デコカルチャー全盛の今、文具人気は最高潮に。2024年の文具トレンドを予測!
2017年の初開催以来、話題を呼ぶイベントに成長した「文具女子博」。先日はパシフィコ横浜にて過去最大級の規模で行われ、「Welcome!文具ティーパーティー」をテーマに70,000点以上のアイテムが集って大きな盛り上がりを見せました! 「開催中ずっとここに泊まりたーい」なんて声も聞こえてきたほど、文具好きにとっては夢の世界。さらにその場で購入できるものうれしくも危ないところ。気づいたら数万円も文具を買っていた、なんて思わぬ罠も(笑)
さて、デジタル化されるものが多くなっている今、逆に注目が集まっているアナログな文具ですが、それを牽引しているのが手帳デコブーム。手帳といってもスケジュール管理ではなく、日々の記録や趣味などをカジュアルにまとめるライフログがひとつのジャンルとして定着してきているそうです。
そんな手帳デコ、人気を牽引しているのは韓国。K-POPの推し活でカードデコがスタンダードになり、それが手帳に波及したのでは…というわけ。ショップやネットで韓国の文具も手軽に買えるようになっていますよね。文具女子博でも韓国のアイテムをたくさん見かけました!
シールやマステはデコに欠かせないマストアイテムとして確固たる人気ポジションを確立しているので、今回はそれ以外のアイテムからトレンドを分析。5つのトピックスをお届けします。
【1】デスクやペンケースに欠かせないあの定番文具が進化中!
いつも使う定番の文具。マイナーチェンジはよくありますが、今や大きく進化を遂げていることに驚き! 使いやすさをちゃんと押さえながら、一石二鳥の便利さやコンパクトなサイズ感、ちょっとしたトキメキ感を盛り込んだ姿にパワーアップ。これは働く世代はかなり気になるアイテムだわ!、ということで目に留まった3点を紹介します。
ひとつめは、ハイブリッドな「2Way携帯ハサミ ハコアケ」。モードが変わるスライドがついていて、カッターにもハサミにもなるスグレモノです。名前に「開梱」がついているように、ハサミにして紐を切りカッターでガムテ部分をカットできるから、ダンボールを開けるときにめちゃくちゃ便利。もちろん普通に紙を切ることができるので、これひとつあればカット作業はOK。宅配便がよく届く家では、玄関に置いておくのもおすすめです。
こちらは文具女子アワード2023の胸キュン便利賞受賞アイテムの、スティック型ホッチキス「モティック」。ペンケースに入れていても邪魔をせず、ペンスタンドにもすんなり収まるナイスなデザインです(オフィスでよく使われる従来型のホッチキスはペンスタンドのフチに引っ掛けますよね…)。今っぽいくすみカラーもGOOD! さらに、こんなにスリムなのに、よく使われるホッチキス芯のブロックが2個も装填できるのだとか。ホッチキスを頻繁に使う人は要チェックです。
香り付きペンは多々あれど、「これは新しい!」と思ったのが、インキに天然精油を配合したボールペン「ILMILY ハーブの香りつき」。文字を書くと爽やかな香りが立ち上ってくるペンで、ゼラニウム、ペパーミント、ラベンダー、イランイランの香りの4種を展開。ゲルインキ・0.5mm芯のなめらかな書き心地で仕事が進み、ハーブの香りでリフレッシュできそう。インクの色は黒オンリーですが、ボディカラーはアロマオイルの遮光瓶をイメージしたグリーンとブラウンの2色。働き女子たちに、ぜひ使っていただきたい逸品です。
【2】YouTubeでもバスり中! 話題沸騰のシーリングスタンプ
会場を巡って驚いたのが、シーリングスタンプの出店が多かったこと。シーリングスタンプといえばワックスを使って手紙の封をするために直接押すもの、という認識の人が多いと思いますが、今はスタンプそのものを作ることが人気です。
ワックスの色配合や出方、ヘッドの押し方でそのときにしか出会えないオンリーワンのスタンプができることが、シーリングスタンプの魅力のひとつ。ワックスが固まってからヘッドを剥がすときの「ベリッ」という音もASMRとして需要があるようで、YouTubeではシーリングスタンプのチャンネルが流行中!
会場ではさまざまなカラーのワックスをはじめ、たくさんのヘッド、ワックスの溶解炉などがずらり。炉といくつかのワックス、ワックススプーン、ヘッド、ハンドル、スタンプパッドなど、とりあえず必要なものを組み合わせたスターターキットも人気でした。
ワックスの溶解炉はキャンドル熱源タイプと電気熱源タイプがあります。キャンドルタイプはすぐに温まってワックスの溶解が速いですが、火を使うためちょっと危険。電気炉は温まりには少し時間がかかるけれど、キャンドルに比べて安全。選ぶのは人ぞれぞれですが、見ていていいなと思ったのはビッグサイズの電気炉。こちら、ワックススプーンが3つ置けるようです。いろんなカラーのワックスが一気に溶かせて便利そう!
