「自分らしさ」という新たな価値観が『Oggi』にも浸透し始めた2017年
東日本大震災を経て、人生100年時代と言われ始めた2017年。いかに自分らしく、心豊かに歳を重ねていくかがすべての人にとってテーマとなりました。
2月号では「コンプレックスがあるから、おしゃれになれる!」という企画も。
みんなが同じ「きれい」を目ざさなくていいという提案は、新しい価値観として『Oggi』でも浸透していきました。
ヘア&メイクアップアーティストの笹本恭平さんの新連載「考えるメーク〜笹本曰く。〜」も、そんなマインドをキャッチしたもの。
メイクのテクニックを伝えながらも、「なぜ私たちはだれのために、なんのためにメイクをするのか?」ということを考えさせられる、「読む美容」連載でした。
9月号では、今までの通説を覆すような問いかけに向き合う企画「好きな服こそ『週2回』!」が反響を呼び、改めてシンプルと向き合うことに。
創刊25周年!『Oggi』らしいシンプル&ベーシックを再構築
そして、10月号は創刊25周年となる記念号! この号の大特集は「25歳を過ぎたら、大人っぽい私。『シンプル』はこわくない!」。
この企画を体現するように、7人のOggiモデルズ全員がオールバックのひっつめヘアに黒タートル&グレーのスキニーデニム、そして黒のフラットシューズという、おそろいのシンプルルックで登場。
シンプル、ベーシックといった『Oggi』が掲げる通勤スタイルの核となるテーマを掘り下げた豪華な1冊となったのでした。
2017年の注目記事をピックアップ!
1月号「『重長トレンド服』コートの正解バランス」
ゆったりとした見ごろのニットやテールスカート、ガウチョやワイドパンツなど全体的にゆるっとしたボリューム感のあるシルエットがトレンドになり始めた’17年。
そうした「重長」な服たちを、すっきり着こなすためのベストなコートを探った企画。
たとえば、旬のモヘアのボリュームニットを今までの定番コートに合わせると、腕まわりがパンパンになったり、腰回りがキツく感じたりしてしまう…。
今まで主流だった細身シルエットからゆったりシルエットのコートへと、このころからシフトしていったのでした。
1月号「悪い男」
毎回、今をときめく人気俳優やアーティストをゲストに迎え、写真家で映画監督の蜷川実花さんが撮り下ろす豪華な連載「悪い男」が1月号からスタート。
記念すべき初回の「悪い男」は坂口健太郎さん。毎号、設定される妄想裏テーマが絶妙で、このときは「もしも坂口健太郎が同僚だったら」。
それらを演じるゲストを蜷川さんが撮り下ろす写真は妖しくも色っぽく、私たちの心は「悪い男」たちに惑わされっぱなしに。
2020年に単行本化が発表されるや予約が殺到し、増刷をするなど話題を呼びました。
2月号「2017年『今年こそ、結婚します!』」
立ち飲み焼肉居酒屋婚活、マッチングアプリ婚活、ハワイ結婚相談所婚活など、さまざまな婚活現場を取材し、その実態をレポートした企画。
特集の最後には“婚活疲れ”の実態にも触れて、「『幸せにしてもらおう』と思っているうちは婚活しても疲れるばかりです」と、心理カウンセラー・作家の五百田達成さんが婚活を総括。
この特集を踏まえ、Oggi読者にアンケート調査を実施した12月号の「その婚活、今すぐやめなさい!」では、婚活経験がある人のうち疲れたことのある人が97%もいることが判明!
実りのない婚活から脱却し、幸せをつかむために「なぜ結婚したいのか、理由を深掘りして紙に書き出す」「SNSをシャットアウトして、ネガティブな感情を遠ざける」「目の前にある仕事に集中してみる」などの具体策を提案。
結婚ばかりにとらわれず、一度立ち止まって幸せな未来に備えるための方法を探ることに問題の焦点をシフトしたのでした。
3月号「これからは、『正しく選べる』女になる! 働くaround30、究極の選択!」
情報があふれる時代、自分にとって本当に必要なものを知ることが今まで以上に大切に。そこで、ファッション、ビューティ、ライフスタイルの全方位からOggi読者にとっての正しい選択を探った企画。
まず、ファッション編では新・ベーシックカラーに「ネイビー」を挙げます。知的さも女らしさもかなう、ネイビーの万能ぶりを見直す内容に。
そのほか、アウターの提案では脱・王道トレンチとして「きれいめブルゾン」「ロングジレ」などが登場。
ライフスタイル編では、当時すべての仕事を投げ打って、NYへ武者修行に出ることを決めた綾部祐二さんのインタビューも。情報に振り回されず、自分らしい毎日を送るためのヒントが満載でした。
6月号 別冊付録「きれいに食べて、きれいに痩せられる本」
時代は無理なダイエットより、きちんと食べて痩せる時代に。
予防医療コンサルタントの細川モモさんの取材から教わることは、体脂肪を減らして筋肉を増やすために3食でしっかりたんぱく質をとること。そして、日中は活動エネルギーとなる炭水化物や脂質もバランスよくとるということ。
また、食からのアプローチのほかにも、正しい姿勢を保つこと、良質な睡眠をとること、そして適度な運動を行うことといった具合に、無理なく取り入れられるアクションを習慣化することで、ずっと「きれい」を目ざせると提案しました。
巷で噂のダイットは数多くあれど、何かに偏りすぎず、バランスのとれた、ごくごく普通の生活習慣こそが、「きれい」の近道なのでした!
