幅広い活動で多忙な杢代和人さんにとって「グループ業は“家”」
――ドラマ『私たちが恋する理由』の印象的なエピソードを教えてください
座長である菊池風磨くんのおかげもあり、現場は常に笑顔が絶えない状態でした。風磨くんが話すことすべて面白いですし、必ず笑いが生まれる。一緒のシーンでは、優しくいじってくれることも多々ありました。それに対して僕もツッコミを入れたりして、ずっと笑いながら撮影していたなと思います。ピリピリとしたムードになることがなく、(菊池さんは)お忙しいはずなのに、笑いが絶えない現場の空気作りをしてくださいました。
――原作を読んだ時から大好きだったという伊丹役ですが、原作を意識しながら演じたりはしていたのですか?
伊丹は結構、飄々としている人物ですが、黒澤さんに対しては「好き」、葵さんに対しては、「意識」という立ち位置で表情の変化をつけています。葵さんといる時の伊丹より、黒澤さんといる時の伊丹の方が、初々しさだったり、生き生きしている、ということは意識しました。
――伊丹はすごく今どきの男の子だと思いますが、その点はご自身で演じていていかがですか?
本当に今っぽいですよね。伊丹と僕が年齢的にも近いということもあり、肩の力を抜いて演じられています。アドリブとかもスラスラ出てくるんです。僕自身が原作を読んだときから伊丹のことが好きだったので、人物像をすぐに掴めたからこそ、演じる上でも楽しく演じることができたんじゃないかなと思います。
――そんな中、伊丹のここが理解できない、ここは共感できるという部分はありますか?
共感できないところ…(しばし悩んで)もしかしたら少ないかもしれません。僕も伊丹のような感じで飄々としているので、似ているところが多いなという印象です。先輩に対して時と場合に応じて敬語とタメ口をいったりきたりしてるところも、僕とそっくりだなと思っていて、すごく演じやすかったです。
――もうひとつご出演中のドラマ『3年C組は不倫してます。』は、かなり難しい役どころだったと思いますがいかがでしたか
本当に難しかったです。伊織に共感できることが少なくて…。演じていてもずっと「なんでだろう」という疑問ばかりで、最初から最後まで監督と丁寧に話し合いながら演じていました。
――手探りで伊織を演じる中で、どのあたりを注意していたというのはありますか?
やっていることは、不倫という認められないことではありますが、まっすぐな気持ちで蒼を愛しているということはしっかり見せたかったので、キュンシーンや青春カットは、心の底から楽しんでいる様子を表現するように意識していました。
――ちなみに、現在両方のドラマが同クールに放映されていますが、撮影期間は被っていたんですか?
ほぼ同時進行で撮影していました。
――演じ分けるときに頭がこんがらがることはありませんでしたか?
1日でどちらの現場もあることもありました。そのときはめっちゃダウナーな人から、めっちゃハイテンションな人への切り替えになるので、僕自身もびっくりしていました。
――役のスイッチの切り替えはどうしていたんですか?
僕がやらないと誰もできないから、頑張るしかないという気持ちで切り替えていたような気がします。
――物語の中心人物として、『3年C組』の現場ではキャストのみなさんとどうコミュニケーションをとっていましたか?
何気ない話をいろいろとしていました。ゆうたろうくんとは洋服の話をしたり、莉子さんとは今回で3回目の共演なのでたわいもない話もしてましたし。(秋田)汐梨さんとは同じ事務所ということもあってよくお話していましたし、(田中)美久さんは陽気な方なので、みんなでツッコみを入れながら話したり。控室でも、みんなの空気は良かったと思います。同世代が集まっているというのもあり、作品は重ための内容ですが、僕たちは仲良く過ごしていました。
――俳優としても、「原因は自分にある。」としてアーティストとしても多岐にわたってご活躍ですが、音楽と俳優の切り替えは意識していますか?
もう、グループ業は“家”という感じです。僕の根本にあるものなので。逆に、俳優業は“自分の挑戦”ですね。外仕事の時は自分一人ですが、グループ業ではメンバーがいて安心してます。
――俳優としては、今後どんなことをやってみたいですか?
月9にいつか出演してみたいです。僕が子供のころから観ていて今でも印象に残っている作品も多いので。あとは、映画にもっと出演できるように頑張りたいなと思います。面白い作品にたくさん出会っていきたいです。
――今興味があるのはどんなジャンルですか?