【3】デコにも大活躍! 多種多様のスタンプたち
デコカルチャーで定番になったシールやマステに加え、最近注目を集めているのがスタンプ。今はインキがついていて押すだけのタイプが多いのかと思ったら、スタンプ台のインクをつけて押すシンプルでアナログなタイプが意外にもたくさん。
文具女子アワード2023の優秀賞を獲得した「ジャポニカ学習帳スタンプセット」は、みんなが知っているジャポニカ学習帳の表紙デザインのフレーム部分と、中のモチーフ部分がそれぞれ別のスタンプになったセット。だから、フレームスタンプはグリーンのスタンプ台を使って、中のモチーフスタンプにはピンクのスタンプ台を使う、という使い方もできちゃう。フレームスタンプだけを使い、中にイラストを描く使い方も◎。
ダイヤルを回転して柄を切り替え、ラインで押せるシヤチハタの「回転デコレーションスタンプ わたしびより」も面白い。これひとつで13もの柄が押せるから、使い方次第でデコのバリエが広がりそう。さらに、いろんなジャンルの柄が入っているいいところ。「植物だけ」「動物だけ」「フードだけ」などなどジャンル分けされていたものが、ひとつにミックスされているんです。いろんなジャンルの柄を押したいなと思ったら複数個買わないといけなかったのが、これひとつでアイディアが膨らむって素敵!
ライフログに使えそうなレトロな柄やクスッと笑える遊び心のある柄のものをたくさん見かけました。シートになっているクリアスタンプは、いろんな柄があってリーズナブル。コラージュでも活躍しそうです。
【4】カスタマイズが楽しいインクの世界
ペンのインクやスタンプ台のインクのバリエーションもたくさん! 色とりどりのインクもやはり、デコカルチャーの定着を受けてのことなのかも。字を書く、というだけでなく、カリグラフィーや飾り文字を楽しむためのものになっています。
インクをつけて書くガラスペンの人気上昇からか、もともとのペンにインクをつけて書くと途中で色が変わってグラデーションみたいになる使い方も斬新。水につけて書いたり、違う色のペン先を合わせて色をミックスしたりする方法も。アートやデコには、こんな筆タイプのペンがマッチしそうです。ちなみに上の写真のペンは「マイルドライナーブラッシュ」、インクは「マイルドライナーのもと」。
スタンプ台のインクもなかなか興味深かったです。上の写真は真っ白なスタンプパッドに自分の好きな色を垂らしてオリジナルのスタンプ台を作る「いろづくり」。ほかには、その土地の風景を色に落とし込んだご当地オリジナルインクの展開など、カスタム要素が盛り込まれたものが目をひきました。
ペンの色やインク、スタンプ台を見ていて思ったのが、ふわっと曖昧なニュアンスカラーが多いこと! 代表的だった2アイテムを紹介しますね。
「カラー筆ペン アートブラッシュ セット」にはバーガンディ、エメラルドグリーン、ペールブラウン、ライムグリーン、コーラルピンク、バイオレットの絶妙カラーが6色。筆ペンなので毛筆風に書いてみましたが、うーん、このインクの出方はアートっぽい使い方がマッチしそうです。
日本の伝統色スタンプ台「いろもよう わらべ」に新しく加わった、「いろもよう 淡彩 わらべ」。薄桜色や瓶覗色(かめのぞきいろ)などほのかに色づく淡い色合いだから、スタンプした上から文字や絵が描けるような背景カラーとして活躍しそう。スタンプインクとして使えるだけでなく、このスタンプ台をそのまま押しても主張しすぎなくてよさそう!
【5】懐かしさにキュン♡ 引き続きのレトロブーム!
とにかくたくさんあったのが、クリームソーダのアイテムたち。数年前から流行していましたが、この流れはまだまだ続きそう。昭和のテイストあふれるレトロ喫茶も人気ですし、世の中的にもなんだか懐古ブーム。
おちゃめでキュートな味わいは大人世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映るようで、親子で盛り上がっている来場者も見かけました。見ているだけでワクワクするレトロ文具、撮影してきたものを一気見せします!
以上、文具女子博のレポをお届けしました。気になった文具はありましたか? 使うとテンションが上がり、会話の糸口にもなる文具。ネットで買えるものもたくさんあるので、ぜひ検索してみてくださいね。
文/斉藤裕子