YouTuberという天職と出合った、フワちゃんのお仕事論
いつもポジティブでハッピーなフワちゃんにも、答えが見つからずに迷った時期があった。けれどひとたび道が拓ければ、猪突猛進、スーパー前向き、そしてだれよりも思いきり楽しむ! ひとりの働く女性として語る、フワちゃんのお仕事論とは。
「YouTuber芸人・フワちゃん」の誕生
子供のときからクラスの人気者。大学在学中に友人のギャルから芸人になることをすすめられ、養成所へ。その後、コンビを組んでデビュー。「YouTuber芸人・フワちゃん」は、こうして誕生した。その後、コロナ禍で始まったリモート出演がハマって露出が急増し、以降の活躍は、だれもが知るとおり。
芸人の世界から、自分が活躍できるステージへ
「私自身、もちろん面白いって自信があったから芸人になったんだけど、いざ芸人の世界に飛び込んでみたら、ネタはできないし大喜利も無理。トークだってうまく話せなくて、パニックになっちゃった。学校でもバイト先でも、どこに行っても私は面白いはずなのに、なんでうまくいかないんだろうって、全然答えが出なかったの」
「これが天職!」YouTuberへの転身
「その後、事務所をクビになったりいろいろ重なって、なんだかんだでYouTubeを始めたんだけど、それが大ハマり! 初めて動画を回したその瞬間から、その場にいた全員が“これが天職”ってわかったくらい!
“面白い”っていうと、ノーモーションで“芸人”が答えだと思い込んでいたけど、このときに初めて“面白い”にも種類があるんだってことがわかったんだ。私はネタや大喜利はできなくても、やっぱり面白かったんだ! って光が見えた瞬間!
答えが出ないときは「友達」が道を拓いてくれる
そういえば、芸人になるときも、YouTubeを始めるときも、私の人生が楽しくなるきっかけは、全部友達からのすすめだったんだよね。
自分の人生は自分でハンドリングできてるつもりだったけど、結局自分だけじゃ『YouTuberになる』なんて発想、たどり着かなかったな! 私が今こうしてOggiのケータリングを食べられてるのも友達のおかげ!
周りの意見も取り入れると、自分の想像と全然違う展開に転がって、楽しいね」
得意なことは“頑張る”こと。それがファンを増やすきっかけにも
フリーランスになって5年。今ではYouTubeだけでなく、テレビやラジオ、海外ロケやCMに活躍の場が広がった。けれど、フワちゃん自身の根っこのところはずっと変わっていない。
「私は、得意なことと苦手なことがすっごく極端。いつも楽しいし、服かわいいし、風邪ひきにくい! だけどすぐ怒るし、すぐ忘れるし、すぐ失敗しちゃう。でも今は、こういう私の特性を理解してサポートしてくれる、最高チームのみんながいるんだ!
私は楽屋にお弁当があると全部食べちゃうからあらかじめロッカーの中に隠しておいてくれたり、髪びちょびちょのまま現場に来るのを見越してドライヤーの使える車両を手配してくれたり…。
普通のマネージャーだったらこんな仕事ありえないけど、対フワにとってはあるのとないのじゃ全然違うルーティーン。ご機嫌でやれてるのは周りのオーダーメイドサポートのお陰だね…」
周囲のだれもが、フワちゃんのいちばん「得意なこと」は、「頑張ること」だと知っている。近年では、ドラムをマスターしたり、エアロビクスの大会やプロレスの試合出場で成果を残したり。こうした「頑張り」は、フワちゃんファンをさらに増やすきっかけにもなった。
落ち込む時間は、なるべく削っていきたい。ポジティブさの秘密は“効率厨”
失敗もするけれど、それも隠さず次の栄養にするのがフワちゃん流。
「飛行機逃したり、パスポート忘れたり、クレカなくしたり、もう毎週何かしらYahoo! ニュースになってるくらい、しょっちゅう失敗してるんだけど、落ち込まないよねってよく言われる。確かに私、こんだけ失敗して全然落ち込んでないよね!(笑)
でもこれには秘密があって、私ってすっごく効率厨なのよ。効率よく物事を進めたいの。何か失敗しちゃったあとって、落ち込む→切り替える→整え直すみたいなフローがあると思うんだけど、ここで生産性があるのって切り替え以降の部分。
だからこそ“落ち込む”時間は、なるべく削っていきたいよね! ポジティブとかじゃなくて、ただのせっかちでした!(笑)」
大きな挑戦の先にあるのは、成功か失敗の二択じゃない
それでも、大きな岐路に立ったときは、だれだって慎重になるもの。そんなときにフワちゃんなら…?
「そうは言っても、私も実際なるべく失敗しないで生きていきたい派! 芸人になりたいって覚悟を決めて養成所に入ったときも、もしも失敗したときのためにって思って、一応大学は卒業しておいたんだ(笑)。
でも、そんなリスクヘッジガチガチで挑戦をビビってた当時の私に言えること。今、養成所を卒業してから10年が経って、あの中から売れた同期はほんのひと握りで、ほとんどが芸人をやめた。でも芸人をやめた同期たちも、結局みんな今、立派に人生楽しんでんのよ!」
いつからだって、やり直しはきく。やりたいと思ったことには挑戦してほしい
「何が言いたいかっていうと、大きな挑戦の先にあるのは、成功か失敗の二択じゃないんだ! 夢が叶わなくても、そこからの人生めちゃくちゃになるなんて、よっぽどの話。
だれだって、いつからだって、やり直しはきくんだって、10年経ってからわかったよ! どうなったって修正可能なんだから、みんなも、やりたいと思ったことはガンガン挑戦して欲しいな!」
2023年Oggi5月号「この人に今、これが聞きたい!」より
撮影/倉本侑磨(Pygmy Company) スタイリスト・衣装製作/吉野美咲 ヘア&メイク/藪 みのり 構成/南 ゆかり
再構成/Oggi.jp編集部