【スタイリストが解説】レーヨンってどんな素材？
美しい艶や発色のよさから、さまざまな洋服に使われているレーヨン。衣類はもちろん、寝具や不織布、インテリアなどにも活用されています。今回は、そんなレーヨンの特徴やメリット、デメリットについてスタイリスト・城長さくらさんに聞きました。
レーヨンの特徴
レーヨンは木材パルプや綿などの天然素材を原料にした『再生繊維』。そのため、ポリエステルやナイロンといった石油からつくられる「合成繊維」とは特性が異なります。加工処理で自然に還元することができる点も大きな違い。滑らかな肌触りや美しい光沢が魅力のレーヨンですが、かなりデリケートな素材なので、お手入れに気を使う必要も！
名前の由来
「素材に艶があるため、『光線』という意味の（ray）と『綿』の（cotton）を組み合わせてレーヨン（rayon）になったそう。綿を原料にした光沢のある素材ということのようです」（スタイリスト・城長さくらさん 以下「」同）
レーヨンのメリット
衣類に限らずインテリア用品にも多く使用されるレーヨン。その魅力はどこにあるのでしょうか。
【ユニクロ】体型カバーもできちゃう♡ 万能レーヨンブラウス〈アラサースタイリスト城長さくら発〉
1.艶があり高級感が出る
「上質な光沢感が特徴的で、シルクのような艶を帯びた質感を楽しめます」
2.美しいドレープ
「柔らかい繊維なので、身につけたときに美しく波打つドレープが生まれます」
3.通気性と吸湿性が高い
「通気性と吸湿性に優れているので、一年を通して活躍する素材。スカートやパンツの裏地に使われることもあります」
4.シルクより安価
「レーヨンはシルクと似た特長をもちながら手頃な値段で購入できるため、いろいろな衣類に使用されていますね」
レーヨンのデメリット
メリットの多いレーヨンですが、お手入れしずらい一面も。どんなデメリットがあるのかもしっかり確認しておく必要があります。
1.水に弱い
「レーヨンの原料は木材パルプなので水に弱い特性があります。水に濡れると繊維が膨張し、繊維どうしが引っ張り合うため、縮んでしまうことも」
2.洗濯しづらい
「水に濡れると強度が下がり、しわが残りやすくなります。また、洗濯機で長時間水に浸けたり脱水で力を加えると繊維に負荷がかかり、痛みの原因に。家庭での洗濯は手洗いが原則なので、洗濯しずらいアイテムと言えますね」
3.熱に弱い
「レーヨンは熱に弱いため、アイロンをかける際は絶対に中温で！ 高温でかけると繊維が変質し、滑らかな質感が失われてしまいます涙」
レーヨンのお手入れ方法
美しい艶や滑らかな質感をキープするためにも、特性に合わせた正しいケアが必要。必ず守りたい3つのポイントをご紹介します。
乾燥機は避ける
「熱に弱くシワにもなりやすいので、乾燥機は絶対NG！ レーヨンは手洗いが基本ですが、洗濯機洗いOKな場合は、洗濯ネットに入れておしゃれ着コースで洗うことをおすすめします」
アイロンをかけるときは当て布を
「高熱を加えると質感が変わってしまうので、当て布をして中温でかけるようにしましょう」
日陰干しがベター
「直射日光に当たると変色したり繊維が痛む可能性があるため、風通しのよい日陰に干してくださいね」
レーヨン素材を使ったファッションアイテム
その美しいドレープから特にブラウスなどのトップスに使われることの多いレーヨン。トップス以外にも、ポリエステルなど他の素材をMIXしてボトムやインナーアイテムに使われることも。実際にどのような衣類に使われているのか、見てみましょう。
【ブラウス】
「艶っとしたブラウスはきれいめな印象にもなりますし、1点取り入れるだけでコーディネートにメリハリが生まれます。とろみのある女らしいレーヨンブラウスに、あえてヘルシーなハーフパンツを合わせるのもおすすめです」
【ユニクロ】体型カバーもできちゃう♡ 万能レーヨンブラウス〈アラサースタイリスト城長さくら発〉
【パンツ】
「上の写真は、ニット素材のジョグパンツ。ニットと言ってもレーヨン＆ポリエステルなので、シーズン問わずサラッとはけます。ジョグパンツのようなカジュアルなデザインのパンツも、艶のあるレーヨン素材を選べばラフさが軽減し、大人っぽく着こなせますよ」
オールシーズン履けて1枚あると重宝♡ 「ロングセラーパンツ」3選
【キャミソール】
「通気性、吸湿性に優れているので、インナーとしても着やすい素材。上のキャミソールはレーヨンにポリエステルとポリウレタンを混ぜた素材が使われています。下着として着るキャミソールにもよく使われていますが、艶があるので見せるインナーとしてもおすすめ。シャツ×レーヨンキャミのようなリラックスコーデも素敵です」
人気ブランドのブラ付きキャミソールを比較｜進化したブラトップのおすすめや選び方
最後に
華やかな艶や滑らかな質感を生かして、衣類や寝具などに多用されているレーヨン。一方、ケアの仕方によってはその美しい質感が失われてしまうことがわかりました。お気に入りのアイテムを長く愛用するためにも、その特性や正しいお手入れ方法を把握することが大切です。
監修者：スタイリスト 城長さくら
スタイリスト・望月律子氏に師事し、独立。シンプルなアイテムを色やシルエットの組み合わせでおしゃれに味つけするスタイリングで人気上昇中！ 現在は『Oggi』などの女性誌や広告、カタログなどで活躍の場を広げている。Instagram（@shiroosa）では日々のスタイリングを公開中。おしゃれのヒントが詰まった投稿はどれも見逃せない。
