五黄殺の意味するところは…
九星気学(きゅうせいきがく)には、万人に悪影響を及ぼす凶殺方位があります。それが「三大凶殺」です。
◆「暗剣殺」「五黄殺」「歳破」の違い
「暗剣殺(あんけんさつ)」「五黄殺(ごおうさつ)」「歳破(さいは)」の3つがまとめて三大凶殺と呼ばれ、年ごとに決まる3つの凶方位で、万人に悪い運勢が降りかかるとされています。
「暗剣殺」は、自分以外のことが原因で起こる、厄災を招きやすい方位のこと。文字通り、暗闇から突然剣で襲われるような、予測できない災いに見舞われるといわれています。五黄殺と合わせて、二大凶方位と呼ばれる方位です。
「五黄殺」は暗剣殺の反対にあたる方位で、自滅、腐敗を意味し、自分自身が原因で起こるとされる厄災です。人間関係がうまくいかない、物が破壊される可能性があり、暴力・犯罪などに関連するトラブルが起きやすくなるといわれます。引越しや旅行など、滞在する時間が長かったり、移動する距離が長かったりする場合は注意が必要です。自ら災いを呼び寄せることになるため、避けたい方位といえるでしょう。凶方位のなかでも、最悪の災いをもたらすとされる方位です。
「歳破」は、その年の干支にあたる方位の、正反対となる方位を指します。約束が破られる、縁談が破談する、物が破壊されるなど、「破」という文字から想像できるように、積み上げてきたものが崩れたり、体調をくずしてしまったりする、災いが起こるといわれています。
◆「五黄殺」は最悪の災いをもたらす凶方位の1つ
自滅、腐敗を意味する五黄殺は、最悪の災いをもたらす凶方位。肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けやすくなります。五黄殺の方角に進むと、不幸、不運、崩壊、喪失、怪我、病気など、凶殺のエネルギーを体内に吸収してしまうといわれます。
◆一年を通してあらゆる人に共通の凶方位
九星気学では、年盤、月盤、日盤に五黄殺が巡る場合は、要注意。吉作用をもたらすものと同じ方位に巡っているものの、五黄殺のエネルギーの方が強力なため、凶作用の方が強く作用します。五黄殺は生年月日に関係なく、誰にとっても最悪の大凶の方位で、何をやってもうまくいかず、自滅する方位になります。
ただし、五黄殺は方角にだけ凶作用しますので、五黄殺の方角に移動しなければ問題ありません。
◆暗剣殺の対冲(反対方向)に位置する
「五黄殺」の反対方向に位置し、同じ凶殺でも別の作用をするのが「暗剣殺」です。「暗剣殺」は九星気学の凶殺の中でも、最も不吉な意味を持つものといわれます。五黄殺が自ら災いを引き寄せるのに対し、暗剣殺は自分には関係がないのに、トラブルに巻き込まれてしまう、また問題に引き寄せられてしまう…という、厄介な影響を及ぼします。
五黄殺の影響(凶作用)とは
五黄殺は自ら災いを引き寄せてしまいますが、その災いはじわじわと近づいていると考えましょう。たとえば、五黄殺の方角に旅行しなくても、旅行を計画しただけでも災難がやってきます。また自分ではまったく意図していなくても、偶然の巡りあわせで五黄殺の方位へ行ってしまい、結果としてマイナスエネルギーの作用を受けてしまうこともあるのです。
五黄殺は最悪の大凶の方位ですから、引越し、旅行、結婚式、マイホームの購入、開業、独立、お店の移転、などはNGといわれています。
その他にも、五黄殺の凶作用としては、次のようなものが挙げられます。
・財産を無くす(借金地獄に陥る)
・社会的信用を無くす
・自然災害や火事で家や財産を失う
・離婚や一家離散(失業、倒産など)
・命に関わる病気や事故に遭う
・メンタルに支障が出る(人間関係に疲れる、イライラするなど)
・体調が常にすぐれない
また、五黄殺は臓器が病気になるともいわれ、九星の定位置によって、影響が出る場所が変わります。
・一白水星:腎臓
・二黒土星:胃・脾臓
・三碧木星:肝臓
・四緑木星:肺・小腸・大腸
・五黄土星:肝臓・小腸・大腸
・六白金星:心臓
・七赤金星:肺など呼吸器系
・八白土星:胃など消化器系
・九紫火星:心臓
五黄殺の凶作用から病気になると、長引く傾向があるとされているため、気をつけましょう。
2024年の五黄殺の方角は?
