飛行機はなぜ左側から乗り降りする?
ゴールデンウィークはどう過ごされていますか? 久々に帰省や旅行を予定されている方もいらっしゃるかもしれないですね。
そんな中で、移動手段のひとつである飛行機。実は乗り降りはいつも機首に向かって左側にあるドアからなんです。
なぜかご存じですか?
答え「飛行機は船の文化を受け継いでいるから」
飛行機は左右にドアがついているのに、乗客が乗り降りするのはいつも機首に向かって左側のドアから。
それは、実は飛行機は船の文化を受け継いでいることによるものなのだそう。
船は左側を港側という意味の「ポートサイド(port side)」、右側を「スターボードサイド(starboard side)」と呼びます。スターボードサイドは舵側という意味の「ステアリングボードサイド(steering board side)」が訛ったと言われています。
ここからもわかるように昔の船は舵が右側にあり、万が一のときにも舵を傷つけることがないよう、左側から人の乗降、貨物の上げ下ろしをすべく、左側に着岸していたといわれています(現在は舵が中央に設置され、必ずしも左側を着岸させるものでもないそう)。
飛行機も船に倣って左側から人の乗降が行われることとなり、それを踏まえて空港も設計されていきました。
そのほかにも、機長を「キャプテン」、乗務員を「クルー」、客室を「キャビン」と呼ぶ等、船の慣習を受け継いだものがあるんですよ。
ちなみに、搭乗待合室と飛行機内をつなぐ通路は「ボーディング・ブリッジ」といいます。
* * *
いかがでしたか? 右側のドアは機内食や飲料など機内で必要なものの搬入、ごみの搬出、緊急脱出時に使われています。業務用ドアを意味する「サービスドア(service door)」と呼び、左側のドアは乗降用ドアを意味する「パッセンジャーエントリードア(passenger entry door)」と呼びます。
以前、スターフライヤーが空港運用上の必要性から右側乗降をしていたことがあるんだそう。これまで意識して乗り降りしていませんでしたが、いざ右側から降りると違和感を感じ、左側乗降について気がつく経験ができたかもしれませんね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
鶴田初芽
都内在住のOLライター。マナーインストラクターであり、実用マナー検定準一級や敬語力検定準一級など、ビジネスにおけるマナーや、マネーに関する資格(2級ファイナンシャル・プランニング技能士、金融コンプライアンスオフィサー、マイナンバー保護オフィサー)などを保有。丁寧な暮らしに憧れ、断捨離修行中!
この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます