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2021.12.14

年末年始はドレスアップして【クラシックコンサート】へお出かけしよう! 非日常感を味わえる魅力とは…

今も作曲され続けている「クラシック音楽」。その魅力と年末年始の華やいだ「クラシックコンサート」の楽しみ方とは? 音楽学者の方にお話を伺いました!

年末年始は… クラシックコンサートへ出かけてみよう!

大音量の振動、ピアニッシモの響き、華やいだ会場の雰囲気…etc. ときにはドレスアップして非日常感を満喫したい!

お話を伺ったのは… 音楽学者 沼野雄司さん

1965年生まれ。東京藝術大学大学院博士後期課程修了。博士(音楽学)。米ハーヴァード大学客員研究員などを経て現在は桐朋学園大学教授。音楽批評や演奏会・CDライナー解説の執筆、音楽祭の企画・監修、コンクール審査員など幅広く活躍。

今も作曲され続けている〝クラシック〟 って何?

Oggi編集部(以下Oggi) 10月に国際的なピアノコンクールで、日本人が入賞したとニュースになっていましたね。

沼野さん(以下敬省略) ショパン国際ピアノコンクールですね。ふだんあまりクラシックを聴かない人からも注目を集めました。

Oggi YouTuberとして活躍する、角すみ野の隼斗さんのような出場者もいたとか。この1~2年、ストリートピアノ系のYouTuberも増えて、クラシックを耳にする機会は増えた気がしますが… 正直、まだハードルが高い感じは否めません。聴くと眠くなるイメージも(苦笑)。

沼野 確かに、かつては「クラシックといえば、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト!」といった200~300年前のドイツ・オーストリアのラインナップが中心で、現代の刺激的なポップスやロックを聴き慣れた耳には、単純でつまらない音楽に聴こえていたかもしれません。もちろんそれらの曲も、つくられた当時は最先端の音楽だったわけですけど。

でも実際には、クラシックはさまざまな時代にいろいろな国でつくられて、オーケストラの曲もあれば楽器の独奏も、オペラもある。テンポが速い曲もゆったりした曲もあって、長い歴史があるぶん音楽の幅がとても広いんです。現代音楽のクラシックも面白いですし。

Oggi えっ? クラシックって古典的な音楽のことを指すのではないんですか?

沼野 いいえ、クラシック音楽はは今現在もつくられていますよ!

Oggi ちょっと混乱してしまいます(汗)。そもそもクラシック音楽って、どのような音楽を指すのでしょうか…?

沼野 厳密な定義は難しいですが、ごく単純化するなら「楽譜ありきの音楽」ということになります。作曲家が一音一音書いた、楽譜こそが作品。それをいつ、だれが演奏するかは決められていません。

Oggi たとえば映画音楽や、ミュージシャンがオーケストラをバックに歌うような場合は…。

沼野 演奏する人や目的が決まっていて、録音された〝音〟が楽譜より先に世に出るという点で、クラシックとは一線を画しますね。

クラシック音楽は〝聴くアート〟
インターネットで好きな曲を探すもよし! その響きや迫力をホールで体感するもよし!

©サントリーホール

Oggi クラシックファンは近年、増えているんでしょうか?

沼野 昔からそれほど変わっていなくて、今日お邪魔している東京・赤坂のサントリーホールの入場者数も、コロナ禍を除いては、変わらないと聞いています。でも最初に話に出たとおり、YouTubeや音楽配信などが一般的になって、クラシックの楽しみ方は変わってきましたよね。好まれる曲やオーケストラで演奏されるレパートリーも、確実に多様化しています。

いわゆる「クラシック名曲集」には入っていないような曲に、演奏家や一般の人もアクセスできるようになったので。ネットでいろいろ聴いていくうちに、好みの曲や作曲家に必ず出合えると思います。

Oggi そういえば先日、音楽配信サービスの「仕事に集中できるプレイリスト」をBGMに流していたら、すごくかっこいい曲が流れてきて、調べてみたら、聞いたことのないウクライナの作曲家が30年ほど前につくった曲でした。

