奥深い! 雲の数え方って知ってる?
季節によって表情を変える雲。突然ですが、皆さんは雲の数え方をご存知ですか?
正解は… ズバリ、形によって数え方が変わるんです! どのように表現するのか詳しくみていきましょう!
◆細かく小さな雲
細かく小さな雲は、一片(いっぺん・ひとひら)、一点、一切れ。
◆ほんのわずかな雲
ほんのわずかな雲は、一抹(いちまつ)。
◆細長い筋状の雲
飛行機雲のような、細長い筋状の雲は、一本、一筋、一条。条は細長いもの、筋状のものを数えます。
◆刷毛で書いたような雲
刷毛で書いたような雲は、一刷毛。
◆山のような形の雲
入道雲のように、山のような形の雲は、一座。
山を数えるのと同じ数え方ですね。元々は仏様が座っている姿を数えるためのものです。頂きの部分が空高いところまで伸びて大入道のように見える雲を、大きな座像に見立てて「座」で数えるようになりました。
◆空を広く覆っている雲
空を広く覆っている雲は、一面。
あまり天気の用語について数え方を意識することはないと思いますが、調べてみるととっても奥深いことが分かりますね。
では、他のお天気にまつわる用語はどうでしょう?
風の数え方
頬をなでる風はひと吹き、ふた吹きと数えられますが、ざーっと吹く強い風は「風雨一陣」という荒れ模様を表現する言葉があるように、「一陣」と呼ぶことも。「陣」は軍勢を数えるもので、押し寄せては去る様子を描写したものです。
虹の数え方
「一本」や「一筋」がぱっと思い浮かぶと思いますが、もう少し詩的な数え方で「一橋」「二橋」という言葉があります。空にかかる美しい橋に見立てているのですね。
星の数え方
星を天体として数える場合は「一個、二個」、流れ星は「一本」や「ひと筋」で数えたりもします。またオリオン座など、色々な形に見立てて名付けられた星座は「座」で数えることも。「座」を用いるのは、夜空で星が決まった配置にいる、すなわち腰を据えているためです。
昔の人がこれまでどのように自然界にあるものを捉えてきたのか、想像してみると面白いですよね。疑問を抱いたものがあればぜひ調べてみてくださいね!
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気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。