エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
私が身を置く業界は「クセあり人間」の宝庫です。「クセ」とはある意味「強めの個性」なので、クリエイティブな仕事には不可欠なのかもしれません。
第11回は、ジムで知り合ったイケメン営業マンのサトケン。年上女性たちにも自然に馴染み、ちょっとしたおやつを配ってくれたりと気のいい人なのだけど、最近おやつから別のものに変わったことで問題が…。
▲サトケン(仮名) 34歳/製薬会社勤務
新卒で大手製薬会社に入社して以来、営業ひと筋。「鈴木亮平似の和み系イケメンの皮をかぶった大阪のおばちゃんキャラ」で泥臭い営業スタイルを貫き、ここ数年トップの成績を収めている。独身バツなし、私生活はミステリアス。
ギフトしたいマン
一般的に「魑魅魍魎の世界」と言われる女性誌業界に長年身を置いてきた私。確かに華やかな部分もある世界なので、その分、常に謙虚であること、感謝の気持ちを忘れないことを心がけてきました。
そう、「ありがとう」は幸せを引き寄せる魔法の言葉! うぅ、だけど最近どうしても、演技をしなければ「ありがとう」を言えない事案が頻発。
私に「感謝の気持ちを忘れさせよう」と働きかけてくるのは、ジムの知り合い、いわゆる「ジム友」のサトケン。30〜60代の女性が9割以上を占めるレッスンにも違和感なく溶け込む感じのいい青年です。
ですが、顔を合わせるたびに「気持ちばかり」というシールが貼られた「包み」をくれるのです。だいたいがチョコやあられが入ったおやつセット。
まあ、ありがたく頂いてきたのですが、最近、アクリルキーホルダーを自作することにハマっているらしく、愛犬のトイプーくんや大谷翔平選手のデコピンといったワンワンを加工したキーホルダーを続々生産。
いや、かわいいのだけれど、よそさまのワンコにはあまり興味がないのよ。っていうか、そもそも微妙なキーホルダーは要らんのよ。とは言えずにいたら、今度は推しのワンコのアクリルキーホルダーを持ってきたよー(涙)。
「ごめんなのだけれど、正直、使わないと思うの」ときっぱり言うべきでしょうか? 心が痛みますがとりあえず、小さなお菓子などの「お返し」をストップしてみます。
2024年Oggi11月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部