エディター・岡村佳代が出会った、あんな人やこんな人…
私が身を置く業界は「クセあり人間」の宝庫です。「クセ」とはある意味「強めの個性」なので、クリエイティブな仕事には不可欠なのかもしれません。
第10回は、銀行に勤めていたこともある“きっちりした性格”の沙羅ちゃん。いつもきっちりしている彼女だけど、遅刻魔という一面も。その遅れてくる理由が天才的なんです…!
▲沙羅ちゃん(仮名) 29歳/ネイリスト
ネイル好きが高じ、新卒で入社したメガバンクを3年で退職してネイリストへの道へ。専門学校で技術習得後、自宅近くのサロンに就職。現在はアロマテラピーの勉強中で真面目に多角的に美容道を追求している。交際2年目の彼氏と来春結婚予定♡
憎みきれない遅刻魔女
ワンコのお散歩をしているといろいろなお友達ができるのですが、ネイリストの沙羅ちゃんもそんな「ワン友」のひとり。ときどき予定を合わせてカフェなどに出かけています。
銀行に勤めていたこともあるA型の沙羅ちゃんは、犬の躾もきっちりしていて一見「ちゃんとした人」。なのですが、なぜか時間を守れない!
アラサーといういい大人がね、遅刻ばかりするのは失礼だと思うのですが、なんだかんだ笑って許してしまうのは、毎度毎度の遅刻の理由が天才的だから!
最初の遅刻は20分ほど。初めての約束にしてはまあまあのやらかしではあったのですが、「ごめんなさい! 出がけに金縛りにあってしまって」というメッセージに脱力。
以降、「玄関前でセミがジタバタしているので葬らせてください」とか、「迷子みたいなおじいちゃんが道端に佇んでいるので交番に送ってきます」などなど、毎回豊かなクリエイティビティを発揮!
そう、私はそれらは創造されたものだと知りながら許してきた、つもりだったのですが、ある日ふたりで通りがかった近所の交番の前で、おまわりさんに声をかけられた沙羅ちゃん。
丁重に先日のお礼を言われて、警視庁のマスコットキャラ・ピーポーくんのグッズを贈呈されていました。実話だったという衝撃!
次はどんなことが起こるかワクワクしながら、以降10分サバ読んで待ち合わせ時間を伝えまーす。
2024年Oggi10月号「クセあり人間観察ファイル」より
文/岡村佳代 イラスト/平松昭子
再構成/Oggi.jp編集部