人気ラジオ DJ・サッシャがナビゲート! flumpoolのこれまでとこれから

◆Guest Artist:flumpool
山村隆太(Vo/中右)、阪井一生(Gt/右)、尼川元気(Ba/中左)、小倉誠司(Dr/左)の4人組バンド。デビュー配信シングル『花になれ』が10日間で100万ダウンロードを突破し、一躍話題に。以降、『君に届け』『証』など数々の人気曲を送り出している。
◆Host:サッシャ
1976年、ドイツ・フランクフルト生まれ。日本語・ドイツ語・英語のトライリンガル。J-WAVE『STEP ONE』ナビゲーター。『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にレギュラー出演するほか、モータースポーツをはじめとするスポーツ実況など多方面で活躍中。
flumpoolの軌跡
2007年 山村氏・阪井氏・尼川氏のアコギユニットに小倉氏が加入し、flumpoolを結成
2008年 配信限定シングル『花になれ』でメジャーデビュー
2009年 デビュー1年で日本武道館公演を開催。年末にはNHK紅白歌合戦に初出場
2014年 ベストアルバム『The Best 2008-2014 「MONUMENT」』をリリース
2017年 山村氏が歌唱時機能性発声障害の治療に専念するため、12月から活動休止
2019年 地元・大阪でゲリラライブを開催し、再始動を発表
2025年 5年ぶりのオリジナルフルアルバム『Shape the water』をリリース

flumpoolのこれまでとこれからをインタビュー
【あのころの自分って?】20代後半から30代前半。それぞれに無理をしていた
サッシャ(以下、サ):こうして4人と一緒にお話できる機会って貴重! 今日はよろしくお願いします。さて、Oggiは働くアラサー読者がとても多い雑誌。20代前半にデビューして、一気にブレイクして、たくさんのヒット曲を続々と生み出して… みなさんはそのころ、どんなふうに過ごしていました?
山村さん(以下、山):僕は、「音楽で目立ちたい」「無難な生き方はしたくない」とどこか焦っていて。人と違う自分でいること、孤高でいることがかっこいいんだと変に尖っていました。たとえば、飲み会には全然参加しないとか(笑)。本当はそんなタイプじゃないんですけど。
尼川さん(以下、尼):俺も、無理して本来の自分じゃない姿を演じてるような時代だったかも。本当は山村のほうが社交的で、俺はインドア派なのに「芸能人の友達をつくる!」って飲み会に行きまくっていたり(笑)。
阪井さん(以下、阪):どこに行っても「ベースの(尼川)元気君と遊んだことあるよ」って言われてたわ(笑)。
尼:そのころって、3人でよくゲームやってたやろ?
阪:部屋の電気つけるより先にゲームの電源つけてたわ(笑)。
尼:自分はそんなメンバー3人の逆を行きたい、3人とは違うことをしたいと思ってて。今考えたら、小さなプライドみたいなものがあったんかな。無理して自分をつくってたから、しんどくなることもありましたね。

小倉さん(以下、小):僕は、flumpoolに追いつくために無理をしていたように思います。
サ:やっぱりプレッシャーは大きかったですか?
小:大きかったですね。ライブはいちばん楽しかったけど「間違えてしまったら」「ファンの方々が楽しんでくれなかったら」とネガティブなことを考えてしまったり。華やかな世界に来てしまったけど、地に足をつけないと… と毎日ずっとスタジオに入って練習し続けたり。
阪:俺もよく朝まで曲つくり続けたりしてたなぁ。23歳でデビューして、20代後半にかけて一気に世界が変わって。右も左もわからないまま、とにかく目の前にあるものをこなしていく… みたいな時期が10年くらい続いてた気がしますね。今となっては、それがよかったと思うんですけど。20代、30代、死ぬ気でやっててよかったなって。
サ:40代になった今は、無理はしなくなってきました?
阪:最近は自分を追い込まへんくなったというか、程よく〝あきらめる〟ようにしてます。無理に自分を追い込んでも、いいことのほうが少ないというか。スタジオに行って曲つくってても、まったく思い浮かばんかったら、1〜2時間ですぐ家に帰る! その分、いろんな音楽聴くとかインプットに時間を費やしたほうが新しいものが生まれるんで。
サ:がんばってつくったけど納得いかない曲ができちゃったとか、そういう経験ってあるものですか?
阪:いっぱいあります。起きてから聴いたら全然よくなかったとか(笑)。
山:曲づくりのあるあるやな。
阪:もちろん、自分を追い込むことでいいものが生まれることもあると思います。だけど、今のかたちのほうがスピード感も含めてよりいいものができてる気がしますね。
尼:それわかるわ。いい意味で、向き合いすぎないくらいがいいよな。