◆2024年の五黄殺の方角は西
2024年の五黄殺は、西に回座しています。五黄殺は1年を通して、全ての人にとって大凶の方位になります。トラブルを引き起こしやすい方位とされていますので、2024年に西へ移動する際には注意が必要です。特に借金や盗難などの金銭的トラブル、異性関係での散財や家庭内のトラブルには気をつけましょう。
五黄殺を回避するための対策
五黄殺を回避するための一番の対処法は、五黄殺の方角に移動しないことです。どうしても、仕事などで五黄殺の方角へ出張や移転などの予定がある場合は、方違え(かたたがえ)・吉方位取りで回避しましょう。
◆吉方位取り
吉方位取りとは、自宅から見て吉方位となる方角へ移動し、そこで良いエネルギーを体に取り込み運気を上げることで、五黄殺の大凶作用を回避する方法です。
五黄殺方位へ行かなければならない時は、まず吉方位の場所に移動し、そこで最低2時間ほど滞在してから、五黄殺方位へ移動します。大体自宅から750m以上移動すれば、吉方位の吉が取れます。
◆方違え(かたたがえ)
方違えとは、凶方位へ向かわなければいけなくなった際に、凶方位にある引越し先に向かう前に一度、吉方を経由する方法です。あえて別の方向に一度回り、凶方位をずらすことで、凶方位を避けられるといわれています。
まず、現在の住居から吉方位に移動し、さらにそこかてら新居までが吉方位である場所に移動し、仮住まいしてから新居へ引越します。とはいえ短期間に2度の引越しはなかなか難しい場合もありますから、略式として、実家やホテルなど凶方位にあたらない場所に一泊してから入居する、という方法もありです。それも無理なら、新居に向かう道順を別の方位に回り道してから向かう、といった方法もあります。
◆方位除け(ほういよけ)
「方違え」などを行ってもなお心配な人は、神社で「方位除け・八方除け」を受けてみるのもいいでしょう。八方除けは、これから起こることについて、その方角で良くないことが起こらないように、祈祷してもらうものです。凶作用を打ち消すための対処法で、完全に凶作用を取り払うことはできませんが、効力を弱めることができます。
五黄殺の方位に行動してしまった後の対処法
五黄殺は大凶方位の中でも最凶といわれます。主な悪影響は、破壊、腐敗、暴力、犯罪、混乱などで、それだけでなく健康や人間関係までも破壊されるほどの威力があります。
ただ、五黄殺の本当の怖さとは、その影響の強さや大きさだけではありません。最凶といわれるのは、一度五黄殺の方角へ進むと、以降、五黄殺方位から呼ばれるようになる、つまり連鎖する怖さを持っているからなのです。
たとえば、一度、五黄殺方位に引越しした場合、次の引越しも不思議と五黄殺になる、五黄殺へ行く理由が増え、五黄殺でばかりの用事が増える、という連鎖性があります。ですから、どこかでその悪循環を断ち切らなければなりません。
◆最大吉方位への旅行・転居
一度でも五黄殺の方角に進むと、凶作用に引っ張られてしまうので、その力を打ち消す対処法を知っておきましょう。五黄殺に進むと、引き寄せてしまった凶作用を簡単に取り除くことは、難しいともいわれています。
凶作用を打ち消すための対処法としては、先に紹介した八方除けなどがありますが、それでも完全に凶作用を取り払うことはできません。そんな時に、効果的と言われるのが、吉方位旅行や最大吉方位への転居です。
最大吉方位とは、本命星と月命星の二つが同じ吉方に位置する方角で、最もエネルギーが高まる状態になります。ただし、本命星に最大吉方位が巡る時期が来るのを待っていても、凶作用を打ち消せません。最大吉方位への旅行や引っ越しが難しい場合は、自宅から見て、吉方位となる方角へ旅行するのがおすすめです。
吉方位旅行が有効な距離は、「100~200km以上離れた土地」であるといわれています。でも移動距離が遠ければ遠いほど、大きな効果がある、と言われ、五黄殺の強力な凶作用を打ち消すためには、最低でも自宅から500キロ以上離れた地に、7日間滞在すると効果があるといいます。
最後に
旅行や引っ越し、そして人生のさまざまな場面にまで影響を及ぼす五黄殺。五黄殺の一番の対処法は、五黄殺の方角に移動しないことです。
もし、どうしても移動しなければならない時は、神社でお祓いや方違えや吉方位旅行をして、凶作用を和らげましょう。
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