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海外に住んでいると実感することは…
ロンドンで暮らし始めて、早3ヶ月。あっという間なような長いような、不思議な感覚。
こんなに長い間日本を離れたのは初めて。いろんなカルチャーショックがあるけれど、住んでしまえばすべてが日常になっていく。そんな毎日なのだけど、改めてふと「今海外に住んでいるなー!」と感じる瞬間を紹介したい。
ヨーグルトの種類が超多い
オイコス・パルテノラバーな、ギリシャヨーグルト好きの私。日本では選択肢が少ないけれど、イギリスのスーパーではあらゆるヨーグルトが並び、ギリシャヨーグルトの種類も豊富。日本のスーパーではなかなかお目にかかれない大容量のギリシャヨーグルトパックも多くて嬉しい。
牛乳やチーズ、バターやクリームの種類も多いので、きっと日本で暮らす人よりもイギリスで暮らす人の方が乳製品に対する解像度が高いのだと思う。
日本では高級品なスコーンのお供、クロテッドクリーム(生クリームとバターの間のクリーム)もスーパーでいつでも買えるので、ティータイムの幸福度が上がる!
トイレットペーパーが分厚すぎる
これはトイレットペーパーだけではなく、ティッシュペーパーにも言えることだけど、日本の紙製品はすごく繊細だったらしい。
こちらで購入したトイレットペーパーは分厚くてスカスカ……。あっという間になくなってしまう。あの薄いのに柔らかい、日本の3倍巻きの商品が恋しい。
あと、ラップが上手に切れずに伸び続けるとき、ビニール製の個包装を開けるとき、手でピッと開けられないときにも外国を感じる。切れ味と切り込み、あれは企業努力とホスピタリティだったんですね。
自転車のサドルの位置が高い
ロンドンはレンタルサイクルの利用が盛ん。便利なんだけど、身長170cmの私でも、おや? と思うほどサドルの位置が高い(ちなみにトイレの便座の位置も高くて、かかとが浮くことが多い)。
街中には190cm超えの男性や、180cmありそうな女性がたくさんいるのだけれど、一方で小柄な人も多い。大は小を兼ねるのか? 本当に兼ねているのか?
薄切り肉が売っていない
ステーキ用のお肉や細切りされたものはあっても、スーパーで薄切り肉が売っていない。
日本で暮らしていた私にとってはすごく不思議だけど、同じアジアでも韓国料理や中華料理も実は塊肉文化で、むしろ薄切り肉を食べる国の方が少ないみたい。世界中の人に薄切り肉のおいしさに気づいてほしい。焼肉、食べたいな……。
公共交通機関に何でも乗せる
電車のホームにいるのに自転車を転がしている人がいたり、犬の手綱を引いている人がいたりして、一瞬自分がどこを歩いているかわからなくなる。
バスは特にTUBE(地下鉄)よりも路線が多くて便利なので、大きな棚と一緒に乗り込んでくる人もいてびっくりする。そんな大荷物の人に対して、さっと場所を空けたり、手伝ったり、声をかけたりするのがロンドナーのマナーみたい。
座席を子ども連れや老人に譲ったり、膝にワンちゃんを乗せた飼い主に「可愛い犬だね、名前は?」ってスモールトークを繰り広げたり、東京の殺伐とした電車がデフォルトの私にとって、人々の心のゆとりに驚かされることが多い。
余談だけど、私も先日、パブで飲んだ1pint(パイント=568ml)のサイダー(ジュースじゃなくてアルコール度数5%前後のしっかりしたお酒のこと。でも飲みやすくて危ない!)で酔っ払ってしまって、真っ赤な顔で停留所のベンチに座ってバスを待っていたら、若い女の子2人組に心配されてしまった。「どのバスを待ってるの?」「水とか欲しい?」と声をかけてくれて、優しさに感動。そして反省。
これらは“イギリスあるある”なんだと思うけれど、他の国に住む人はどういうときに海外を実感しているのかも気になります。
ではみなさま、良いお年を!
#10につづく
小西 麗
1993年生まれ。日本女子大学卒業。モデルを経て、編集者・ライター。雑誌媒体を中心にインタビューや特集記事を作成。「男性同士のアツい関係」の意であるブロマンス好きが高じて、コラムの寄稿も。2022年、YMSビザで渡英。現在ロンドン在住。
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