サ:たとえば、どんなことと向き合いすぎないようにされているんですか?
尼:グループと自分自身についてとか。〝flumpool〟と〝尼川元気〟は、切り離して考えたほうがいいんじゃないかと思うようになって。そのほうが発想もワンパターンにならないし、自分の変なこだわりにも囚われすぎなくて、バンドとしてもうまくいくな、と。これも20代、30代の経験から学んだことですね。でも、みんなそれぞれに無理してたんやな。
小:なんで昔の自分は無理ばかりしていたんだろう? と考えると、力の抜き方がわかっていなかったんだなって。無理をするのは悪いことではないけど、力を抜くのは大事。ドラムも、スティックをしばらく強く握ったまま叩くことで、力を抜いて叩く感覚がわかるようになるんですよ。
サ:へぇ〜! そうやって、ゆるめ方を学んでいくんですね。
小:そうなんです。力加減って、こうして理解していくものなのかなって。
サ:忙しさに追われたり、自分らしさに迷ったり… そんな経験も自分の糧になっていくわけですね。
山:日々の生活の中で摩耗していく自分はかっこ悪い… と、特に20代のころは自分の光の部分ばかり探していたんですけど、影のほうが自分らしいよなって受け入れられるようになりました。
【EP『ここからの歌』】「この先、どうしよう…」燃え尽きて生まれた視点
サ:先日リリースされた『ここからの歌』は、〝大人だってまだ途中なんだ〟という思いが込められたコンセプトEP。ここまで伺ってきたお話とも通じるものがありますが、どんな一枚ですか?
山:ここから踏み出す気持ちで、flumpoolの軸みたいなものをつくりたいなと。というのも、去年リリースしたオリジナルアルバムで燃え尽きてしまった感覚があったんです。活動休止とかコロナ禍とか、そういった紆余曲折の中で感じたものをギュッと凝縮したアルバムでした。30代のすべてを捧げた… そんな一枚ができたことで「この先どうしよう」と思ってしまって。

サ:山村さんの〝燃え尽き〟は、みなさんも感じ取っていたんですか?
尼:アルバムのできがすごくよくて、「最高傑作や」と山村が言っていたんです。それより上を目指すとなると… その気持ちもわからんでもないかなと。
山:「だれより輝くバンドになりたい」という憧れをもって進んできたけれど、それが前回のアルバムで燃え尽きて。大人になってみたら、なりたかった大人とは違っていた… みたいな挫折を感じたんです。でも、同じように感じて生きている人はきっとたくさんいる。だれもがSNSで発信できて、だれもが主役になれるような世の中だけど、実際の社会を生きてみるとそうじゃない。こういった葛藤を抱えている人がいるなら、そんな人が主役になれるような曲をつくりたいなと動き出しました。
サ:flumpoolは山村さんが作詞、阪井さんが作曲を担当されていますが、阪井さんはどんな曲づくりを?
阪:個性はあるけれど軸はぶらさず、flumpoolと相性のいい曲をつくろう、と。ジャンルも含めていろんな曲をつくりましたね。2か月で20曲くらい… 過去イチつくったんやないかな。
サ:そんなにも!
山:20代の勢いのある感じとは違うし、30代のどこか迷いをもっている感じとも違う。今のflumpoolの輪郭を見つけたい… ということで、それはもうたくさんつくってもらいました。

