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2018.09.04

苦い思いを経て、新商品のブランドマネージャーに抜擢されるまで…サントリー【中村美保子さん】お仕事インタビュー

サントリー食品インターナショナル ブランドマネージャー中村美保子さんにインタビュー。製品がタレントなら、自分は芸能プロダクションのマネージャーと比喩する中村さん。「おいしい腸活 流々茶」のブランドマネージャーに抜擢されるまでの経緯や、日々の仕事のやりがいを伺った。

【中村美保子】さんインタビュー

発売は、ゴールではなくスタート

2018年4月に発売された『おいい腸活 流々茶』(機能性表示食品)。イメージキャラクターの中条あやみさんの「おいしい腸活体操」のCMも印象的で、発売以来徐々に認知度が上がっている。中村さんは、昨年9月に、この『おいしい腸活 流々茶(以下、流々茶)』のブランドマネージャーに抜擢された。

中村美保子さん

製品がタレントなら、自分は芸能プロダクションのマネージャーと比喩する中村さん。無意識に『流々茶』を「この子」と呼んでいる。デビューしたての新人に向ける視線にはいつも愛情が溢れ出て。

「『流々茶』は『お通じの習慣を改善する』ことが報告されている、野菜などに含まれる水溶性食物繊維の一種、『イヌリン』を配合した烏龍茶です。私が担当になったときは、もう商品は完成していて、あとはコミュニケーションをどうやっていこうかという段階でした。ブランドマネージャーというのは、芸能プロダクションのマネージャーさんのような仕事と説明したらわかりやすいでしょうか。タレントさんが『流々茶』。この子の個性、魅力、セールスポイントを理解して、どうアプローチしていくのがいいのか? 売れっ子になるためにはこの番組に出たらいいんじゃないかとか、そんなふうにマネージメントしていく仕事です」(中村美保子さん)

全国的に発売される商品、ブランドを開発し育てていく―これぞメーカーの仕事の醍醐味!と思えるが、中村さんは当初は営業希望で、実際その思いどおり最初に配属されたのは営業部だった。

中村美保子さん

普段のデスクワークは、自社製品のロゴ入りウインドブレーカーを着用して臨んでいる。「『流々茶』のブレーカーは、まだないし、今日は撮影用に脱ぎました(笑)」

念願だった営業の仕事! から気持ちの変化へ

「就職活動していたころ、他社さんですが、人気タレントさんが商品のジャンパーを着た営業さんを演じているCMを見て、『この感じ、ワクワクする!』って憧れまして。当時は、ビールと食品とに会社が分かれているという認識もないまま弊社の入社試験を受けたのですが、人事の担当者はじめ魅力的な人が多く、また社風もとても明るくて、『ここに入りたい!』と思いました」

念願だった営業の仕事! しかしもちろん、現実はCMのようにはいかない。初めて実家を離れて始めたひとり暮らしの寂しさとも相まって、当初は「逃げたい!」と思ったことも。それでも徐々にやりがいを見つけ仕事に夢中になった。

「営業を担当したことは本当によかったと思っています。ただ、営業というと、お客さまは流通さんになるわけなんです。日々の仕事のなかで、商品を買ってくださるお客さまより、流通さんのことを見ている自分がいることに気づいて…。メーカーに入ったからにはもっと違う仕事を体験したいと思うようになりました」

現部署への社内公募に応募し、念願の異動を果たした。異動後、ブランドマネージャーとして最初に担当したのは『伊右衛門』だった。『伊右衛門』といえば、緑茶飲料の代表と言っても過言ではない大ブランド!

「私は『伊右衛門』のあとに『濃いめ』とか『玄米茶』などとつく、いわゆる兄弟商品を担当させていただきました」

実はそこでは、濃く、濃く淹れたお茶よりも苦い思いも経験した。

「2016年に、『伊右衛門 スパークリングドライ 無糖炭酸 with ゆず』を企画。商品化にこぎつけたのですが…」

緑茶+炭酸という斬新さがあだとなり、“千利休に謝れ!”などとネットでバッシングが発生した。

「そのときは本当にいろいろありました。笑いごとではないけれど、私も千利休さんに謝りたいと思いましたし(笑)」

中村美保子さん

今後の商品のコミュニケーションについての議論は、発売後も現在進行形で行われている。

1周まわって、また「烏龍茶」をトップスターに!

しかし、その経験を次の挑戦に生かそうと前を向いた中村さん。翌年、現在所属する烏龍茶全般を担当するチームへ部内異動となり、現在に至っている。

「お陰さまでうれしい反響を多くいただいている『流々茶』ですが、発売はゴールではなくてスタート。これからどう育てていくか? 私自身もお通じには長年悩み続けてきたので、同じ悩みをもつ方たちに長く愛していただけるような商品になるよう、これからが勝負だと思っています。同時に、私は『サントリー烏龍茶』というブランド自体に愛着があって。実は幼いころから、家の冷蔵庫に入っているお茶といえばこれだったんです(笑)。本当に多くの種類の清涼飲料水が流通している今、改めて、消費者の方たちに『烏龍茶がいい!』と思っていただけるような―商品もそうだし、プロモーションもそうだし、そんなものをつくっていけたらいいなって思っています」

中村美保子さん

新製品開発にあたって繰り返される試飲会。

Oggi8月号「仕事を楽しむ、自分を楽しむ」より
撮影/洞澤佐智子(CROSSOVER) デザイン/スズキのデザイン 構成/岡村佳代
再構成/Oggi.jp編集部

なかむらみほこ

1988年、神奈川県生まれ。2007年、明治学院大学法学部消費情報環境法学科に入学。2011年、同大学を卒業後、サントリーフーズ㈱に入社。関東甲信越支社量販営業部に配属され、スーパーマーケットの量販営業を担当。2015年、サントリー食品インターナショナル㈱現部署へ異動。『サントリー緑茶 伊右衛門』、『サントリー烏龍茶』のブランドマネージャーとして、商品化・ブランドコミュニケーションの企画業務に関わった後、2018年4月発売の『おいしい腸活 流々茶』のブランドマネージャーの担当になり、現在に至る。

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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