結構幅広く観ていますが、映像技術が上がってきていることもあり、実写作品に興味があります。日本のアニメや漫画はすごく人気のあるコンテンツなので、日本だけでなく、世界にも届けられる力があると思うので、僕も今後も漫画原作の作品に参加できたらと思っています。
――音楽活動では、アリーナライブ、クリスマスライブとイベントが続きますが、注目ポイントや意気込みを教えてください。(アリーナライブ前に取材をしました。)
11月17日のぴあアリーナ公演から「原因は自分にある。」が進化します。なんかもう… 駆け上がる準備は整った!」という姿を見せていきたいと思います。
――この先グループ活動として目指すところは?
メンバーが7人いますし、人によって目標は分かれると思いますが、僕の中にひとつ明確にあるのは、「国民的なグループになること」。会場の大きさで示すのは何だか漠然としている気がしますし、それよりも僕がなりたいものって何だろうと考えたときに、やっぱり国民的なグループ、アイドルになりたいということでした。僕が憧れているのは、木村拓哉さん。まさに国民的と言われる人やグループになりたいです。
――目指すべき目標に向かって、これからご自身がすべきだと思っていることはどんなことでしょうか
俳優としてもアイドルとしても活動しながら、たくさんの方に知って頂き、みなさんに認めてもらえたらうれしいです。そして、今後も何事にも挑戦し続けていくこと。バラエティにも挑戦してみたいですし、“僕にはこれしかしない”と決めつけずに、いろいろなことに挑戦してみることで、ハマることがあるかもしれないし、自分の可能性を広げていけたらいいなと思います。
杢代さんをもっと知るためのさまざまな質問!
――お仕事前に必ず行うルーティンは
なんだろう…あ!歯磨きです。
――仕事をする上で大事にしていることは
「妥協しない」「自分のポテンシャルを理解する」「人と会ったときにできる限り笑わせる」の3つです。以前母が交通事故に遭い、自宅にいないことがあったんです。そのときに生きていく中で「生半可なことはできない」と思い、明日何が起きてもいいように生きようと思うようになりました。だから我慢もしないし、全力を出して、出し惜しみしない。そう意識しています。
――お仕事で初めて会う方もいると思いますが、そういう方にも?
全然、グイグイ行きますね。人見知りせずに。
――もともと人見知りしないタイプですか?
全然しませんし、グイグイいけます。もちろん、さすがに空気は読みます(笑)。でも、グイグイいかずとも少しずつ歩み寄っていきますね。
――ご自身のことをどんな性格だと思っていますか?
僕は中学生みたいな性格です! 好奇心旺盛で、好きなものがあればとことん調べたくなりますし、逆に興味がないものはあまり手をつけられない。その差は激しいかもしれません。でも、目標を立てると絶対にそれに届くまで頑張る熱意はあるので、結構芯があるんじゃないかな。あと、なんと言っても、僕は優しいです!
――堂々と自分のことを“優しい”と言えるのはすごいと思います!
本当ですか? (満面の笑みで)ありがとうございます! 僕は人に優しくされてきたから、優しくしないということがわからないんです。たまにいるじゃないですか、嫌味を言ったり、無視をしたりする人。でも、相手に対してそういうことをする意味ってなくないですか? もしかしたら明日、自分に何かが起こるかもしれないし、いつ自分に何があってもいいと思えるように真っ直ぐに生きています。
――先ほど「好きになったらめちゃくちゃ調べるタイプ」とおっしゃっていましたが、最近めちゃくちゃ調べたことはありますか?
時計です。僕は洋服とかが結構好きで見ているんですが、時計に興味がなかったのでひとつも持っていないんです。でも、今年20歳になり、大人の男性へのステップアップには時計だな!と。調べ始めたらもう止まりません、面白くて。いろいろなアイテムを見ました!
――今気になっている時計は?
うわ~! 本当にいろいろあるんですが、カルティエの『サントス』は、とても素敵な時計ですし名作だなと思います。あとはロレックスの『デイトジャスト』はきれいめだからつけやすいか、と思っています。パテックフィリップの『ノーチラス』とかも素敵ですし…。
――それをどれにしようかと考えている時間も楽しいですよね
そうなんですよ! この時間が楽しいんですよ。だって、欲しいと思っているものがあっても、それより良いものが存在するかもしれないんですよ。それを見つけたくないですか? 絶対に。
――どんなものも掘っていくと情報が無限にありませんか?
本当に無限! でもとにかく探します。ヴィンテージのアクセサリーを探したときも、めちゃくちゃ情報をチェックしました。服じゃなくても、漫画もそうだし、気になったニュースも「こんなことあったんだ~」で終わらせず「こういうことがあったから、こうなったんだね」と、全容がわかるまで調べないと嫌なんです。
――落ち込むことはありますか?
