を受けて改めて思いました。これからも、いろいろな人をきれいにしたり、社会や人の役に立てることをし続けたいと思っています。

前回はスポーツキャスター・高橋尚子さん(45歳)の30代は独立、そして引退

次回はブルーカレント・ジャパン代表取締役社長 本田哲也さん(46歳)の30代は自分の強みを確信した時期

Profile
30代を目前に外資系化粧品会社に入社。数多くのプロジェクトを手がけ、’16年に定年退社後は企業のアドバイザーとしても活躍。著書に『大人は「近目美人」より「遠目美人」』(講談社)。

取材・文/酒井亜希子(スタッフ・オン)

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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