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BEAUTY

2018.11.17

美肌の守り神【ランゲルハンス細胞】ってなんですか?|強く美しい肌の秘訣は、自らの免疫力!

与えるだけじゃない、外敵から守る「免疫力」をつけることが、強く美しい肌の秘訣です。

「体の免疫力が落ちると風邪をひきやすくなる」などと言われますが、肌にも同じことがいえます。肌には「ランゲルハンス細胞」という免疫細胞が存在し、異物や刺激から肌と体を守っているのです。そのメカニズムを知って適切にケアすれば、キレイへの道がより開けます!

お話を伺ったのは…

資生堂 アドバンストリサーチセンター・細井純一さん

資生堂 アドバンストリサーチセンター・細井純一さん
1992年、資生堂へ入社。長年にわたりストレスと肌、肌免疫に関する研究を担当する。ボストンの皮膚科学研究所との連携も。

取材したのは…

もうすぐ30歳オジ子さん

もうすぐ30歳オジ子さん
Oggi読者歴5年、ファッション大好き! でも最近肌の乾燥やゆるみが気になり始め、がぜんスキンケアにも興味がわいている。

[1] ランゲルハンス細胞は健康でキレイな肌を守る兵隊!

肌

ランゲルハンス細胞↓

ランゲルハンス細胞

活性化した肌ダメージ因子↓

活性化した肌ダメージ因子

鎮静化された肌ダメージ因子↓

鎮静化された肌ダメージ因子

肌内部に入り込んだ悪影響によるダメージを鎮静

上の図は肌の上層部、表皮の断面を示したもの。ランゲルハンス細胞は角層の下にいて、外的悪影響によって肌ダメージ因子が活性化すると、手を伸ばして鎮静化させます。肌に侵入した異物を排除する働きもあります。

肌には、ふたつのバリア機能があります

オジ子:細井さん、初めまして。最近「美肌の秘訣は免疫力」という細井さんの取材記事を読んで、詳しくお話を聞きたくなり、やって来ちゃいました!

細井さん:こんにちは、記事を読んでいただきありがとうございます。オジ子さんは、美容に興味があるんですね。

オジ子:いえ、むしろ逆で何も知らないんです。でも、最近肌が乾燥したり、体調によって敏感になることもあり、焦っています。これって免疫力の低下なんでしょうか?

細井さん:一概にはいいきれませんが、可能性はあります。肌には、表面をうろこ状に覆って守る「角層細胞」と、それでも守りきれず肌内部に入り込んだダメージ因子を鎮静化させる「ランゲルハンス細胞」という、ふたつのバリア機能があります。双方がきちんとバランスよく働いていれば、肌トラブルは起こりにくく、健康で美しい肌を守ることができます。

オジ子:ランゲルハンス細胞は、どんな人の肌にもあるんですか?

細井さん:皮膚の基本的な免疫構造の一部なので、どんな人の肌にもあり、角層でガードしきれなかった有害な異物を排除したり、紫外線や乾燥によるダメージを鎮静化させたりしているんですよ。角層細胞を表面で守る門番にたとえるなら、ランゲルハンス細胞は闘う兵隊のような役目を担っています。

オジ子:肌の仕組みってすごいですね。

[2] 酸化によるダメージを受けやすい

肌のダメージ

酸化しやすい環境下では、働きが弱まってしまう…

酸化した皮脂や汚れが肌表面に付着していると、細胞の膜にある脂質が酸化してしまいます。ランゲルハンス細胞は肌の表面にいるので酸化に弱く、本来の防御機能を発揮しにくくなります。すると肌ダメージ因子が増加。

酸化すると、その働きが弱まってしまう

オジ子:自分の肌にもランゲルハンス細胞がいることを知ったら、途端に安心感が湧いてきました。

細井さん:(笑)。でも、気をつけてください。ランゲルハンス細胞はいつも100%元気いっぱいというわけではないんです。

オジ子:どういうことでしょう!?

細井さん:まず、酸化に弱いということです。ランゲルハンス細胞は脂質の二重膜で覆われていますが、肌の表面にいるため外からの刺激を受けやすく、細胞膜の脂質が酸化しやすいんです。酸化すると正常な機能を保てず、肌を守る力が弱まるので注意が必要です。

オジ子:なるほど。でも、どうしたら酸化を防げるんですか?

細井さん:酸化の原因は、紫外線の他、肌表面に付着した酸化した汚れや皮脂などです。それらを洗顔でしっかり落とすことが大切です。

オジ子:よかった。私、洗顔だけはちゃんとやっているつもりです。

細井さん:さらに、洗顔後も酸化を意識したお手入れを行うよう、心がけましょう。

[3]肌のバリア機能が弱まると、いなくなってしまう!

肌のバリア機能

数が減ったランゲルハンス細胞は、肌を守れない

バリア機能が低下すると、ランゲルハンス細胞はより外部の影響を受けやすくなり、興奮したり動き出したりして数が減少してしまいます。こうなると悪循環なので、しっかり保湿してバリア機能をサポートすることが大切。

しっかり保湿してバリア機能を守る

細井さん:もうひとつ、角層のバリア機能が低下することも、ランゲルハンス細胞に変化を起こします。

オジ子:どうなるんですか?

細井さん:異物が入ってきたわけではないのにランゲルハンス細胞が興奮したり、周りからの影響で動き出してしまうのです。すると数が減ります。肌の環境がよければ新たなランゲルハンス細胞が生まれるのですが、角層のバリアが弱いままだと、数も減ったままに。

オジ子:かなり手薄な状態ですね…。

細井さん:そうです。洗顔後はしっかり保湿して、バリア機能を立て直すことが大切です。

オジ子:いろいろ勉強になりました。ありがとうございました!

「ランゲルハンス細胞」まとめ

✔️美肌を守るには、ランゲルハンス細胞を正常に働かせること

肌表面が酸化しやすい環境にあったり、角層のバリア機能が乱れていたりすると、ランゲルハンス細胞の働きが弱まってしまう。

✔️肌表面を酸化させないために、きちんと洗顔で汚れを落とす

肌表面についた汚れや分泌した皮脂は、数時間で酸化していく。洗顔でしっかり落とし、酸化を意識したお手入れを行って。

✔️バリア機能を下げないよう、しっかりと保湿を

肌が乾燥していたり、間違ったお手入れでバリア機能が低下してしまうと、ランゲルハンス細胞の働きも低下。保湿は大切!

Oggi10月号「キレイの味方『ランゲルハンス細胞』ってなんですか?」より
イラスト/shapre(人物)、フジノマ(肌図) デザイン/高橋桂子 構成/大塚真里
再構成/Oggi.jp編集部

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