エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
ファッション業界の第一線で長く活躍するまりりん。端的にいうとめっちゃ気が強く、年齢を重ねるにつれ存在自体の圧も強くなる一方で、当然Oggi世代の女性たちからは怖がられています。

▲まりりん(仮名) アラフォー/ざっくりファッション業界の人
詳しくは書けないけれどファッション業界でバリバリ働くアラフォー。独身、バツなし。俳優の松下由樹さんを彷彿させるルックスで、女性っぽさを抑えたファッションを身にまとい「男に媚びない生き方」を信条とする〝一見〟姉御肌。
人間観察File.22|伝説の信楽焼タヌキ
人間性自体は悪くなく、実は心の奥底にはかわいい乙女を住まわせていることを知る私は、「そんなにトゲトゲしないでもう少しソフトに接したほうが…」的な助言をしたいと思いつつも、実物を前にすると怖くて面倒くさくてできません。
そんなまりりんから「前世が見えるゲイのマスターがいろいろ見てくれるバー」に誘われ、怖いもの見たさで行ってまいりました。お酒が弱い彼女は、うっすいカクテル一杯でできあがり、自分語りが止まらない!
「私もさぁ、若いころは女を使ったけれどなんちゃらなんちゃら」
えーーー! 心の中でいろいろな意味で「そんなバナナ」と思いつつ聞き役に徹していましたが、やっとマスターのリーディングの順番が回ってきました。マスターは鋭い視線でまりりんをロックオン! そして数秒後、「前世はね、タヌキ、タヌキだったのよ。滋賀県の信楽で生まれた愛嬌いっぱいのかわいい子が見えるわ」。
まりりん、焼き物だったのか…。いたたまれない空気に耐えきれず「そんなバナナ! ダイキリ!」とおかわりをオーダーして余計に場をフローズンさせたのは私です、ごめん。
2025年Oggi10月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部
Oggi編集部
「Oggi」は1992年(平成4年)8月、「グローバルキャリアのライフスタイル・ファッション誌」として小学館より創刊。現在は、ファッション・美容からビジネス&ライフスタイルテーマまで、ワーキングウーマンの役に立つあらゆるトピックを扱う。ファッションのテイストはシンプルなアイテムをベースにした、仕事の場にふさわしい知性と品格のあるスタイルが提案が得意。WEBメディアでも、アラサー世代のキャリアアップや仕事での自己実現、おしゃれ、美容、知識、健康、結婚と幅広いテーマを取材し、「今日(=Oggi)」をよりおしゃれに美しく輝くための、リアルで質の高いコンテンツを発信中。
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