阪:僕は感覚で曲をつくるタイプなんですけど、山村はそれを冷静に見てるタイプで。ボクサーの僕はもうボコボコやのに、セコンドの山村は「まだいけるよな?」って次のラウンドに送り出すみたいな(笑)。でもそのおかげで、ふだんやらないものとか新しいものができたと思いますね。
サ:そんな曲たちを演奏していて、何か感じたものはありますか?
尼:バラードだったり、疾走感のあるものだったり、マイナーなものだったり… 色の違う曲を同時に出す。その意味や今のムードを感じましたね。
小:レコーディングをしていて感じたのは、(阪井)一生のアレンジへのこだわりがより強くなっていったこと。「こう演奏してほしい」っていう注文があるだけじゃなくて、「ここをどうしたらいいかわからないんだけど…」「じゃあここにシンバル足す?」なんてやり取りがあったり。
サ:自分では思いつかないことを、メンバーが肉付けしてくれる。それはバンドのよさですよね。
阪:本当にそうですね。ベースもドラムも僕にはできないし、知識もやっぱり違うし。考えるフレーズひとつとっても、ギタリストとベーシストでは違いますから。

【20周年に向かって】安定をあえて崩してでも、前に踏み出していきたい
サ:そうやってEPをつくりあげていって、バンドの輪郭やこれからの姿は見えてきました?
山:僕たちの根っこみたいなものを張れたと思いますし、大人になった自分たちにできること、自分たちにしかできないことに対するひとつの答えを音楽にできたかなと思います。
サ:そうした曲も含めて、自分の生きる意味や自分らしさを探している人生の後輩たちにアドバイスを送るとしたら?
山:自分らしさを探して葛藤したり挫折したりすることは、決してネガティブなことじゃないと思うんです。大事なのは、それをきっかけにして行動を起こすことなんじゃないかなと。こうして音楽に変えたり、言葉にしたり… そこから自分の足で進んでいくことを大切にしたいですよね。
サ:では最後に、これからのflumpoolについて教えてください。2年後にはデビュー20周年も迎えますよね。
山:10周年と活動休止のタイミングが重なってしまっていたので、20周年のアニバーサリーはすごく意識しています。バンドとしては中堅。安定していると思われがちなんですけど、20周年に向かって、あえてバランスを崩してでも前に踏み出していきたいと思っているんです。
サ:ふつうなら安定を求めてしまうし、変わっていくのは怖い。歳を重ねてからそれができるって、かっこいいですね。
山:こういうことをチームでできるのは、すごくいい状況なんじゃないかなと思います。同じ価値観、同じ個性でチームをつくってもそれは面白くない。いろんな人がいて、いろんな働き方があって、だからこそすばらしいものを生み出せる。この18年で僕ら自身が感じてきた、そういった喜びやすばらしさを表現できたらいいですね。それがflumpoolというバンドのやりがいなんじゃないかと思います。
サ:肩の力が抜けて、一皮も二皮もむけて大人になった〝ここから〟のflumpoolを楽しみにしています。
Concept EP『ここからの歌』大好評発売中!

「大人だってまだ途中なんだ」という彼らの実感を込めた、Concept EP。新曲3曲に加え、1月にYouTubeにて公開された『スノウゴースト(Special ver.)』の音源を収録。【通常盤】¥1,650(ユニバーサルミュージック/A-Sketch Lab)
【衣装】[山村さん分] ジャケット¥169,400・パンツ/参考商品(スタジオ ファブワーク〈シーク ヤブーティ〉) ネックレス¥40,700(プリュイ トウキョウ〈プリュイ〉) [尼川さん分]〝マナベ〟のジャケット¥91,300・〝キクス ドキュメント.〟のパンツ¥37,400・〝オポジット オブ ブルガリティ〟の靴¥16,500(HEMT PR) [小倉さん分] パンツ¥60,500(スタジオ ファブワーク〈シーク ヤブーティ〉) [サッシャさん分] ジャケット¥220,000(リングヂャケット マイスター 206 青山〈リングヂャケット マイスター〉) その他/スタイリスト私物
スタジオ ファブワーク 03-6438-9575
HEMT PR 03-6721-0882
リングヂャケット マイスター 206 青山 03-6418-7855
2026年Oggi8月号「働く私にMusik」より
撮影/嶌原佑矢(UM) スタイリスト/本庄克行(b.N.m/flumpool分)、久保コウヘイ(サッシャさん分) ヘア&メイク/菊地倫徳(flumpool分)、塩田勝樹(Sui/サッシャさん分) 構成/旧井菜月
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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