沼野 オススメされるリンクから、また世界が広がりますし、音楽を聴くのにこんなにいい時代は、かつてなかったと思います。美術のアートと同じで、自分なりの角度から“勝手に”楽しむことが大事でしょう。「キラキラしてて心地いい」「人間が指で弾いているとは思えない!」、あるいは「ぐっすり眠れてよかった」とか(笑)。

Oggi ちょっと気が楽になりました。沼野さんのオススメの曲も伺いたいです。

沼野 あくまでも僕の好みですが… 19世紀終わりから20世紀初頭くらいの曲は新鮮で聴きやすいのではないかと思います(下記の「沼野さんオススメのクラシック音楽3曲」参照)。ぜひ検索して聴いてみてください。ちなみに僕は半年ほど前、ヒップホップに目覚めたんです(笑)。Oggi読者の方も、思いがけずクラシックに目覚めることがあるかもしれませんよ。

Oggi インターネットでクラシックの楽しみ方は広がりましたが、生の音をホールで聴くコンサートは、やっぱり全然違うのでしょうか?

沼野 それはもう! 質がまるきり違う、別ジャンルの体験だと思います。オーケストラがわかりやすいですが、50人、100人がバンッと出す大きな音を浴びると、音の〝圧〟も感じられて、ちょっとした感動を覚えるんじゃないでしょうか。ごく小さい音の繊細な響きも、リアルだからこそ味わえるものですね。もちろん、オンライン配信コンサートは、遠方に住んでいても聴けますし、演奏家の表情や手元がアップで見えて、別の楽しみがありますけど。

Oggi 曲や演奏家についての知識がない初心者にとっては、コンサートを選ぶのも難しくて。

沼野 室内楽でもソロのリサイタルでもなんでもいいですが、特に好きなジャンルがなければ、オーケストラの定期演奏会へ!

Oggi 定期演奏会…?

沼野 プロのオーケストラであれば基本的に月1回、開催していて、それが活動の中心であり、オーケストラの価値をはかられる本番でもあるんです。フランス料理のフルコースを考えていただければよいと思うのですが、変化があって飽きないんです。アミューズのような序曲の後に、楽器の独奏とオーケストラが一緒に演奏するコンチェルトの前菜、メインディッシュは40分程度の交響曲がガツンと演奏されるのが定番です。

Oggi なんだか素敵ですね。

沼野 チケットを買う前に自分が好きな系統の音楽かどうか、ネットで予習しておいたほうが安全ではありますが。定期演奏会以外だと、最近はトークが挟み込まれたり、バレエなどと組み合わされていたり、工夫が凝らされたコンサートも増えています。

Oggi 座席は、やっぱり前方の真ん中がいいんですか?

沼野 好みですが、僕は意外と2階後方などのリーズナブルな席も好きです。今、どの楽器が演奏しているか1階席より俯瞰で見えますし、音もクリア。ホールによっては指揮者の顔が見えるステージ裏側、オルガン側の席も面白いです。ステージとの距離も近くて。

Oggi コンサートには何を着ていったらいいんでしょう?

沼野 デニムでもなんでも! でも、仕事では着られないドレスや和装でも会場の雰囲気から浮きませんし、ハレの場としておしゃれを楽しむいい機会だと思います。開演前や休憩中に、ドリンクコーナーでお酒やコーヒーを一杯いただくのも気持ちが華やぎます。

Oggi 日常とは違う気分に浸れそうですね。ほかにもクラシックコンサートで覚えておきたい、マナーがあれば教えてください。

沼野 演奏中に音を立てない、それだけ。チラシがカサッと鳴るような小さな音でも非常に響きます。演奏中の撮影や録画は厳禁ですが、公演によって、演奏前後なら写真を撮ってもよい場合もあるようなので、会場のスタッフの方に聞いてみてください。

Oggi 思っていたより気軽に楽しめそうです。まずは年末年始のコンサートに、イベント感覚で行ってみようかな!