落ち込むことはないですけど、気分がダウンしているなと思ったときは、今日みたいに取材で写真を撮っていただいて、カッコいい写真があると元気になります。「あ~良かった、カッコよくて」って(笑)。
――基本、思考がポジティブなんですね
すごいポジです。
――そうなるとお聞きしたいのがMBTIです
ESTPです。起業家。めちゃくちゃ「E」です。いい意味でも楽観的ですね。人生の軸が「明日死んでもいい」と思って生きているので。逆に言うと我慢ができないタイプです。
――真逆の「I」からすると、杢代さんが眩しいです(笑)
「I」なんですか? こっちに連れてきちゃいますよ!来い、来い、来い、来い!(と満面の笑みで手ぐすね引く杢代さん) でも、「I」には「I」の魅力がありますよね。
――では、ご自身がすごく幸せだなと思う瞬間は
ライブですね。すごく幸せを感じます。あの幸せがあるから、厳しいリハーサルも全部乗り越えられる気がします。『仮面ライダーギーツ』の撮影が終わった後、久々にライブでステージに立ってファンのみなさんを見たときに泣きそうになったんです。多分、感謝や愛、ここにいて良かった、生きてて良かったって思ってるからなんだろうなと。とてつもない多幸感に包まれる瞬間で、すごくありがたいことだなと思っています。しかも、ライブはファンのみなさんも幸せになってくれますよね。こんなありがたい職業はないなと思います。
――やっぱりステージから見える世界は違いますか?
違います!輝いてますね。
――満席のぴあアリーナを見たら泣いてしまいますか?
泣きそうにはなると思います。めちゃくちゃ感動すると思いますけど、メンバーにとも話しているんですが、もうこの先僕は泣かないと決めてます。次にもし泣くことがあるとしたら、(東京)ドームのステージに立ったときかもしれません。なんでかと言うと、初めてのぴあアリ公演で僕、泣いたんです。すごい感動が溢れて。だからまた泣いたらかっこ悪いですし、次はドームで!と思っています。それまで涙は我慢です(笑)
――ご自身にとって宝物は
ファンの皆さんですね!ファンの皆さんがいるから、僕たちは活動できる。僕たちが活動して、幸せになってくれる。共に生きているこの関係というのは、とても奇跡だと思いますし、いつ出会ったかは人それぞれだけど、でも、今を一緒に共有している瞬間がとても好き。ファンのみなさんは大切な存在で宝物です。
――ちなみに、エゴサはしますか
します!(笑)でも、自分に優しいものしか目に入れないようにしています。だって、自分の人生だから。
――最後に、ご自身を象徴するキーワードをひとつ教えてください
「自信」だと思います。漠然と夢を叶えてやるという自信もあるんです。夢っていくつでももっていていいと思うんです。僕もいろいろな夢や欲しいものがあるけれど、その全部を叶えるという目標が行動力になるし、それを叶えられる器だと思っているので、その自信をもって活動しています。
――すごい!20歳ですよね?
はい、まぎれもなく20歳です! 風磨くんと出会って、自分の考え方も変わりました。「やりたいことを全部叶えなきゃ」とおっしゃってたんです。本当にその通りだなと思いました。全部叶えなきゃスターじゃないなと思って。だから「全部叶えられる人」という気持ちでいます! 思うようにすることは自分の自由だから。
取材MEMO
とにかく明るくてポジティブな杢代さん。初対面とは思えない程の距離感でたくさんお話ししてくださり、インタビューは大盛り上がりに。特にMBTIトークではお渡ししたOggiを読みながら感想を述べてくださるひと幕も。カメラの前に立つとリクエストに完璧に応えてくださり素敵なカットの嵐となりました。
杢代和人
2018年に公開された、ショートムービー『あの空の向こうに〜夏雲〜』に主人公の弟役に大抜擢され俳優デビュー。NTV『FAKEOTION -たったひとつの願い-』(21)にてドラマ初出演を果たす。現在は、ダンスボーカルグループ『原因は自分にある。』のメンバーとしても活動中。主な出演作は、テレビ朝日系『仮面ライダーギーツ』(22-23)、テレビ朝日系『君とゆきて咲く~新選組青春録~』(24)、読売テレビ『降り積もれ孤独な死よ』(24)、現在放送中のテレビ朝日系 オシドラサタデー「私たちが恋する理由」で伊丹瑞貴役、日本テレビ系 ドラマDEEP「3年C組は不倫してます。」で橘伊織役を熱演。