7月号 別冊付録「私に『似合う』がわかる本」
手を載せるだけで、「プラチナ肌」か「ゴールド肌」かを診断できる仕かけになった表紙が話題に。
昔からパーソナルカラー診断はありましたが、’17年は骨格診断がブームになっていたとき。自分に似合う服にたどり着くための最短ルートとして、「骨格」「肌色」「顔タイプ」を診断できる別冊付録が登場!
流行の服を着てもなんだかパッとしない、顔色が冴えないと感じるのは、自分に似合うタイプを知らなかったことが原因なのでした。
自分がどのタイプかを診断できる内容に加えて、タイプの違うアイテムでも上手に着こなして「似合ってる印象を与える」テクニックなども紹介。
9月号「好きな服こそ『週2回』!」
通勤コーディネートの基本と思われた「着回し」という価値観をいったん壊して、改めて本当に使えるワードローブについて再考した、100ページに及ぶ総力特集!
今まで『Oggi』が追求してきた通勤スタイルの根幹を覆す、「ベーシック=一生モノ?」「プチプラ服=1シーズン限り?」「好きな服はいっぱい着ちゃダメ…?」という問いかけの数々。
そして、30歳になったらあえて着回さず、それ1枚だけで華やぐ服を持つことも提案。
服と向き合う楽しさを知ることは、大人の女性ならではの粋な心意気。精鋭のワードローブで自分らしく着こなしという、究極のシンプル論を突き詰めた1冊になりました。
10月号「25歳を過ぎたら、大人っぽい私。『シンプル』はこわくない!」
創刊25周年となった記念号の大特集。職場で後輩もできて、働き方にも余裕が生まれ、周囲を見わたすことができるようになった30代は、自分のおしゃれの見直しどき。そこで、シンプルを素敵に着こなすことを再構築しました。
色や形のかわいさに頼らないということは勇気のいることですが、この企画を通して改めて「シンプル」と向き合おうと奮起した人も多いはず。
「堅すぎない」「コンサバすぎない」「カジュアルすぎない」「甘すぎない」など、バランス感覚が優れた人こそ、シンプル美人だということがわかります。昔も今も、シンプル第一主義は『Oggi』の目ざす通勤スタイルなのでした。
史上空前の将棋ブーム到来! 次世代スター選手たちの活躍が注目された2017年
将棋界において史上最年少でプロ棋士となった藤井聡太さんがデビュー戦から無敗のまま、歴代最多29連勝を達成。
14歳ながら、「望外」「僥倖」など難しい言葉を使うキャラクターも話題となり、対局中の「棋士めし(勝負めし)」にまで注目が集まるという将棋ブームが巻き起こりました。
さらに、二刀流で活躍している野球の大谷翔平選手が米大リーグ・エンゼルスへの移籍が決定。また、陸上の桐生祥秀選手は100mで日本人初となる9秒台を記録するなど、若手選手たちの活躍が目覚ましい年でもありました。
その一方で、フィギュアスケートの浅田真央選手やゴルフの宮里 藍選手の引退表明もあり、世代交代を感じさせられたのでした。
2017年の時事トピックまとめ
米大統領にドナルド・トランプ大統領就任/銀座に「GINZA SIX」がオープン/フィギュアの浅田真央選手が現役引退表明/ゴルフの宮里 藍選手が引退表明/藤井聡太プロ棋士、歴代連勝記録1位となる29連勝達成/秋篠宮眞子様、小室 圭さんと婚約内定/九州北部豪雨で死者・不明者41人/北朝鮮、核・ミサイル開発加速/フランス史上最年少、エマニュエル・マクロン大統領就任/桐生祥秀選手、100mで日本人史上初の9秒台を記録/大谷翔平選手、大リーグ・エンゼルスへ入団/TWICE『TT』、Perfume『TOKYO GIRL』などがヒット/ドラマ『嘘の戦争』『カルテット』『過保護のカホコ』『陸王』『東京タラレバ娘』放送/映画『ラ・ラ・ランド』『帝一の國』公開
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文/HATSU