沼野 ホールでお会いしましょう。

こんな曲もクラシックなの!? 沼野さんオススメのクラシック音楽3曲

◆「春初めてのカッコウの声を聴いて」ディーリアス作曲
1曲の中に起承転結が感じられる映画音楽のような美しい曲

©GRANGER.COM/アフロ

フレデリック・ディーリアス(1862~1934)
イギリス出身。米フロリダを経て20代から拠点をパリに。
「1912年に作曲された代表作。体の中にスーッと入ってくるような弦楽の調べと、クラリネットによるカッコウの声が美しい」(沼野さん)

◆「トッカータ」プロコフィエフ作曲
ロックのようなパンクのような力強いピアノ曲

©Universal Images Group/アフロ

セルゲイ・プロコフィエフ(1891~1953)
ロシア出身の作曲家、ピアニスト、指揮者。オペラや交響曲、バレエ音楽、協奏曲、ピアノソナタなど数多くの傑作を残した。
「不穏な響きの連打がリズミカルに続き、ガシガシ前進していくような激しさがあります」(沼野さん)

◆「牧神の午後への前奏曲」ドビュッシー作曲
夢に包まれるような幻想的な世界へ…

©GRANGER.COM/アフロ

クロード・ドビュッシー(1862~1918)
フランス出身。この曲は1892~1894年にかけて作曲されたオーケストラ作品。
「僕が高校生のときに聴いて、音楽の道に進もうと決意するきっかけになった曲。身も心も引きずり込まれるような感覚に襲われました」(沼野さん)

年末年始を華やいだ気分で迎えられるクラシックコンサートはこちら!

♦︎サントリーホールのクリスマス 2021 日本のトップ指揮者と人気声優がナビゲート!

2021年12月25日(土)13:30開演
指揮者・大友直人さん(写真)と新日本フィルハーモニー交響楽団が奏でる、チャイコフスキー『くるみ割り人形』やラヴェルの『ボレロ』などの名曲を、トム・クルーズの日本語吹替などで活躍する声優・森川智之さんが案内。S席6,000円〜B席4,000。

●問い合わせ/サントリーホールチケットセンター
電話番号/0570-55-0017(10:00~18:00、休館日を除く)

クラシック音楽にまつわる4つのキーワード

1|ショパン国際ピアノコンクール

©W. Grzędziński/The Fryderyk Chopin Institute

5年に1度ポーランド・ワルシャワで開催され、ショパン作品のみで競う。マンガ『ピアノの森』の題材としても知られる。今回はコロナ禍のため1年延期され、日本人は反田恭平さん(写真)が2位、小林愛実さんが4位入賞。YouTubeのライブ配信でも注目を集めた。

2|オーケストラ

弦楽器、管楽器、打楽器で編成される楽団、および演奏される管弦楽曲。語源はギリシャ語で、古代ギリシャの円形劇場の平土間のこと。「管弦楽団」「交響楽団」「フィルハーモニー」とも呼ばれる。日本オーケストラ連盟には、現在38のプロのオーケストラが加盟している。

3|現代音楽

クラシック音楽の流れを受け、第一次世界大戦以降につくられた実験的な作品を指すことが多い。ハ長調といった特定の〝調性〟がない無調、不協和音などが代表的な特徴。その歴史や特徴は沼野さんの著書『現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ』(中公新書)に詳しく紹介されている。

4|サントリーホール

〝世界一美しい響き〟をコンセプトに1986年に誕生し、2021年で35周年を迎えた。大小ホールで年間約550の公演が行われ、9月には累計来場者数が2000万人を突破。月に1回、昼休みに行われている30分間のオルガンコンサート(無料、事前申込制・現在は登録会員限定)も好評。

●この特集で紹介した商品の価格はすべて、税込価格です。
●情報は2021年11月12日現在のものです。

2022年Oggi1月号「Oggi大学」より
撮影/為広麻里 イラスト/八重樫王明 取材協力/サントリーホール 構成/酒井亜希子(スタッフ・オン)
再構成/Oggi.jp編集部

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Oggi12月号で商品のブランド名に間違いがありました。114ページに掲載している赤のタートルニットのブランド名は、正しくは、エンリカになります。お詫びして訂正致します。
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